第3回 魅力的なタイトルとキャッチコピーのコツ - WEBライティングと文章編集の実践テクニック | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-

第3回 魅力的なタイトルとキャッチコピーのコツ - WEBライティングと文章編集の実践テクニック

2024.4.18 THU

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WEBライティングと文章編集の実践テクニック


文=益子貴寛 (株)サイバーガーデン 代表取締役
Webプロデューサー/コンサルタント。(社)日本能率連盟登録資格「Web検定」プロジェクトメンバー。Webデザインに関する記事執筆、講義など多 数。『月刊web creators』(MdN)、ITpro(日経BP社)、Web担当者Forum(インプレスR&D)に連載をもつ。著書に『Web標準の教科 書 ─XHTMLとCSSでつくる“正しい”Webサイト』『伝わるWeb文章デザイン100の鉄則』(ともに秀和システム)。共著に『スタイルシート・デザ イン』(MdN)、『変革期のウェブ』(マイコミ新書)など。
url. www.cybergarden.net/


第3回
魅力的なタイトルとキャッチコピーのコツ


Webライティングの真骨頂はタイトルとキャッチコピーにあり。人間を訴求するだけでなく、マシン(検索エンジン)を訴求するというSEOの視点も不可欠。効果的かつ効率的なテクニックを身につけ、すぐに仕事に生かそう。


まずテクニックを知ることが大切

タイトルやキャッチコピーを考えるには、特別な才能が必要だと考えている人も多いだろう。確かに、大手企業が社運を賭け、テレビCMその他の媒体を利用してプロモーションを展開する場合などは、高度な創造性や時代の流れをつかむ能力、マーケティングセンスなどが必要とされるケースもありうる。当然、多大な資金と労力が必要とされ、おいそれと素人や門外漢が手を出せる領域ではない。

しかし、オンラインショップで求められるタイトルやキャッチコピーづけは、日々の業務の一部にすぎず、少ない労力で流れ作業的に行わなければならない。一方で、それらのいかんによって売り上げの多寡にダイレクトにかかわってくるため、手抜きは許されない。「効率」と「効果」の両方が求められるのはどのような業務にも共通するが、タイトルやキャッチコピーづけはその縮図といえるのだ。

実は、タイトルやキャッチコピーづけはテクニック次第の面がある。知っているか知らないかで、作業効率が驚くほど変わってくる。以下では、ユーザーを訴求するタイトルやキャッチコピーを効率的に考える方法を説明しよう。


タイトルは具体的にSEOも考えて

日本語のほうがSEO上有利
タイトルを日本語と英語どちらにするか迷ったときは、日本語にしたほうがよい。英語の場合はできればカタカナ表記にしよう。なぜなら日本人が日本語のサイトを検索する際は、たとえば「Wine Shop」ではなく「ワインショップ」と日本語のキーワードで検索するのが普通だからである。

造語や具体性のない言葉は避けたほうがよい
造語や具体性のない言葉をタイトルに使うのはあまりお勧めできない。SEOの観点からも一目で内容のわからないサイトやページにはなかなか訪れてもらえないからだ。ただし、将来的には造語が「ブランドネーム」として機能する可能性もあるため、オリジナリティと具体性のバランスがとれたタイトルにしよう。

流行語をサイト名に使うのは避けたほうがよい
たとえば「行列のできる~」というタイトルは、似たような名前を冠したサイトやページが乱立する可能性があることや、流行が終わってしまえば急速に陳腐化してしまうので、避けたほうがよい。ただし、期間限定で客寄せ的に使うのは悪くはない。

スモールワードをタイトルに含める
たとえば「家電」よりも「テレビ」、さらに「液晶テレビ」のほうが狭い概念のスモールワードである。広い概念のビッグワードは競合が多く、自分のサイトが検索エンジンで上位にリストされる可能性は低いので、なるべくスモールワードを含めたほうがよい。

では、【1】のオンラインショップの説明文を読んで、サイト名を考えてみよう。オンラインショップは規模や商材が「中途半端」では成功するのが難しいため、もっとも強みのある商材を前面に押し出したサイト名にしたほうがよい。説明文を読むと、現在もガラステーブルに力を注いでおり、将来的にもその方針をさらに強化するのであれば、「ガラステーブル」というキーワードをサイト名に含めたほうがよい【2】。

【1】この説明文からサイト名を考えてみよう。
【1】この説明文からサイト名を考えてみよう。
【2】サイト名の例。もっとも強みのある商材を前面に押し出した
【2】サイト名の例。もっとも強みのある商材を前面に押し出した


