第4回 Webライティングのための検索サービス活用術 - WEBライティングと文章編集の実践テクニック | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-

第4回 Webライティングのための検索サービス活用術 - WEBライティングと文章編集の実践テクニック

2024.4.20 SAT

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WEBライティングと文章編集の実践テクニック


文=益子貴寛 (株)サイバーガーデン 代表取締役
Webプロデューサー/コンサルタント。(社)日本能率連盟登録資格「Web検定」プロジェクトメンバー。Webデザインに関する記事執筆、講義など多 数。『月刊web creators』(MdN)、ITpro(日経BP社)、Web担当者Forum(インプレスR&D)に連載をもつ。著書に『Web標準の教科 書 ─XHTMLとCSSでつくる“正しい”Webサイト』『伝わるWeb文章デザイン100の鉄則』(ともに秀和システム)。共著に『スタイルシート・デザ イン』(MdN)、『変革期のウェブ』(マイコミ新書)など。
url. www.cybergarden.net/


第4回
Webライティングのための検索サービス活用術

Webライティングに検索サービスを活用することは、効率的・効果的な文章編集
だけでなく、SEO/SEMの観点からも非常に大切だ。基本的な検索サービスの利用法から一歩進んだ利用法まで、今日からでもすぐに実践できるテクニックを紹介しよう。


漢字や送りがな、「てにをは」の検索

検索サービスをWebライティングに生かすためのもっとも基本的なテクニックは、漢字や送りがなをどう書いたらよいか迷ったときに、複数の候補で検索をかけ、ヒット数の多いものを採用することだ。

たとえば「おといあわせ」をどのように表記するか考えてみよう。複数の候補をGoogleで検索したときの結果を見てみると、もっともヒット数が多いのは「お問い合わせ」だった【1】。ほかの候補と比較しても群を抜いており、3億件を超えている。したがって、この表記を採用するのが適切そうだと判断できる。

【1】「~に行く」と「~へ行く」のGoogleでの検索結果
【1】「~に行く」と「~へ行く」のGoogleでの検索結果


もちろん、サイト全体を通して統一的に使用するのであれば、他の表記を採用してもよいのだが、読み手にとっては一般的な表記ほどなじみがあり、ストレスなく読み進めることができると考えれば、「お問い合わせ」を採用するのが適切といえる。

次に、「てにをは」を考えてみよう。たとえば「~に行く」と書いたらよいのか、それとも「~へ行く」と書いたらよいのか迷う人が多いだろう。ここでは「~」に「海」「山」「川」を入れ、Googleで検索してみた【2】。いずれも「~に」が「~へ」の倍以上のヒット数となった。したがって、「~に行く」と表記したほうがよいと判断できる。

【2】「おといあわせ」の複数の表記方法のGoogleでの検索結果
【2】「おといあわせ」の複数の表記方法のGoogleでの検索結果


別の例を見てみよう。会社の説明ページ(カンパニープロファイル)は「会社概要」と「会社案内」のどちらで書くのが一般的だろうか。Googleの検索結果では「会社案内」のほうがやや多かったが、拮抗しているといってよい。さらにYahoo! JAPANで検索したところ、Googleとは逆に「会社概要」のほうが多かった【3】。

【3】「会社概要」と「会社案内」のGoogleとYahoo! JAPANでの検索結果
【3】「会社概要」と「会社案内」のGoogleとYahoo! JAPANでの検索結果


この結果から、どちらを採用してもよく、サイトの雰囲気に合わせて選ぶのが適切だ(「会社概要」のほうが言葉として固く、「会社案内」のほうが柔らかいため)と判断できる。

以上のデータは、執筆当時のものです。


キーワードの組み合わせ、類義語の検索

SEOやオンラインショップ運営上は特に、サイト名やページ名、商品名、キャッチフレーズに含めるキーワードについて、組み合わせや類義語(シーソラス)を意識して、どのワードを使うかを適切に判断することが大切だ。ここでは「焼酎を販売するサイト」を運営しているという前提で、キーワードの類義語や組み合わせを考えてみよう。

まず、オーバーチュアの「キーワードアドバイスツール」(www.content.overture.com/d/JPm/ays/)で「焼酎」というワードを検索してみると【4】、焼酎と関連するキーワードが表示される【5】。一般的な用語から、地名、原料や銘柄まで実にさまざまなワードがリストされている。ここから、どのようなワードを使えばよいか、組み合わせればよいかの着想が得られたり、トレンドとしてどのような原料や銘柄が人気であり、商品として仕入れておくべきかを考える際のヒントにもできるのだ。

【4】オーバーチュアの「キーワードアドバイスツール」
【4】オーバーチュアの「キーワードアドバイスツール」

【5】オーバーチュアの「キーワードアドバイスツール」での検索結果 上位20件
【5】オーバーチュアの「キーワードアドバイスツール」での検索結果 上位20件


類義語の観点から考えると、「プレミア 焼酎」と「幻 焼酎」が注意を払うべきワードだ。meta要素のkeywordsに「プレミア」と「幻」の両方を含めたり、本文中で単に「プレミア焼酎」と書くのではなく、「幻のプレミア焼酎」と書くことでアクセスアップにつなげることができる。

