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第4回 SEOに関するよくある10の質問にお答えします(後編)

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第4回 SEOに関するよくある10の質問にお答えします(後編)

2014年10月31日
TEXT:植木理一(ヴォラーレ株式会社)


こんにちは、ヴォラーレ株式会社の植木です。SEOを強みとしたWebマーケティングのコンサルティングを担当し、ふだんからさまざまなWebサイトの反復的な改善に取り組んでいます。よろしくお願いします。


前回に続き、今回もSEOのよくある質問についてお答えします

前回の記事では、SEOに関連したよくある5つの質問にお答えしました。今回も引き続き一問一答形式でご紹介しますので、より理解を深めていただければ幸いです。今回は、以下の5つです。

Q6. SEOに有利な順位の上がりやすいCMSはあるのか?
Q7. 訪問数が下がった場合の対応策は?
Q8. どのようなコンテンツが重複コンテンツにあたるのか?
Q9. 地域に根ざしたサービスのサイトのSEOはどうすればよいか?
Q10. 自然リンクを集める方法は?

それでは、いってみましょう!


Q6. SEOに有利な順位の上がりやすいCMSはあるのか?
A6. 「キーワード」「コンテンツ」「リンク」の3点を適切に実装できるCMSがおすすめ

CMSは、あくまでWebサイトのコンテンツを管理するための仕組みにすぎません。そして、検索エンジンはWebサイトのコンテンツ自体を評価の対象とします。そのため、どんなCMSを使っていようと良いコンテンツをもつWebサイトは評価されやすく、もっていなければ評価されにくくなります。

しかし、「CMSの仕様上、title要素をページごとに変更できない」「内部リンクを適切に設定できない」など、Webサイト内のコンテンツを適切に表示する機能が十分に備わっていないCMSは、検索エンジンからの評価につながらない場合があります。

つまり、前回も解説した「キーワード」「コンテンツ」「リンク」の3点に関わるWebサイトの変更を、適切に実装できるCMSを選ぶことが重要になります。


Q7. 訪問数が下がった場合の対応策は?
A7. 内容の薄いコンテンツの統廃合とカテゴライズの見直しを行ってみましょう

訪問数減少の原因が、Webサイトへの流入に結び付いていた各種キーワードの順位下落によるものだとすると、Webサイト全体に対する検索エンジンの評価が下がってしまった可能性が考えられます。

いくつか可能性はありますが、よく目にするのがパンダ・アップデートと、ウェブマスターツール上に「低品質なコンテンツ」に対するメッセージが届くケースです。それぞれについて簡単に説明しましょう。

パンダ・アップデートは、ユーザーにとって無益なコンテンツがWebサイト内に多数ある場合、Webサイト全体の評価を低下させるというGoogleのアルゴリズムです。対処法は追って説明します。なお、パンダ・アップデートについての詳細はこちらをご覧ください。

参考ページ:パンダ・アップデートとは | SEO用語集 [SEO HACKS]
参考ページ:パンダ・アップデートとは | SEO用語集 [SEO HACKS]
http://www.seohacks.net/basic/terms/panda_update/


次に、ウェブマスターツール上に「低品質なコンテンツ」に対するメッセージが届くケース。該当する低品質なコンテンツがWebサイト内にある場合、Googleのアルゴリズムによって意図的に検索順位を下げる措置が適用されます。具体例としては、ページボリュームを増やすためだけに自動生成されるコンテンツなどが挙げられます。

この順位下落措置はいわゆる「ペナルティ」とよばれるものにあたり、メッセージが届いた場合はGoogleに対してサイトの再審査をリクエストする対応をしない限り、改善されません。原因と思われるコンテンツをすみやかに削除したのち、再審査をリクエストしましょう。

では、上記いずれにも該当しない場合はどうしたらよいでしょう? たとえば個人の運営するブログなどの場合は、以下のようなコンテンツが原因かもしれません。

・文字数のさほど多くない、説明の十分でない用語集
・考察の甘い時事ネタに関する記事
・ニュースサイトからの転載

もし該当する場合、解決策の例として次のふたつの方法が考えられます。ひとつめは、内容の薄いコンテンツをなくして加筆することで、より有益なものにすること。同じもしくは似たテーマのコンテンツをひとつにまとめて充実させるもの有効です。ひとつのテーマに対してひとつの記事という対応にしたほうが、検索順位が上がりやすくなると同時に、検索エンジンからの評価を下げかねない内容の薄いWebページが少なくなり効果的です。

ふたつめは、記事の分類を適切にカテゴライズすること。ブログであれば検索ワードを意識したカテゴリページにしたうえで、ユーザーがすべて見切れる数に絞りましょう。ひとつのカテゴリにコンテンツが集中する場合は、大カテゴリ・小カテゴリとふたつに分類するのもひとつの手です。カテゴリページが増えると検索サイト経由で流入するユーザーの増加がおおいに期待できます。


Q8. どのようなコンテンツが重複コンテンツにあたるのか?
A8. 重複コンテンツの存在自体を問題視するよりも、ユーザーにとって価値のないコンテンツが表示されないように配慮することが大切です

現実的な具体例として、ほかのWebサイトからの引用(ニュースや言説など)について考えてみます。この場合は、引用がユーザーにとって有益かつ検索順位の操作・収益拡大を意図したものでない限り、SEO上の重複コンテンツとして問題になることはありません。なぜなら、それがユーザーにとって必要なものだからです。

