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ソーシャルメディア 2-02
いま注目のソーシャルメディア(中編2)
近年、急速に広まりつつあるソーシャルメディア。その中でも、注目を浴びているソーシャルメディアについて、主に米国発のものを中心にソーシャルなつながりを活用した様々なサービスについて紹介しよう。
制作・文/澤村正樹( NTTレゾナント株式会社)
ソーシャルメディアにおける設計の傾向(2)
Foodspotting
Foodspotting(フードスポッティング)【01】は食事をしたら写真をスマートフォンで撮ってアップロードする、というシンプルなソーシャルメディアである。見た目にも華やかなルック&フィールを持ち、レストランで食事が楽しくなるような工夫がしてある。これは、あるシチュエーションに特化した小さいサービスの典型的な例といえるだろう。
料理の写真共有が中心なので、おいしいお店というよりも、おいしいメニューを紹介するという内容だ。
iPhoneアプリ版では、見た目にも非常 におしゃれなデザインで、またユーザー も全世界中にいるので、写真を見ている だけでも楽しいソーシャルメディアだ【02】。
【01】Foodspotting(PC向け)
【02】Foodspotting(iPhone向け専用アプリ)
SoundTracking
SoundTracking(サウンドトラッキング) 【03】は、Foodspottingと同様に極々シンプルに作られたサービスで、こちらは聞いた音楽をジャケット写真とともに共有するものである。このタイプの共有サービスは生活の記録(ライフログ)としての機能と、友達の記録が流れてくることにより情報発見につながるという特徴をもっている。
また、iTunesと連動し、試聴や直接楽曲を購入することも可能となっている。このように、今後はジャンルに特化したソーシャルサービスも増えてくることだろう。
たとえば、食べ物が好きならFoodspotting、音楽好きならSoundTrackingと、自分の好みに合わせてソーシャルメディアを選択し、それとメインで使用しているソーシャルメディア(例えばFacebookやTwitterなど)をハブにして広げていく、という使い方が増えてくるものと思われる【04】。
【03】SoundTracking(PC向け)
【04】SoundTracking(iPhone向け専用アプリ)
Quora
Quora(クオラ)【05】は招待制のQ&Aサービスである。Q&Aサービスは以前からあるサービスではあるが、そこにソーシャルメディアとしての特性を多く加えることによって、より知識の共有と発見機会の拡大をうながすように作られている。質問と回答という枠組みだけでなく、質問のフォローやタグのフォローという概念が加えられているのが特徴となっている。たとえば、ある友達がQ&Aをフォローし始めると、その旨が自分のダッシュボードにながれてくる。
そのようにソーシャルグラフを掛け合わせることによって、自分の興味のある人物のフィルターを通した知識が流れて来るようになっている。
今のところ、日本語版はなく全て英語となっているので、少々敷居は高いかもしれない。また招待制であるため、簡単に登録して試すというのも難しいが、思わぬ情報が見つかることも多いので、機会があったら是非とも試していただきたいソーシャルメディアだ。
【05】Q&Aサービス「Quora」
Github
Github(ギットハブ)【06】は主にエンジニア向けのソースコードのヴァージョン管理サービスであり、Quoraと同様にそこにソーシャルメディアとしての特性を掛けあわせたものである。ユーザー間でフォローしあう仕組みにより、自分の仕事仲間や注目する開発者がどのソースにコミットしているか、またどんなものを作っているかを追うことができる。
同様に、あるプロジェクトをフォローすることにより、そのプロジェクトにどのようなユーザーが関わって、どのように変更が加えられているのかを観察することができる。
もちろん、自らそのプロジェクトに参加することも可能だ。実際、このソーシャルメディアは、様々なオープンソースの開発の場所ともなっている。
【06】開発に役立つコードも多数公開されている「Github」。
Ping
Ping(ピング)【07】はiTunesの中に組み込まれたソーシャルメディアである。言うまでもなくiTunesにビルトインされているのが最大の特徴で、iTunesカタログ内の音楽や映画で「いいね」と思ったものや購入したものを友達内で共有できる。iPhoneやiPadの音楽プレーヤーにも組み込まれているので、音楽を聞きながら気軽に自分の感想を伝えたい時などには便利である。フォロー型なので、目利きと思った人物をフォローしておくと新しい情報がながれてくるかもしれない。
Twitter連携も実装されている。
【07】「Ping」iTunesに組み込まれているので、見たことがある人も多いだろう。
(後編に続く)
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【本記事について】
2012年1月28日発売のweb creators特別号「Webサイト制作最新トレンドの傾向と対策」から、毎週記事をピックアップしてご紹介! HTML5・CSS3によるコーディングから、次々と生まれてくる新しいソーシャルサービス、Webアプリケーション、スマートフォンやタブレット端末への対応など、いまWeb制作で話題になっているトピックを網羅した内容になっています。
※本記事はweb creators特別号『Webサイト制作最新トレンドの傾向と対策』からの転載です。この記事は誌面でも読むことができます。