現在、キーワードアドバイスツールは、広告を出稿している利用者向けのサービスとなっています。

次に、Googleアドワーズの「キーワードツール」(adwords.google.co.jp/select/KeywordToolExternal)で「焼酎」というワードを検索してみよう【6】【7】。オーバーチュアよりもジャンクなワードが目立つが、複数指定することでうまく絞り込んだり、キーワードの人気度や検索ボリュームの傾向を見ることで、役に立つデータが得られるはずだ。

【6】Googleアドワーズの「キーワードツール」

【6】Googleアドワーズの「キーワードツール」

【7】Googleアドワーズの「キーワードツール」での検索結果 上位20件
【7】Googleアドワーズの「キーワードツール」での検索結果 上位20件


また、無料登録ドットコムの「キーワードアドバイスツールプラス」(www.keywordadvisetoolplus.com/)を使えば【8】、GoogleとYahoo! JAPANでの月間検索回数(予測値)と、それぞれのキーワードの有効性指標(KEI)を見ることができる。

【8】無料登録ドットコムの「キーワードアドバイスツールプラス」
【8】無料登録ドットコムの「キーワードアドバイスツールプラス」


KEIはリスティング広告出稿の際などに参考となる費用対効果の指標であり、値が大きいほど上位表示されやすく、アクセスアップにつながる「狙い目」キーワードとなる。GoogleとYahoo! JAPANで共通してKEIが高いワードをうまく取り入れるなど、マーケティング戦略に生かすことができるのだ。

現在、キーワードアドバイスツールプラスは、オーバーチュアの「キーワードアドバイスツール」の一般利用終了にともない、終了前の2007年4月のデータをもとに計測するシステムになっています。


その他、検索サービスの活用法

Googleサイトマップの活用
Googleサイトマップ(www.google.com/webmasters/sitemaps/login?hl=ja)は、サイト運営者がGoogleのインデックスに個々のページを直接登録するサービスだ。このサービスを利用することで、最新のページを検索結果に反映できたり、より多くのページが検索結果に表示されるようになる。

また、ログイン後の管理画面では、ユーザーがGoogleからどのようなキーワードで訪問したか、外部サイトからのリンクキーワードなどの統計データを見ることができる。これらのデータを基に、自サイトの「強み」となるキーワードを把握し、さらに強化していくといった対策を講じることが可能だ。

Google Analyticsの活用
Google Analytics(www.google.com/analytics/ja-JP/)は、Webアプリケーション型の無料アクセス解析ツールだ【9】。サイトへのアクセスについてさまざまなデータが得られるが、Webライティングの観点からは特にマーケティングレポートが役に立つだろう。たとえばキーワードのコンバージョン、リスティング広告と検索結果のコンバージョンなどのデータが得られる。グラフやテーブルなどリッチなビジュアルで表現してくれるのも非常に特徴的だ。

【9】Google Analyticsの管理画面。キーワードのコンバージョン、リスティング広告と検索結果のコンバージョンなどのデータが得られる
【9】Google Analyticsの管理画面。キーワードのコンバージョン、リスティング広告と検索結果のコンバージョンなどのデータが得られる


長らく申し込みが殺到していることもあり、現在では登録待ちの状態であるが、通常使っているアクセス解析ツールと合わせてGoogle Analyticsを利用することを勧めたい。

フィード検索とバイラルマーケティング
ほとんどのBlogサービスやCMS(コンテンツマネジメントシステム)にRSS/Atomフィード配信機能が自動的に実装されており、多くのユーザーがフィードを基に情報収集していることを受けて、最近では通常のサイトやショップであってもフィードを配信するところが増えてきている。

たとえば、新着情報や新たに販売を開始した商品の紹介などをフィードとして配信する使い方が一般的だ。また、各ページでトラックバックを受け付けることで、ユーザーのバイラル(口コミ)情報をコンテンツとして取り込むことが可能である。

テクノラティ(www.technorati.jp/)、gooブログ検索(blog.goo.ne.jp/)、
Google Blog Search(blogsearch.google.com/)などのフィード検索は、文字どおりRSSやAtomなどのフィードデータを基にした検索サービスだ。

フィード検索は基本的にフレッシュな情報を好み、集客効果が出るのが早い。リスティング広告やディレクトリ、通常のロボット検索との比較は【10】の通りである。フィード検索はリスティング広告に次いで効果が早いといってよい。配信していないサイトはフィード検索からの集客が図れないということになり、他社に差をつけられてしまう原因となりうるのだ。

【10】フィード検索をリスティング広告、ディレクトリ、通常のロボット検索と比較した図。フィード検索はリスティング広告に次いで効果が早い
【10】フィード検索をリスティング広告、ディレクトリ、通常のロボット検索と比較した図。フィード検索はリスティング広告に次いで効果が早い


本記事は『Web STRATEGY』2006年7-8 vol.4からの転載です
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