たとえばあるニュース記事の是非や深い意味合いについて議論したいとき、該当するニュース記事を引用することは自然です(その場合は引用であることを明示し、可能な限り引用元のWebサイトにリンクを設置しましょう)。なぜなら引用がなければニュース記事の特定の箇所を論じることは難しく、またWebサイトに訪れたユーザーも引用のあるほうがわかりやすいからです。

このように、ユーザーの利便性を向上させるものは基本的に重複コンテンツとして問題になることはありません。単に重複しているか・していないかで判断するのではなく、それがユーザーにとって有益なものであるかどうかを問うことが大切です。

なお、重複コンテンツについてより詳細な情報を確認したい人は、こちらの公式ヘルプページが詳しいのでご参照ください。

参考ページ:重複するコンテンツ - ウェブマスター ツール ヘルプ
参考ページ:重複するコンテンツ - ウェブマスター ツール ヘルプ
https://support.google.com/webmasters/answer/66359?hl=ja



Q9. 地域に根ざしたサービスのサイトのSEOはどうすればよいか?
A9. 地名を掛け合わせた検索キーワードを検討しましょう

来店者の増加を目標にWebサイトを運営している場合、基本的には近隣に住んでいる人向けに情報を配信していくことを念頭に置くことが必要です。たとえば、地域密着型の店舗――ここでは雑貨店を例にとって考えてみます。

地方にある雑貨店の場合、近隣に住む人が入力するであろう検索キーワードとしては「地名×雑貨」「地名×インテリア」などが予想されます。

ここでのポイントは、「地名」の選び方です。ユーザーが入力するかだけでなく、実際に店舗へ訪れてくれるかまでも考えることが必要です。たとえば「都道府県×雑貨」というキーワードで訪れたユーザーは、実際に訪れてくれるでしょうか?大きい買い物(車や家など)や一生に関わる治療(インプラントなど)であれば都道府県で調べる可能性もありますが、雑貨では難しいでしょう。その場合はもっと小さい地域名、たとえば市町村区名やそのさらに細かい区分けの地名、もしくは近隣の駅名を地名の検索キーワード候補にすべきでしょう。

キーワード候補を正しく想定したうえで、各ページのtitle要素などのキーワード設定を調整していくことが、検索流入を増加させる手段になります。


Q10. 自然リンクを集める方法は?
A10. 継続的な取り組みを続けていくことが重要です

まず前提として、有料リンクはSEOの観点からしてよろしくありません。しかし、リンク自体にSEO効果がなくなったわけではありません。有料リンクではない自然リンクを集めることは、現在も検索エンジンに評価される項目のひとつです。

そのため、Webサイトに有益なコンテンツがあることはもとより、どれだけ自然なリンクを集められているかということは、SEO上とても重要です。

では、どのようにすれば自然リンクを集められるのでしょうか? ひと言で表現すれば「ユーザーにとって有益なコンテンツを継続的に発信し続けること」です。

ひとつのコンテンツを公開しても、自然リンクが一挙に集まるということは、実際にはほとんどありません。なので、「ひとつコンテンツにつき自然リンクひとつを獲得すること」といった地道な目標を設定して、50、100、200…と継続してコンテンツを公開していくことで、徐々にリンクを獲得していこうという姿勢が必要です。

「50のコンテンツ公開すれば30の自然リンクが獲得できるかもしれないし、継続して100コンテンツを超えたときには70の自然リンクがついているかもしれない」というくらいの心持で継続的に取り組んでいきましょう。

補足しておくと、この場合のコンテンツとはリンクを得やすい性質のコンテンツのことを指します。自社のセールスのためのコンテンツ――たとえば「当社のサービスが選ばれる3つの理由」といったコンテンツを厚くするだけでは、自然リンクは集まりません。Webサイトを訪れたユーザーにとって役立つコンテンツを公開していきましょう。

一方、「お役立ちコンテンツ」といったものを追加するのみならず、実際のビジネスの関係性を活かすことも十分考えられます。たとえば、取引実績のある企業を自社サイト内の事例紹介ページなどで紹介してリンクを返してもらったり、もしくは自社セミナーなどでリンク先を周知するといった手も、自然リンクを集めるひとつの方法です。

ふだんのWebサイト更新や日常業務をふり返り、自然リンクをもらえる機会がないか検討してみるとよいでしょう。

以上、SEOに関する後半5つのよくある質問でした。最後に補足しますと、これらはあくまで一般的な回答です。内容によっては異なる手法が正しい場合もありますので、ご留意ください。

次回は弊社でコンテンツ生産を担当しているコンテンツオフィスマネージャー・寺田が、コンテンツの考え方や取り組み方についてご紹介します。


最後に

ヴォラーレ開催のセミナーのご案内です。12月10日(水)にSEOを学ぶセミナーを開催します。

ゼロからのSEO担当者育成講座 ~これからSEOの話をしよう~
http://ml.seohacks.net/_2014semim

弊社コンサルタントが数カ月かけて学ぶSEOの内容を6時間に集約して、「SEOをゼロから学べる」形でお届けするという内容です。どうぞよろしくお願いします。



ヴォラーレ株式会社

【著者プロフィール】
ヴォラーレ株式会社
ヴォラーレでは、旧来型の「リンクを使ったSEO」ではなく、技術/マーケティングの両側面からWebサイトを改善していくための本質的なSEOコンサルティングを中心としたWebコンサルティング事業を行っています。

Webコンサルティング、そのなかでもSEOを遂行すべく、WebディレクションやWebデザインに携わる方々に、最新のSEOに関する基本的な考え方・取り組み方をセミナーやメディア寄稿を通して伝える啓蒙活動も行っております。

●ヴォラーレ株式会社:http://www.seohacks.net/

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