オフィス潜入リポート「こんなオフィスで働きたい!」
第3回 グリー株式会社(GREE) 後編
前編はこちら>>第3回 グリー株式会社(GREE) 前編
●グリー株式会社
2004年2月、代表の田中良和氏がプライベートでスタートしたSNSが、公開1カ月で会員数1万人を突破したのがはじまり。2006年からモバイル版を本格稼働し、ゲームを主軸としたコンテンツの提供を開始。2008年12月、東証マザーズ市場に上場。現在の会員数は2000万人以上。
http://www.gree.co.jp/
黒と白を基調にデザインされた執務室とは打って変わって、外光がたっぷりと降り注ぐ明るい休憩室。食事中の人々、仕事中の人々など、さまざまな社員がリラックス中
飲料水から軽食までが揃う、グリー仕様の自動販売機
以前、グリーにお邪魔した際に目にしたことのあるビジョンを休憩室で発見。現在のエントランスにあるビジョン同様に、各県の会員数情報を元にしたモーショングラフィックが表示される
働く社員の味方、マッサージチェア。コリをほぐしてもらいながら、しばしウトウトしてみたり
社内ポスト。会社に届いた郵便物は、ここで一旦部署毎に仕分けされる
ゲスト待合スペースと執務室とをつなぐ出入口。すりガラスの自動ドアがちょっぴり近未来的
毎週月曜日の朝に全社会議が開かれるセミナールーム「Yosemite」。各部署の代表者たちが、前週の成果や進捗状況などを報告する
Cisco Systemsの電話。スマートなデザインは一流IT企業にふさわしい
写真上から、グリーの使命がつづられたミッションステートメントカード、今年1月に開かれた納会の記念写真、会社ロゴの入ったマグカップ。これらは会社から社員に送られたノベルティ
インターンでグリーにやってきた学生に配布されるノベルティ。しっかりとした造りのノート、スイス製のペン、そしてカラフルなインデックスシール。インターンシップは2年前から開始され、大勢の学生たちを受け入れてきた
写真上は、上場を記念して取引先からプレゼントされた造花。下も同じく上場記念にいただいたディープインパクトのぬいぐるみ
コミュニケーションを大事にするワンフロア主義
──社内にはどういった人材が揃っているのでしょうか。
●エンジニア、デザイナ−、コンテンツディレクターが多くて、全体の6〜7割。ほかはマーケティング、バックオフィス関係です。弊社では、優れた人材は知り合い経由で集めてくるという時期が長く続きました。今でも紹介ベースの採用は文化として残っています。会社の成長にともない、一般からの採用が増えていますけどね。
──社員の目から見てグリーはどんな会社に映りますか。
●内製志向の強い会社です。ゲームコンテンツ、広告、オフィスの内装──なんでも納得するまで自分たちで手がける傾向にあります。デザイナーやエンジニアといった作り手サイドとしては、企画段階から、お客さんに届ける最終段階にまでに関与できることが喜びです。そういった体制なのは、根本的に「いいものを自分たちの手でつくろう」という思いが強いからです。
ちなみに私の率いる制作チームには、SNS内のアバターなどを描くイラスト担当と、デザイナー、フラッシュ担当が揃っています。
──執務室では、ワンフロアにすべての社員が集っているそうですね。
●歩いて行ける距離にすべてのスタッフが揃っています。そのため内部でのコミュニケーションは極めて良好です。マネージメントの立場にある私としては、与えられた仕事を手がけるだけではなく、社内に潜む隠れたニーズを掘り起こしながら、制作チームの人たちに幅広い仕事を用意したい。クリエイターとしては多様な仕事に関わっていけたほうが刺激的ですからね。そんな風に考えながら、社内スタッフとの密なコミュニケーションを日頃から心がけています。
──最後に、今後の展開としてはいかがでしょうか。
●アメリカ、中国といった海外展開と、iPadやスマートフォンを採り入れたマルチデバイスで世界に一億人のユーザーを獲得することが目標です。今年はグリーのプラットフォームをオープン化しました。これまでのようなゲームだけではなく、さまざまなタイプのアプリケーションが展開されることも期待しているところです。
(取材・文:立古和智 写真:原祥子)
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