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1年生デザイナーの1週間

1年生になったら~ 1年生になったら~♪ ということで、デザイナーという職業に憧れる読者のみなさんに先駆けて、一足早くデザイナーになった先輩デザイナーの1週間を追いかけるのが、このコーナーです。夢を現実にした新人デザイナーの仕事と生活ぶりは実際どのような感じなのでしょうか? 毎月第3週に、その曜日の出来事を毎日更新でお届けします!



今月の1年生デザイナー

宮尾 潤さん(グリー)

miyaosan

〔プロフィール〕
みやお・じゅん●東京都生まれの25歳。小学校から高校までサッカー三昧の日々を過ごしていた宮尾さんだったが、高校3年生の夏に進路を決めるにあたって、突如、デザインの道を志すことに。デザインに興味を持ったのは、音楽CDのジャケットがきっかけだった。急な進路変更だったため担任の先生からは無謀ではないかと心配されたが、美大進学用の予備校に半年通って、見事、現役で合格。多摩美術大学美術学部グラフィックデザイン学科への進学を果たす。在学中は広告コースを選択し、ポスターやパッケージなどの制作を中心に幅広く学ぶ一方で、個人的にさまざまなキャラクターを制作してきた。卒業制作では、「70brothers」というたくさんのキャラクターがひしめくブランドを立ち上げ、キャラクターはもちろん、トートバッグやステッカーなど関連グッズも含めて展示した。グリーへの入社のきっかけは、偶然、卒業制作の展示を見た社員の方から「入社試験を受けてみないか?」と声をかけてもらったこと。内定者アルバイトを経て、2012年に入社し、現在はペット育成ゲーム「クリノッペ」のアートディレクターをつとめている。世界を席巻する「ハローキティ」のようなキャラクターを育て上げ、「A BATHING APE」のようなブランド展開をし、「いつか情熱大陸に出たい」という野望を胸に秘めた、宮尾さんの多忙な一週間をお送りします!


グリーとは?

ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「GREE」を運営するインターネット企業。2004年設立、2014年12月7日に10周年を迎える。「インターネットを通じて、世界をより良くする。」を合言葉に事業展開を行っており、主力のモバイルゲーム事業以外にも、広告・アドネットワーク事業、ベンチャーキャピタル事業などを手がけている。最近では、オンラインリフォームサービス「いえプラス」や、ホテルの当日予約専用スマホアプリ「Tonight」などの新規サービスにも積極的に進出している。

http://corp.gree.net/jp/ja/




木曜。定例会議の多い曜日。



7:30 起床




9:00 家を出る




9:30 出社

社内の一角にあるオープンスペース。ここの仕切りになるガラスは自由に絵が描けるようになっています。ガラスは気が付かずにぶつかってしまう人もいるということで、以前、「クリノッペに登場するキャラクターを描いてくれ」と言われて描いたのですが、いまだに消されず残っています。


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▲オープンスペースができた際に、ガラスの仕切りに絵を描きました


10:00 ケーキのイラスト作成

来年のバレンタイン&ホワイトデーの施策に使用するための素材を制作しました。専属のデザイナーさんに制作してもらった素材を元にブラッシュアップしたり、プランナーさんがチェックしやすいように資料にまとめたり。「クリノッペ」の世界観を保ちつつ、ケーキのシズル感は出したかったので、色味に注意して仕上げてみました。




12:00 ランチ

今日は、昨年の10月入社(グローバル新卒)の方と食事に行きました。北京大学を卒業して、現在は新規ゲームタイトルの制作をディレクターとして担当している中国出身の方です。この日は彼女を気遣って小龍包のお店をチョイスしたけど、ちょっと安易だったかも……。ランチでは、彼女が担当している業務のことと、彼女が今の業務以外にどんなゲームのアイデアを持っているのかを聞いてみたいと思っていました。私の予想通り、彼女は独自で新しいゲームのアイデアを持っていて、いくつか既に制作を開始していたので、そのゲームのモックを見せてもらいました。逆に、私が普段、自主的に制作しているイラストなどを見てもらったところ、「このイラストを、あのゲームに使ってみたい」という話に発展し、アイデアがそこから複数膨らませることができて、非常に有意義な時間を過ごすことができました。後日、あらためてミーティングの時間を設けることを約束しました。以下は、彼女に見せた私の自主制作のイラストです。


