第2回
コンバージョンレート向上のためのアクセス解析ツールの選択(1)
情報システムの企画や設計などを通じて、さまざまな企業でアクセス解析ツールの導入を支援してきたが、ビジネスの「身の丈に合った」ツールを正しく選択できている企業は、意外に少ない。いったい、何を基準に選択すべきなのだろうか。また、主要なアクセス解析ツールにおけるトレンドについても探っていきたい。
(文:松岡清一)
[プロフィール] まつおか・せいいち NRIネットワークコミュニケーションズ(株) Webマーケティング事業部部長 |
価格だけで判断するのは誤り
アクセス解析ツールを導入するうえでもっとも重要なことは、何を指標として計測したいのか、分析の目的を明確にすることである。システムリソースの監視のためにただトラフィックを計測するのと、広告の費用対効果を検証するのとでは、導入すべきツールがまったく違う。
「結局は価格で決めた」という事例も耳にするが、サイトの運用目的とツールの機能がかみ合っていないと、最悪は導入し直しということも起こり得るので注意したい。
たとえイニシャルコストやランニングコストを抑えられても、機能的な制約から必要なデータを取り出せなければツールを導入する意味がない。逆に、導入にかかるコストが高くても、それに見合う解析データが得られるのであれば、導入に踏み切るべきだ。
次のファクターを総合的に考慮したうえで、自分たちが必要としている機能が提供されているのはどのツールなのかを導入前に十分に検討するべきである。
- 分析者が使いやすいと思える機能と操作性を備えているか
- 分析したいサイトの構造、チャネル(携帯電話、ゲーム機などのデバイス)に対応しているか
- サイトの将来的な拡大を折り込んだ、十分なキャパシティと拡張性を備えているか
- オプションモジュールや、カスタマイズ機能が提供されているか