第10回 Phase2 使えそうだと思わせる企画説明と伝え方 - 思考するWebディレクション | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-

第10回 Phase2 使えそうだと思わせる企画説明と伝え方 - 思考するWebディレクション

2024.4.26 FRI

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Phase 2 使えそうだと思わせる
企画説明と伝え方

アイデアを企画に
関連づけて説明する

ここからは、アイデアに必要性と関連性を持たせ、第三者が納得できるものにするための方法を紹介する。前回も述べたが、アイデアは"点"と"点"の組み合わせによって生まれる。これはWebにも適用でき、Webのコンテンツとそのほかの物事を掛け合わせることで新しいアイデアが生まれ、企画立案へとつながる。しかし、アイデアを企画と関連づけて説明することはやさしいことではない。斬新なアイデアであるほど説明することが難しく、なぜその企画にふさわしいのかという理由が第三者には理解しづらくなるだろう。どこかで見聞きした覚えのあるありそうなアイデアならば理解することは容易だ。しかし、聞いたこともないような奇抜なアイデアであれば、相手の理解を助けるために細かな説明が求められる。企画提案でクライアントを納得させるには、なぜそのアイデアに至ったのかを詳しく説明することが必要だ。企画発案の動機や経緯を伝えることが企画の足固めになる【1】。

実際の企画事例から
アイデアの必要性を考える

ここではアイデア発想から実際の企画立案までの事例として、筆者が代表を務めるデスクトップワークスのWebサイトコンテンツ「デスクトップツアーズ」(d-w.jp/about_dtt.html/)を取り上げる。このコンテンツは「会社紹介×日帰りバスツアー」という掛け合わせのアイデアが基になっている。企画のメインターゲットは、新規にアクセスしてきたユーザーであり、自社サイト内の主要なコンテンツを短時間で見せることを目的としている【2】。自社サイトは現在、新規ユーザーとリピーターの双方に向けた情報が混在しており、「デスクトップツアーズ」ははじめて訪れた人に混乱を与えないようにするためのコンテンツになっている。
このコンテンツの企画概要を簡単に述べるなら"必要なコンテンツだけを短時間で見せるデスクトップツアーズ"となる。しかし、これだけではまだ第三者に伝えるには説明が不十分であり、必要性もそれほど感じられない。企画の内容をわかりやすく伝えるためには、相手の抱えている課題に目を向け、そこを切り口として進めていくとよい。
リピーター向けに展開している情報の量が増えてしまい、新規訪問者の誘導のじゃまになっている、という部分がこの自社サイトの抱える課題点だ。この点を補足したうえで企画概要についてもう一度説明してみると、"リピーター向けの情報量が増え、新規訪問者の閲覧の妨げになっている。そのために、必要なコンテンツだけを短時間で見せるデスクトップツアーズ"となる。このように課題を明確に述べることで、その企画の必要性がぐっと高まり、クライアントの興味をひくことにもつながる。また、企画のメインターゲットも絞り込めるはずだ【3】。
Webサイトのターゲットとは、すなわちアクセスしてくるユーザーすべてを指す、と一般的には解釈されがちだ。しかし、新規ユーザーなのかリピーターなのか、男性なのか女性なのか、というようにどういった層をターゲットとするのかを具体的に設定することで(ペルソナ設定)、アイデアの必要性や説得力も高まっていく。これにより、クライアントに「この企画は使えそうだ」、「予算をかける価値がありそうだ」と思わせるような説得力を持った企画へと変貌する。

【1】クライアントを納得させるには、まず企画に至るまでの動機や経緯を説明することが必要になる

【1】クライアントを納得させるには、まず企画に至るまでの動機や経緯を説明することが必要になる

【2】日帰りバスツアーと会社紹介を掛け合わせたアイデアから生まれたWebコンテンツ。自社サイト内の主要なコンテンツを短時間で見せることを目的につくられた

【2】日帰りバスツアーと会社紹介を掛け合わせたアイデアから生まれたWebコンテンツ。自社サイト内の主要なコンテンツを短時間で見せることを目的につくられた

【3】企画概要に課題点を追加することで企画の必要性が向上し、ターゲットも明確になる

【3】企画概要に課題点を追加することで企画の必要性が向上し、ターゲットも明確になる

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