水曜。年末……フル回転。

いつものように掃除→宅急便仕分け作業。

荷物は毎日届く。刷り取りが必ず平版（折ったり丸めたりすることなく平らな状態）で届くため、ひとつの荷物がけっこう大きい。刷り取りはその日に刷ったものを次の日東京へ着くように送ってくれている。現場では夕方6時頃に荷物の集荷が来るため、その時間に間に合う印刷物に限ったりはするが。中には集荷の直前、印刷真っ最中のものから抜き取って、合紙を挟んで送ってくるものもある。印刷してすぐのものはインキが乾き切っていないため、こすれたりすると別の紙へ移ってしまうことがあるため、一枚一枚の刷り取りの間にいらない紙を挟むようにしているのだ。

こういう荷物は、匂いまでも翌朝の東京まで届くことになる。インキの独特の匂い。昨日の立ち会いほどではないけれど、これもまた匂いとともに現場の緊張感を運んできているように感じる。特にこちらは本社からのものなので、印刷現場のあの人の声とか印刷機のブザー音とか……聞こえてきそうだ。

昨日に引き続いてB社カードデザイン作業に入る。並行してA社の版作（版下作成）作業もある。通常「版作」と呼んでいるこの作業、今回はA社のDMカードのフォーマットに、全国の各店舗の清刷をレイアウトしていく。清刷は季節によって百貨店の営業時間や休日の告知が変わる場合が多い。細かい修正が入ると、抜けが生じたりする危険性があるので気が抜けない仕事だ。年末は百貨店の方々も忙しいので、確認をとるのにも時間がかかる。

昼休み前に細かい修正ものはすべて校正へ。区切りをつけ、先輩たちに少々遅れて定食屋さんに到着。先にドリンクを飲んでいた先輩たちから衝撃のニュースが！　「移転」。……よく聞き取れない。3回聞きなおし。気に入っていたこの定食屋さんが赤坂に移転するらしい。また新しいお昼のお店を見つけなくては！　たいてい休み時間は1時間お店にいることが多いが、今日は少々早めに切り上げて、近くのレコード屋「ボンジュールレコード」へ。いくつかCDを試聴したあとに、パリのクリエイター集団「kitsune」のMIX CD「KITSUNE SECRET 2／Gildas & Masaya」を購入。ここでちょっと気分転換。

夕方のプレゼンに備え、サンプルを制作。腐食型を用いた、かなり細かい打ち抜き加工を含んだ仕様のデザインをしたため、サンプルをつくるのにも一仕事だ。カッターを細かく動かして仕上がりに近い形に切る。一方、用紙・刷色の特色指定・サイズ・印刷方法・加工方法などをまとめた仕様書とセット見本を作成。

担当営業とともにB社へ。先方への道すがら、プレゼンをどう進めるかを詰めていく。今日は印刷見積もりも一緒に提示する。デザインと印刷費詳細を平行して同時に進めることができるのはGRAPHの特徴のひとつかもしれない。「この用紙はちょっと高い、似た紙でこっちはどうか」「こっちの紙ならもうちょっと絵柄を変えたい」などのやり取りがその場で行える。プレゼンの結果、デザインをかなり気に入っていただきました。ひと安心。自分でお話ができて、自分でお客様の笑顔を見られるのはかなりやりがいとなる。文字の細かいチェックなどを含めて社内で検討していただくことに。年始に返事をいただく段取り。

帰社。一昨日、製版に補正を頼んだ画像データがあがってきた。例のGRAPH紹介ムービー用の新しい作品を撮影した画像データだ。今回は郵送手配であるため、荷物の集荷に間に合わせなければいけない。急げ！　すぐにアタリと差し替え、最終確認、レンダリング。梱包。

何とか集荷に間に合いました。続けて、あがってきた画像をWeb用に保存。Webは2006年11月に大幅にリニューアルしました。サイトはデザイン作品を多く見ることができるようになっています。実はWebの管理人も僕の仕事のひとつ。新しい作品画像ができる度に更新している。サイトは一般のブログと同じようなシステムになっており、画像さえ整っていればエントリー更新は非常に簡単。http://www.moshi-moshi.jp/

百貨店関連の校正の戻しがちょこちょこ届いて来る。OKのものと再校正のものと書類を整え、修正箇所を一気にこなす。

まあ、明日もわりと予定が詰まっているので、今日はここで帰宅。夜ごはんは家に帰ってからか、疲れているときは近所で食べて帰宅することが多い。今日は食べて帰るか……。

外食する場合は、そのままお茶しながら読書タイムに突入することが多い。最近読んでいるのは伊坂幸太郎の『重力ピエロ』と、タイトルがかなり気になって買った新書『時間はどこで生まれるのか』。何となく理系っぽいテーマには反応してしまう。ジャンル問わず気になったら片っ端から読むが、中でも伊坂幸太郎はかなり好きで、ほとんど持っているくらい。