ページ名にキーワードをしっかりと含める

検索エンジンの普及により、サイト内の各ページは実質的に断片化されている。ユーザーは必ずしもトップページからブラウジングするわけではないので、ページ名もサイト名に劣らず大切だ。

体言止めが基本
たとえば「インターネットの活用法を説明しています」というページ名がおかしいのは一見してわかるだろう。この場合、「インターネット活用法」や「インターネット活用術」と体言止めにしたほうがよい。冗長なページ名は体言止めによってコンパクトにするのが基本である。

単語にわかりやすい説明を加える
たとえば「ブロードバンド」というページ名では、ブロードバンドという用語を説明しているのか、各社の価格や性能を比較しているのかわからない。用語や概念の説明であれば「ブロードバンドとは」や「ブロードバンドについて」、比較情報であれば「ブロードバンド徹底比較」や「ブロードバンド性能比較」としたほうがよい。

興味を引くキーワードを含める
たとえば、「インテリアデザインの注意点」というページ名は、「インテリアデザインの落とし穴」としたほうがユーザーの興味を引くだろう。少し凝ったタイトルのほうが趣向や新鮮さを感じさせるということである。

ただし、あまり凝りすぎるとSEO上不利になるので注意しよう。検索エンジンでは「インテリアデザイン」と「落とし穴」の組み合わせで検索するユーザーよりも、「インテリアデザイン」と「注意点」の組み合わせで検索するユーザーのほうが多いと考えられるからだ。凝ったタイトルにする場合は、meta要素の説明文やキーワードに類義語を含めるようにしよう。

具体性をもたせる
連載型コンテンツでは、タイトルを「第1回」「第2回」と書いただけでは具体性がなく、一見してどのような内容が書かれているのかわからない。「第1回 陶芸をはじめる前に」「第2回 陶芸に必要な道具」といった具体的なページ名にしよう。

では、【3】の説明文を読んで、ページ名を考えてみよう。ユーザーが興味をもつ(検索する)であろうキーワードは「○○病院」「公開」「健康」「セミナー」「成人病」「運動」「入場無料」だ。これらはすべて含めておこう。また、「4月20日」という日付にも興味があるかもしれないので含めておく。「第7回」というキーワードは大した意味をもたないが含めておいてよいだろう【4】。サイト名やコーナー名は縦棒(│)区切りで最後に示してもよい。

【3】この説明文からページ名を考えてみよう
【3】この説明文からページ名を考えてみよう
【4】ページ名の例。ユーザーが興味をもつ(検索する)と考えられるキーワードはすべて含めておく
【4】ページ名の例。ユーザーが興味をもつ(検索する)と考えられるキーワードはすべて含めておく


読み手の心をつかむキャッチコピーのコツ


商材やコンテンツのキャッチコピーは、「短く、わかりやすく」が基本である。加えて、リズム感がよいかどうかも大切だ。日本語には五七調や七五調、七七調のリズムがよくマッチすることをまず覚えておくとよい。

中身や性質、語感などによって、どのポイントを強調するか、前につけるか後につけるかは異なるが、【5】に挙げたキャッチコピーをつける際のポイントを参考にするといいだろう。商材に合わせてこれからのキーワードを組み合わせたり発展させ、自由自在にキャッチコピーづけしよう。

【5】キャッチコピーをつける際のポイント
【5】キャッチコピーをつける際のポイント


では、【6】の商材の説明文を読んで、キャッチコピーを考えてみよう。売り文句となるのは、「素材にこだわった」「ソフトな食感」「1日20個」だろう。「手づくり」もよいキーワードであるが、食品の場合は品質の不安定感や衛生面への懸念につながってしまうかもしれない。販売価格から「高級」というキーワードが思い浮かぶが、そのショップ全体として高級感を売りにしているなら、キャッチコピーに含めてもよいだろう。また、チーズ製品に特に力を入れているショップであれば、「チーズ」を前面に押し出したコピーが考えられる。

【6】この説明文からキャッチコピーを考えてみよう
【6】この説明文からキャッチコピーを考えてみよう


ここでは【7】のようなコピーを考えてみた。「ソフトな食感」を「ふわふわ」と言い換え、雰囲気を伝えているのがポイントだ。ユーザーを訴求するには単に具体的や説明的であるよりも、いかにイメージを想起させるかが大切だ。

【7】キャッチコピーの例。雰囲気を伝え、いかにイメージを想起させるかがポイントとなる
【7】キャッチコピーの例。雰囲気を伝え、いかにイメージを想起させるかがポイントとなる


本記事は『Web STRATEGY』2006年5-6 vol.3からの転載です


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