第7回 今日から実践できる! 非ライターのためのライティング入門 | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-

第7回 今日から実践できる! 非ライターのためのライティング入門

2024.4.18 THU

【サイトリニューアル!】新サイトはこちらMdNについて

知ってるつもりで意外と知らないSEO最新のキホン

第7回 今日から実践できる! 非ライターのためのライティング入門

2014年12月9日
TEXT:寺田祐也(ヴォラーレ株式会社)


ヴォラーレ株式会社 こんにちは。ヴォラーレ株式会社の寺田です。今回は、先日前後編でお届けした「SEOに効く、良いコンテンツのつくり方」で立てた企画を生かす方法として、どうライティングするのか(書くのか)について考えていきたいと思います。

Web系の制作・運用業務に携わる人は、非ライターであってもテキストを書く機会は多くあると思います。たとえばライターが納品したテキストにリード(導入)文やdescriptionを追加する、などなど。特にオウンドメディアなど自社コンテンツを拡充していこうという流れの中、「○○について、とりあえず書いといて!」と言われる機会が少なからずあるのではないでしょうか。

専門的な記事となると、ブログであっても3000~5000字といったボリュームのある読み物コンテンツとなるので、少しハードルが高いです。しかし一方で、400字程度までなら以下にあげる基本的なライティングのルールを知っているだけでも、だいたいなんとかなるものです。今回は、そんな非ライターの方でも確実に一定程度の品質を保つ書き方についてまとめました。


本記事で取り上げること

・「とりあえず書いといて」は、なにを書いてほしいのか?
・非ライターのためのライティング基本ルール8項目
・売れるライターは実践している、依頼者をよろこばせるコツ

それでは、いってみましょう!


「とりあえず書いといて」は、なにを書いてほしいのか?

「とりあえず書いて」と言われた側として困るのが、「じゃあ、なにを書いてほしいのか?」ということでしょう。このあたりの企画者(依頼者)側にまつわる話は前回までの記事にまとめましたが、最低限①ターゲットユーザー ②ユーザーに伝えたいこと(気づいてほしいこと) の2点は依頼者に確認しておきましょう。

また、③どういった成果を期待していて ④どこでユーザーと接点をもつのか まで聞き出しておければ確実です。①~④が頭のなかにイメージでき、さらに依頼者と共有できていれば、完成した文章が「ぜんぜん違う」ということはないでしょう。いちばんダメージが大きいのは「ぜんぜん違う」→「丸ごとやり直し」となる修正なので、まずはこれを避けるために依頼者のイメージを吸い上げて完成品のすり合わせをはかることが最優先です。

その際に文章イメージについて参考となるWebサイトなどを共有しておけると、文体や言葉づかいなど具体的に確認できてより安全でしょう。


非ライターのためのライティング基本ルール8項目

さて、書く準備は整いました。しかし、実際に「書く」ということに慣れていない方がPCの前で頭を悩ませるのは、ここからです。「どんな感じで書けばいいのだろう?」と。つまり、完成品のイメージが見えていないということですね。一般的には5W1Hに注意して書くことが大事といわれますが、ほかにも検索したらライティングに大事なことはいくらでも出てきます。そんな中から守っておきたいものをいくつかピックアップしておきましょう。

【1】200字=1トピック
だいたいの目安ですが、ひとつのトピックについて書くのにちょうどよい文字数は200字程度です。たとえば、上に書いた文章が200字ほどなので、構成要素として分解してみると下記のような感じになります。

“さて、書く準備は整いました。しかし、実際に「書く」ということに慣れていない方がPCの前で頭を悩ませるのは、ここからです。「どんな感じで書けばいいのだろう?」と。つまり、完成品のイメージが見えていないということですね。一般的には5W1Hに注意して書くことが大事と言われますが、それ以外にも検索したらライティングに大事なことはいくらでも出てきます。そんな中から守っておきたいものをいくつかピックアップしておきましょう。”

A:問題提起  = さて、書く準備は整いました。しかし、実際に~
B:解決策   = 一般的には5W1Hに注意して書くことが大事と~
C:補足&締め = そんな中から守っておきたいものを~

こうしたトピックというかパーツがいくつも組み合わさることで、ひとつの記事が成り立っています。200字程度でひとつのトピックをまとめ、そのパーツをつなげて文章全体が起承転結などの構成にまとめられれば、読みやすく伝わりやすい文章となるはずです。

【2】コピペ禁止
コピペするなら書かない方がマシです。ただ、コピペしようとして書いたわけではなくても、たまたま幾万とあるWebコンテンツのどれかと重複してしまうという万が一の場合があります。弊社では独自ツールで15字以上の重複が存在しないよう精査していますが、一般的にはテキストの一部を検索にかけてみるという方法でも代用可能です。

【3】1文は短く50文字程度に
長文になるほど主語述語や修飾語などの要素が多くなり文章が複雑になるため、読者に伝わりにくくなります。目安として80字を越えるとわかりにくくなるので、1文は50字以下でひとつのことだけ書く習慣をつけましょう。ただすべてを厳正にルール化してしまうと、単調でポイントがわかりにくい文章になってしまいます。文字量はあくまで目安として、ひとつのことをシンプルに伝えるよう心がけることがより重要です。

【4】主語述語を一致させる
誰が(Who)? なにを(What)? を意識しましょう。あと、読者を主語においた表現や文章だと、より伝わりやすくなります。
×…法律改正後は10%に上がります
○ …法律改正後は、税率が10%に引き上げられます(読者にとっては「引き上げられる」)

