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いま注目のソーシャルメディア(中編1) - Webサイト制作最新トレンドの傾向と対策

2024.4.24 WED

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Webサイト制作最新トレンドの傾向と対策

ソーシャルメディア 2-02
いま注目のソーシャルメディア(中編1)

近年、急速に広まりつつあるソーシャルメディア。その中でも、注目を浴びているソーシャルメディアについて、主に米国発のものを中心にソーシャルなつながりを活用した様々なサービスについて紹介しよう。

制作・文/澤村正樹( NTTレゾナント株式会社)



アクティビティストリームという考え方

ここから先はもうちょっと小規模なソーシャルメディアを紹介していく。その際に重要になるのがアクティビティストリームという考え方だ。簡単に言うと自分や友達が何をしているのかを時系列で表示する機能のことである。たとえば、誰かが新たな友人を見つけたり、誰かが新しい日記を投稿したりといった行動や、他の人とのつながりが、ほぼリアルタイムでわかるようになる【01】。これによって、自分とつながりのある人物というフィルターを通して、様々な人の情報(ソーシャルストリーム)が流れ込んでくることになる。

ここで気をつけたいのは、ソーシャルグラフと一言で言ってもFacebookのようにリクエストと許可によって結ぶタイプ(双方向タイプ)と、Twitterのようにフォローという一方向の関係を築いていくタイプ(片方向タイプ)とでは、そのアクティビティストリームとしての特性も異なってくる、という点である。たとえば、現在地情報のようなプライバシーに配慮する必要があるものは双方向タイプ、あるテーマにそって興味関心を広げていく指向性のあるものはフォロー型の片方向タイプをとる場合が多い。双方向であれば、ある程度背景を共有できているので内輪ネタのようなコミュニケーションでもさほど問題にはならないだろう。ただ、片方向タイプであれば誰に見られているかはわからないので、発言内容には十分な配慮が必要だ。その一方で、新たな出会いを見つけやすいのも、こちらのタイプである。

インターネットに流れる情報は爆発的に増え続ける。その中にはもちろん取るに足らないものも沢山ある。多種多様な情報の中から有効なものを入手するには、何らかのフィルターが必要になるだろう。現実世界においても、信頼する情報、興味のある情報はやはり信頼する人物や興味ある人物から流れてくることが多い。だからこそ、どういった人と知り合うか、どのように多様な人間関係を築いて行くかが情報の入手に大きく関わってくると思われる。これから紹介していく多様なソーシャルメディアはそれぞれにコンセプトが違い、それぞれに違った視点を提供してくれる。うまく使い分けることによって、どのようなフィルターを通せば、ストレスなく多くの情報と接する機会をつくることができるかが模索できるはずだ。

【01】友人のソーシャルストリームをまとめて表示するアプリ「friendfeed」。(http://friendfeed.com/)
【01】友人のソーシャルストリームをまとめて表示するアプリ「friendfeed(http://friendfeed.com/)」。



ソーシャルメディアにおける設計の傾向(1)

TwitterやFacebookを共有のインフラととらえて、その上にエッジの立ったコンセプトのサービスを重ねる(アドオンする)という設計が最近の傾向だ。そうすることでサービス自体はコンパクトになり、より特徴が際立ってくる。またコンパクトなサービスなため開発や進化のスピードを上げることができる。変化の激しい現代では、どれだけ素早くトライ&エラーを繰り返せるかが大変重要な要素である。また、システム的な意味でのインフラとして、クラウド環境が整いつつあることもこの傾向を後押ししている。このような要因によって、百花繚乱の多様なサービスが咲き乱れているのが現在の特徴だととらえられている。


Instagram

Instagram(インスタグラム)【02】はちょっとおしゃれな写真がとれる写真共有サービスである。FacebookやTwitterを共有のインフラとしてうまく活用して、アプリ自体はコンパクトにまとめてある。いわゆる写真共有はFlickrやPicasaをはじめとしてこれまでもたくさんあった。そもそも、Facebookなどでは写真共有機能を内蔵している。ただ、フィルターやトリミングなど他のサービスには見られないコンセプトを取り入れており、またそれらが非常に使いやすく作られているので、多くのユーザーに利用されている。

【02】ソーシャルメディアの本流とも言える「Facebook」。
【02】Instagram(画面はiPhone向け専用アプリ)


Foursquare

前述したが、Foursquare(フォースクエア)【03】は位置情報をベースにしたソーシャルメディアである。主にスマーフォンのGPSを使って現在地にあるスポットに『チェックイン』する。そしてチェックインを重ねて行くとその場所のメイヤー(市長)になれる、というゲーム性を持っている。Foursquareが特徴的だったのはGPSなどのセンサーを使ってリアル世界とのつながりをインターネットに表現したことである。

内部で独自のソーシャルグラフも持つが、情報の拡散経路としては主にTwitterやFacebookである。ちなみにどの範囲で共有するのかは、チェックインごとに内部ソーシャルグラフのみを共有するか、Twitter/Facebbokにフィードするかを選ぶことができるようになっている。このような手法はFoursquareのようなアドオン型サービスによく見受けられる仕組みである。

序文で少しだけ触れたスマートフォンによるソーシャルメディアの可能性としては常時接続の他にセンサリングとモビリティということがあげられる。Foursquareはその二つの可能性を具体的な形で示した最初の例のひとつである。

【03】「Foursquare」(画面はiPhone向け専用アプリ)。
【03】「Foursquare」(画面はiPhone向け専用アプリ)。


ロケタッチ

日本発のFoursquareのライバルと言えるサービスがロケタッチ【04】である。Foursquare独特のわかりにくいバッジが日本人になじみの深いシールという表現に変わっている。 親しみのあるグラフィックのアイコンやポップな画面デザインなど日本人がスムーズに使えるような工夫が随所にほどこされている。

Foursquareと同様、スマートフォンと連動することで、様々な楽しみ方ができるソーシャルメディアである。

【04】位置情報を使ったゲーム性のあるソーシャルメディア「ロケタッチ」。
【04】位置情報を使ったゲーム性のあるソーシャルメディア「ロケタッチ」。


Nike+

スマートフォンを利用したソーシャルメディアという点では、Nike+(ナイキプラス)【05】も外せない。これはスマートフォンのGPSを利用し、毎日の走行距離を記録していく機能だ。ジョギング中にFacebookの「いいね!」ボタンを押してもらうと、それを音声として走者にフィードバックしてくれるなど、ジョギングそのものを楽しめる仕様がふんだんに盛り込まれている。

【05】「Nike+」はジョギング仲間同士で使用するとより楽しめる。
【05】「Nike+」はジョギング仲間同士で使用するとより楽しめる。

(中編2に続く)


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【本記事について】
2012年1月28日発売のweb creators特別号「Webサイト制作最新トレンドの傾向と対策」から、毎週記事をピックアップしてご紹介! HTML5・CSS3によるコーディングから、次々と生まれてくる新しいソーシャルサービス、Webアプリケーション、スマートフォンやタブレット端末への対応など、いまWeb制作で話題になっているトピックを網羅した内容になっています。

※本記事はweb creators特別号『Webサイト制作最新トレンドの傾向と対策』からの転載です。この記事は誌面でも読むことができます。

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