レトロなシームレスパターンで華やかに彩るグラフィック |
制作・文 三浦 悟(Sunny Sizes)
url http://www.sunnysizes.com/
使用ソフト Illustrator CS/CS2
円を組み合わせて透明感のあるパターンを作成 |
ここでは、イラストに適用するシームレスパターンのつくり方を解説していく。パターンは正円のみでつくられ、レトロな印象だ。“薄い混色...”で混合率を変更して、パーツに透明感を出しているのがポイント。 |
Illustratorでパターンを作成していく。まずはサイズと色が異なる正円を用意し、中央に整列させる。続いて、作成した正円のパーツをコピーし、commannd+Bキーで背面に複製。上部に少しずらして、色を変更しておく 1-1 。さらに、背面のパーツを複製して規則的に並べたり 1-2 、別のパーツを複数追加してパターン柄を作成する 1-3 。ここでは、すべて正円のみでパーツを作成し、統一感を出した。
1-1
1-2
1-3
工程1で作成したパターン柄に、背景を用意 2-1 。続いてすべてを選択してグループ化し、効果メニュー→“パスファインダ”→“薄い混色...”で 2-2 のように設定し実行する 2-3 。これで各パーツの色同士がなじみ、柄に透明感が出た。最後に[塗り]と[線]がともになしの正方形を用意して、最背面に配置 2-4 。ここですべてを選択して、スウォッチパレットにドラッグ&ドロップし、新規パターンスウォッチとして登録すれば、パターンの完成だ。
2-1
2-2
(クリックすると大きくなります)
2-3
2-4
描画モードの設定やブレンドツールで細部を調整 |
パターンを適用したパーツや背景をさらにつくり込む工程を解説していく。パターンをバランスよく適用し、さらに細部を調整すると完成度が高まる。なお、背景はブレンドツールを活用して、発光しているように演出した。 |
さまざまな形を用いてパターンを作成し、バリエーションを増やしておく 1-1 。このパターンもすべてスウォッチパレットに登録する。ここでは、同心円状のパターンや四角形で構成されたパターンなどを用意した。
1-1
工程1で作成したパターンを、用意したシルエット状のイラストに適用していく 2-1 。また、奥行きを出すために、まず奥の髪部分のパターンを適用したパスをコピーしてcommand+Fキーで前面にペーストする。続けて、このパスを[塗り]をグレー、[描画モード:乗算]に変更して、パターンの色に変化をつけた 2-2 。
2-1
2-2
背景にも一工夫加えていく。まずは、背景となる長方形を用意し、中心に白い円を配置。続いてブレンドツールで長方形の左上と円の左のアンカーポイントをクリックして、ブレンドを作成する 3-1 。これで、ライトが当たったような表現ができた。
3-1
本記事は『MdN』2008年8月号(vol.172)からの転載です。
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