【5】まわりくどい表現(冗長表現)を避ける
文字数を稼ごうとして水増しした原稿にありがちです。シンプルな表現が大切です。
×…どういうふうに伝えるか
○…どう伝えるか

【6】二重否定の禁止
“微妙なニュアンスを伝えることができなくもないです。”
上の文章は「伝えることができます。」でいいですよね。

【7】重言の禁止
「じゅうごん(orじゅうげん)」と読みます。「頭痛が痛い」「満足感を感じる」など同じ意味を繰り返すことです。「いちばん最初」とかは、よくあります。

【8】表記の統一
文章全体を通して使用単語の統一性が高い原稿は、読む側もなにを指しているのか混乱しなくなるので、結果として伝わりやすい文章となります。

といったように、書き出すとほんとうにキリがないのですが、文章表現としては最低限これくらい理解しておけると安心です。逆に文章をチェックする側も、こうしたルールをつくって品質を管理している場合があるので、事前に確認しておけると余分な修正対応の手間が減らせて制作が楽になります。

弊社の場合は、ガイドラインとして上記の3倍くらいの項目を最低限のルールとして決めておき、そのうえにクライアントごとで設定される表現のトーン&マナーを加えて社内ライターと共有しています。


売れるライターは実践している、依頼者をよろこばせるコツ

上述した8項目を意識すれば、ライティング自体の品質をある程度は引き上げることが可能です。ただ、すぐに文章を書く力がつくわけではありません。それでも依頼者の満足度を高められて、しかも今すぐ実行できるちょっとしたコツが3つあります。

雑誌などメディアで人気のライターは当然のように実践していることですが、心がけ次第で簡単に実践できることなので、取り入れてみてはいかがでしょうか。

【1】できるだけ実物に触れて自分で考える
できるだけWebサイトや写真を見て、なぜ? どうして? と自分で書くための情報を集める姿勢をもちましょう。実際に商品があれば触れてみたり、サービスを利用した人が近くにいれば話を聞いてみたりして、材料を集める(=取材)意識があると、オリジナリティが高く読み手にとっても興味深い原稿を書くことができます。

【2】約束の納期より少し早めに提出する
たとえば「夕方まで」の依頼だったらランチ後といったように、可能であれば予定より半日ほど早めに納品できるとベストです。

依頼者にとって原稿は受け取って終わりではなく、問題なく使えるかどうかを確認する時間も必要です。納期を過ぎるのは論外ですが、予定より早めに渡すことであなたへの信頼が高まります。

【3】見直しをしっかりする
ほんとうに重要なのが見直しです。書いた直後に全体を読み返すだけではなく、少し時間をおいて(可能であれば翌日などに改めて)客観的な視点で読むと、見えなかった論点の飛躍や誤字脱字が見えてきます。

ディスプレイ上で読むだけではなく、紙に印刷して読んだり声に出して読みあげてみたりすると驚くほど修正点が発見できます。少なくとも誤字脱字がないレベルで納品できるように、3回は読み直すことをおすすめします。

たとえば、①書いた直後に読む ②手直ししたあとに印刷して場所を変えて読む ③翌朝、最終チェックとして読む といった感じでしょうか。誤字がひとつあるだけで、書いてあることがどれほど正しくても台無しになるくらいの覚悟で臨みたいものです。

いかがでしたでしょうか。SEO設計やWebマーケティングといった非ライターの人も、上記のルールを守るように心がけることである程度の品質を保つことができます。

また、初めて業務をお願いする外部ライターとも、基本ルール8項目などを事前に共有しておけば互いに「良い記事」の品質イメージをすり合わせることができるでしょう。その際に、3つのコツを実践しているかどうかで、ライターの信頼性をチェックすることもできます。

以上、非ライターの人でも今日から実践できるライティング入門をお届けしました。文章力をいきなり向上させることは正直難しいですが、心がけ次第で実践できるノウハウばかりです。「SEOに効くコンテンツのつくり方」とあわせて、コンテンツマーケティングを展開する際にぜひ参考にしてみてください。


次回

寺田が3回に渡りコンテンツに関して紹介して参りましたが、次回からは弊社のコンサルタントを務める押谷が、ふたたびSEOについてご紹介します。


最後に

ヴォラーレ開催のセミナーのご案内です。12月10日(水)にSEOを学ぶセミナーを開催します。

ゼロからのSEO担当者育成講座 ~これからSEOの話をしよう~
http://ml.seohacks.net/_2014semim

弊社コンサルタントが数カ月かけて学ぶSEOの内容を6時間に集約して、「SEOをゼロから学べる」形でお届けするという内容です。どうぞよろしくお願いします。
※残席残り僅かとなっております。



ヴォラーレ株式会社

【著者プロフィール】
ヴォラーレ株式会社
ヴォラーレでは、旧来型の「リンクを使ったSEO」ではなく、技術/マーケティングの両側面からWebサイトを改善していくための本質的なSEOコンサルティングを中心としたWebコンサルティング事業を行っています。

Webコンサルティング、そのなかでもSEOを遂行すべく、WebディレクションやWebデザインに携わる方々に、最新のSEOに関する基本的な考え方・取り組み方をセミナーやメディア寄稿を通して伝える啓蒙活動も行っております。

●ヴォラーレ株式会社:http://www.seohacks.net/

twitter facebook このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS
【サイトリニューアル!】新サイトはこちらMdNについて

この連載のすべての記事

アクセスランキング

8.30-9.5

MdN BOOKS|デザインの本

Pick upコンテンツ

現在