Webサイトの運用マネジメント形態
クライアント主導の運用形態
現在のWebサイトは、企業自らが統括制御できるメディアへと進化しており、一部の大手企業はWeb専門の部門を擁するなど積極的なWeb活用を推進している。そういった企業では、担当者のWebに関するリテラシーが高く、同時にWebを単なる時流ではなく、目的の解決手段として活用しようという意識も高い。こういった企業において、Webサイト担当者は自社のWebサイト運用に主導的な役割を果
たし、その目的性のもとにエージェンシーやWeb制作企業がパートナーとして参画する。
これは、現在の理想的なWebサイト運用マネジメント形態のひとつであり、その典型は(株)ユニクロに見ることができる【1】。ブランドの確立と浸透という目的のもと、(株)ユニクロのプロモーション戦略はクライアント主導で行われ、既存4マスメディアと連動したWeb コンテンツを積極的に展開している。Webがブランディングにおける重要なファクターであることを認識するというクライアントのリテラシーの高さが、プランニングから実制作まで作業とともにするクリエイターたちのモチベーションを向上させるのだ【2】。
【1】世界三大広告賞を受賞した㈱ユニクロのWebコンテンツ「UNIQLOCK」
www.uniqlo.jp/uniqlock/
【2】理想的な関係においては、クライアントと外部パートナーが共通の目標に向かって互いに当事者意識を高く持つことになる
Web制作会社側で運用をカバー
サイト規模にもよるが、クライアント側では広報などの一部門としてWeb統括担当者はいるが、実際の運用施策の提案や運用業務はアウトソーシングするケースもある。きちんとしたWebサイト担当者が決まっていない場合や個人事業主などがWebビジネスを展開する場合には、Webサイト運用に関するリテラシーがかなり低い場合もあり、コンサルティングからサーバ管理までトータルにアウトソーシングするケースもある。
大規模サイトでは、コンサルタント・Web制作会社側で専用チーム(ライン)を組むこともある。Web制作会社側に専用チームを設置して日常的な更新作業やメンテナンスも含めた運用を行う形態もあるが、運用サーバがクライアントの基幹システムと連動しているような場合には外部からのサーバアクセスが困難であったり、セキュリティ面での理由により、クライアント側に実制作チームを出向させる形態も多い【3】。
また、外部に任せる運用業務内容もさまざまだが、従来どおりコンテンツの修正・更新・新規追加を中心とした業務委託のほかに、ECやSEO施策といった部分的な運用業務のみを外部パートナーと提携して業務委託するなども増えている。