第1話 コスモ・インタラクティブについて | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-
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タイトル画像、第11回Webプロデューサー列伝 中村博久

メガマックファンのための笑えるスペシャルサイト「MEGA MACSHOW」(日本マクドナルド)やFlash技術を駆使した地図検索サービス「スゴイ地図」(リクルート)など、常に新しいクリエイティブ、新しい ユーモアに挑み続けているのが(株)コスモ・インタラクティブの阿部淳也氏である。クリエイティブすることが好きで、ユーモアがとても大切だと語る阿部氏 に、さまざまな話を伺った。

第1話 コスモ・インタラクティブについて



——最初にコスモ・インタラクティブについて教えてください。

阿部●元々は広告代理店コスモ・コミュニケーションズの事業部として93年頃にたちあがったのが最初です。その当時はマルチメディアとか言われていた時代で、CD-ROMやキオスク端末のコンテンツ制作、映像制作などをメインに行っていました。その後、1996年にインターネットが広まり始めるということを見据えて、現在の会社組織になりました。当時はWeb制作以外でも映像制作などもメインで行っていましたが、いまでは約9割がWebに関する企画や制作が主な仕事になってきています。

生業が広告代理店なので、単純にWebを制作するだけというよりは、広告的な観点から捉えた他のメディアも含めた企画や制作を行うというのが一つの特徴です。制作に関する強い部分としては、映像と連動したようなリッチコンテンツや、アプリケーション、サーバーサイトと連動したフラッシュとAjaxをミックスしたものなどを得意としています。

ただし、そういったリッチ系のコンテンツもやりますが、企業のコーポレートサイトも戦略部分からお手伝いするといったように、バランスよく、いろいろな要素を組あわせて、きちんとしたクライアントのビジネスに貢献するクリエイティブをつくりあげるのが私たちの会社であり、特徴でもあります。また、基本的に言われたことを単に受けるということはしておらず、クライアントと一緒になって、戦略やアイデア、企画などを考えながらプロジェクトを進めていくかたちをとっています。

——そのなかで阿部さんはどういった役割をしているのでしょうか?

阿部●僕は執行役員でもあるので、全社的なクオリティ管理がひとつのミッションになっています。あと会社のなかにチームが3つほどあるのですが、その一つのマネージャも兼務してしています。チーム全部をみているので、常に10案件とか、細かなものを含めると多いときには20案件などを抱えていることもあります。まあ、こまかなプロセスは別として途中でのレビューや、できあがったもののクオリティには口を出すのが僕の役目ですね。

正確にいうと、僕はプロデューサーというより、ものをつくることのほうが好きなので、クリエイティブディレクターあるいはプロジェクトマネージャーといったほうがいいかもしれないですね。Webプロデューサーというと営業的な方も多いと思うのですが、僕はものづくりにこだわりたくて、どちらかというと制作サイド側のプロデューサーなのかもしれないです。

——現在の仕事をやるようになったきっかけを教えて下さい。

阿部●以前は自動車メーカーで、クルマの設計をやっていました。クルマの車室内のスイッチの設計とか、レイアウト、フィーリング設計などをやっていたので、比較的UI(ユーザーフェイス)といった点では現在の仕事に近いことをやっていたといってもいいですね。やはりWebもUIが大切ですから。
あと、ものをつくるということが大好きだったので、大きなプロジェクトの中でクルマをつくるのは楽しかったので、7-8年間いくつかのプロジェクトに携わりましたが、なにせ何百人で数年間関わるプロジェクトですので、なかなかゴールが見えてこないんですよね。そういった意味でもう少し短期間で小規模でものづくりができるとといった部分に興味を抱き、趣味的にWebをつくり始めたのが最初でした。その後、社内にインタラクティブ事業が立ち上がりまして、その時にタイミング良く異動できたので、そこに所属して仕事としてWeb制作をするようになりました。フラッシュとかは本格的にはそこで覚えましたね。

でも、そこで3-4年やっていて、気がついたらフロント側のWeb制作の仕事よりも、バックエンド関係の仕事のほうが増えていて…。なぜかJAVAでアプリケーション開発や、VBでのサーバークライアントシステム開発のテクニカルディレクター的なことをやっていました。当時はちょうどオープンソースが充実してきた頃で、自分でサーバーを触ったり、プログラムを書いたりもしましたよ。聞く人もいないような、自分でやるしかなかった時代でしたので。でもそんなテクニカルディレクターみたいな仕事は本当にやりたかったことと違うかなと思ったのがきっかけで今の会社に入りました。

——その時、どんなことをやりたかったのですか?

阿部●やはり、直接的にエンドユーザーと触れる部分をやりたかったんです。どちらかというとエンドユーザーとどう関わるかを含めた形で考えられたWebがつくりたかったんですね。いわゆるコミュニケーションとして成立しているっていうか。自動車メーカー時代はグループ会社のサイトなどもつくったのですが、当時はまだ会社にある情報を並べただけのサイトや、企業製品のカタログサイトのようなものだったので少し僕のやりたいこととは違うなって思って。

簡単にいってしまうと、もう少し広告よりのことがやりたかったんですね。それで2004年の始めに現在のコスモ・インタラクティブに入社して、それから約3年半ですが、今はいろいろとやらせていただいています。

——コスモ・インタラクティブに入ってからはどのような仕事をしてきたのですか?

阿部●当初は制作に携わることが自分の中では譲れない部分だったので、ディレクターとして入社したのですが。人にとやかく言われるのは好きな質ではではなかったのと、やはり自分として好きな方向性のことを色々とやりたいなと思って、それであれば自分で仕事を取ってきてプロデュースもやって、ディレクションもやってしまおうと…。その上で「人が必要なんです!!」と会社にいったら、「じゃあちゃんと責任を背負ってチームを持てよ」と言われてしまって(笑)。負けず嫌いなもんだから「じゃあやってやるよ!!」って言ってしまい、気がついたらクリエイティブチームのマネージャまでやるようになっていました。(笑)。正直いうと、数字的なことと営業的なことは苦手なんですけどね、でも当時は頼れる人がいなかったし、言ってしまった以上、やるしかないですよね。

しかしながら、僕自身はやはり、どちらかというとディレクション志向なんですね。いつまでも制作サイドにいたいし、面白いものや新しいものをつくりたい。それは昔からずっと変わっていません。そういった観点からも僕はクリエイティブディレクターの方が性ににあっていると常日頃から思っています。




(取材/蜂賀亨 撮影/谷本夏 )









[プロフィール]
阿部 淳也 (アベ・ジュンヤ)
Cosmo Interactive Inc.
執行役員
クリエイティブチームプロデューサー

自動車メーカにて車内のユーザインターフェース周りの設計を8年間手がけた後、IT事業部異動。Webデザイン、Flashオーサリングなどを手がけると共に、テクニカルディレクターを経験。
2004年よりCosmo Interactive Inc.に参加。多くのWebサイト立ち上げにプロデューサ、クリエイティブディレクターとして携わる。
2005年よりRIAコンソーシアム幹事会員、2006年より理事会員、UI関連WG運営委
員。MdN Web Straegy、Web Creators、など雑誌での執筆実績多数。2007年東京
インタラクティブ・アド・アワード入賞。

[主な事例]
リクルート「スゴイ地図」
リクルート「L25.jp」
ANA「エコ割カレンダー
▼日本マクドナルド「MEGA MAC SHOW」 (公開終了)

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