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CMSの選び方(1) 理想通りには進まないCMS製品選定の現実

2024.4.24 WED

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CMSの選び方 (1)


「コンテンツ」を「管理」するという言葉がもつ多様性は、CMS製品の種類や数に表れている。比較検討に時間がかかり、ひとつに決めたとしても、導入中にもっと良さそうな製品を見つけてしまう。こんな事態を避けるためのCMSの選び方について紹介したい。


文=清水 誠
文=清水 誠
実践系Web/CMSコンサルタント。各種大手企業に対するIT/IAを活用したネットビジネス改善プロジェクトに11年間従事




理想通りには進まないCMS製品選定の現実

難しい製品選定

CMSの導入にあたっては、最初から製品のデモを見たり機能を比較するのではなく、必要な要件の明確化をしたあとでそれに合う製品を選ぶのがよいとよく言われる。が、これは意外と難しい。製品の実情を無視した壮大な理想像を描いてしまい、コストが増大したり、製品が提供したはずの未知のメリットを享受できない要件になってしまったりする。

結局は、製品が実際に提供できる機能と、その導入により期待できるメリットの両側からの歩み寄りによって、バランスのよい解を見つけ出すしかないのだ。

ソフトウエアはソリューションを提供

ソフトウエアは何でも、特定の問題に対するソリューションを提供するが、問題のとらえ方や解決するための具体的なアプローチが製品によって異なる。そしてそれは、製品のもつ機能とデザインの違いとして表面化する。これは利用者の使用感や生産性に影響を与えるが、特にCMSのような複雑なソフトウエアの場合は、制作・運用をどのような体制でどうすべきか、というビジネスプロセスにまで影響が及ぶことになる。このため、CMS製品の選定においては、機能やデザインの背後にあるアプローチそのものを理解し評価すべきだろう。

本質的な違いの評価が必要

また、製品のもつアプローチは過去のノウハウや調査結果が反映されているため、問題解決のヒントが詰まっている。そして、異なるアプローチは、競争を重ねながら進化・淘汰・分化していく。

今後、日本でもCMSマーケットが円熟期を迎えるにあたって、選択した製品が淘汰されたり変貌してしまうことのないように、本質的な違いを理解したうえで適切な選定をしておきたい。そのために、CMSマーケット全体を俯瞰し、実際に何がどのような背景でどう異なるのかを理解しておくとよいだろう。


CMS製品は大きく4種類に分けられる

ここでは、「日本で日本語によるサポートまたは情報が得られる有償または無償のCMS製品」を対象とし、次のように大別することにする。

・Wiki 知識の体系化や共有に特化した小規模CMS
・Blog 日記の管理から派生したCMS
・WCM Web全般の管理CMS
・ECM 企業向けの高度で多機能なCMS


そして、一般的にCMS製品に対して期待され、アプローチに差が出やすいソリューションをいくつか選び、比較表にした【1】。実際に何がどう違うかについて、以降で詳しく解説していく。

CMS製品のソリューションとアプローチ比較
【1】CMS製品のソリューションとアプローチ比較


何がどう違うのかを理解したうえで製品に対して望む点(要件)を明確にしておけば、製品のメリットを最大限に生かしつつスムーズな製品選定ができるだろう。


本記事は『Web STRATEGY』2006年 7-8月号 vol.4からの転載です
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