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▲友人に頼まれて描いた、小説用の挿絵

ORIGINAL06
▲知り合いに頼まれて描いた犬のキャラクターは、実際に初台駅にある「まる福」というお店で使われています

70brothers
▲卒業制作で発表した「70brothers」の1キャラクター


13:00 ケーキのイラスト・ブラッシュアップ

ランチから戻ってきたら、すぐにイラストのブラッシュアップを開始。休憩前と後で、自分が作ったイラストを俯瞰してみることができるので、普段からこの方法をよく使っています。夜中に夢中になって作業する事も時にはありますが、次の日の朝、リフレッシュした気持ちで制作に励むと、新たに良いアイデアが浮かんできたりもします。少し時間をおいて、つくったものを見直すことは大事なことだと感じています。




14:00 デザインチームの週次定例

週に一回、合同で行うデザイナーの週次定例があります。ここでは、社内の複数の制作物の状況やナレッジ共有、進捗確認等を行っています。普段は別のプロダクトを担当しているデザイナー同士が互いの制作物を見せ合うことで、互いに学んでいる知見を共有することができる大事なミーティングです。会社全体のスキルアップにもつながることだと感じます。 この日は、私が司会進行の役割だったので、パソコンにスライドをつないでミーティングを行いました。デザイナー自らが制作物のプレゼンテーションをする機会があるのも、この会議の魅力のひとつかなと思います。




16:00 「クリノッペ」チームの週次定例

木曜日は、比較的会議が多い曜日です。この日も週に一度の「クリノッペ」週次定例が行われ、数値状況やタスク状況などをすり合わせました。この会の最後の5分間は、毎回決まって「ゲーム紹介」の時間が設けられています。毎週いろんな担当者が、普段、個人的に遊んでいるゲーム(主にソーシャルゲーム)のレビューをまとめ、そのゲームの感想や改善したほうが良いと思う点、「クリノッペ」に活かせそうな点などを5分間でプレゼンテーションするコーナーです。競合他社のゲーム分析ももちろんですが、普段自分があまりやらないジャンルのゲーム情報も知ることができるので、非常に勉強になります。




17:00 UI(ユーザーインターフェース)デザイン

新規UIに対するバナーの見せ方を、ワイヤーフレームで作成しました。「クリノッペ」はフューチャーフォン(いわゆるガラケーと呼ばれる端末)とスマートフォン(iPhoneやAndroid端末等)で遊ぶお客様の二通りいらっしゃるのですが、スマートフォン向けのデザインでは表現できる表現や機能や多いため、デザインの自由度も高くなります。そのため、「クリノッペ」のゲームトップに表示しているバナーの見せ方も、タブ切り替えやスクロールなど、さまざまな見せ方を検討しています。 お客様が一番使いやすく、よりスムーズに楽しんでいただけるように、お客様が遊んでいる姿を想像しながら、さまざまなパターンのアイデアを出しながら進めています。


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▲画面遷移図をもとに、改善点を探ります

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▲ポストイットを机に貼り出して、ゲームのUIを考えることもあります。


18:30 Garage Production発表会

新規プロダクトを立ち上げる部署による発表会があるとのことで、参加してみました。この会では無料でお酒やソフトドリンクが配られ、自由に出入りすることが可能です。 新規タイトル4つのプレゼンテーションが行われ、ゲームバランス設定や新規性の出し方などのお話も交えながら、実際のゲーム画面を見ながら話を聞くことができました。



こうやって、実際に今すぐリリースされてもおかしくないようなクオリティのものを2週間から1カ月程度で作り込む例を間近で見ると、弊社の制作技術の高さをあらためて実感します。 個人的に一番参考になったのは、「また遊びたい!」「すぐにコンティニューしたい!」とどのようにして思わせるのかというポイント。ゲームをプレイした後に、そのままやめてしまうのか、それともどんどん次のステージを楽しみにして進めるのか――今関わっているプロダクトや今後関わるプロダクトにぜひ活かしていきたいと思いました。




20:00 退社→飲み会

上長の方を含め、チームメンバー数人と食事に行きました。普段は会社のある六本木で食事をすることが多いですが、この日は渋谷で食事することになり、バスを使って向かいました。バスの中でも、最近それぞれが考えている新規タイトルのゲームやアイデアなどを共有していました。


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▲渋谷の飲み屋へ

今週末に誕生日を迎えるのですが、上長の方からサプライズで“シネマカード”をいただいてしまいました。嬉しい! 「来年の抱負は?」と尋ねられたため、「将来、今お世話になっている方々が私が部下であったことを自慢したくなるようなクリエイターに成長します!」と答えました。


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▲上長がハマっているというスマートフォン向けの一眼レフカメラ「SonyのQX100」を見せてもらいました


23:00 お開き




23:30 帰宅




24:30 就寝




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