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第1話 アメリカで培われた理系への興味

特集記事

転職はゴールではない 3年目の壁、5年目の転機

“仕事の壁”は誰にでもやってきます。そんなとき、ほかのみんなは、どうしているのでしょうか? このコーナーでは、今まさに壁を乗り越えようとしている人、乗り越えて一歩先に進んだ人など、クリエイティブ業界でがんばる仲間たちが登場。これまでの失敗談・成功談や現在の課題、そして将来像を語ります。今の仕事に前向きに取り組み、階段を一段登るためのヒントが得られるはずです!


第11回 株式会社 カヤック 大塚雅和さんの場合


株式会社カヤックのプログラマー・大塚雅和さんは、子どもの頃から「何かを作りたい」とつねに思っていた理系少年。大学を卒業し大手電機メーカーに就職したのも、そんな思いが原動力にあったからだ。あるとき今までと違う分野に配置転換されたのがきっかけでネットに興味を持つようになり、2006年11月、カヤックに転職を果たす。現在は新規事業開発を使命とするラボチーム「BM11」に所属し、数多くのサービスの企画・開発にたずさわる日々。中でも、自らが企画・開発した、声で遊ぶコミュニティサイト「こえ部」はリリースから1年でユーザ—数2万5千人を超えるサービスへと急成長を遂げている。そんな彼に、これまでの軌跡、そして現在、未来の仕事について、詳しくお話を伺ってみました。

[プロフィール]
おおつか・まさかず●1977年、香港生まれ。ロサンゼルスにて幼少期を過ごす。慶応義塾大学理工学部システムデザイン工学科を卒業後、大手電機メーカーに就職。カーナビゲーションシステムの研究開発の現場で、主に位置算出などの分野を担当する。約7年の勤務を経て退職。2006年11月にカヤックにプログラマーとして入社する。現在は新規事業開発を使命とするラボチーム「BM11」に所属し、数多くのサービスの企画・開発にたずさわる。最近では、2008年12月にリリースした、FlashのコードをWeb上で生成するサービス「wonderfl」が話題となっている。
http://www.kayac.com/


第1話 アメリカで培われた理系への興味

──大塚さんは香港生まれ、ロサンゼルス育ちとお伺いしました。
大塚●はい。香港で生まれて、その後、親の仕事の都合でロサンゼルスに小学校4年生までいました。平日は地元の普通の学校に通って、土曜日に補習校という形で日本人学校に通ってましたね。両親は日本人なので「家では日本語をしゃべってほしい」という教育方針だったのですが、自分が家の中でも英語を話すようになったということもあって、帰国を決意したと聞いています。

──ご両親は、息子の教育のために帰国を決意されたのですか。
大塚●そうですね。日本人だし、日本語が母国語なのだから、ちゃんと使えるようにならないとまずいだろうということだったようです。

──日本に戻ってギャップを感じたりしたことは?
大塚●おそらくあったのかもしれません。小学校の時はけっこういじめられてましたし……きっと何かあったんだろうと思います。自分は転校生で周りに友達はいないという状況でしたし、英語はしゃべれるけれど、日本語は不自由でしたし。

──なるほど。勉強などで差は感じませんでしたか。
大塚●英語はすごくできたので、それに関しては問題なかったのと、公文をアメリカにいるときからずっとやっていたので、算数はかなり得意でした。公文式は小学生のときに大学レベルまで終えることができるようなカリキュラムになっていて、自分も小学校の時には大学レベルの数学まで終わってましたし。

──それはすごい!
大塚●公文式はゲーム感覚で、友達と競いながらやってましたね。1ページに何問かあって、それを解いたらおやつが食べられる、みたいな(笑)。でも、ある程度のところまで行くと、公文式の中での世界ランキングが定期的に小冊子となって配られるんですが、それを見て、世界には上には上がまだいっぱいいるんだな……と実感していました。

──その後、高校から慶応に進学されて、大学は理工学部に進まれるわけですが、やはりそれは数学が得意ということで理系へと進まれたわけですか。
大塚●そうですね。子どもの頃に書いた作文では「科学者になりたい」とか「宇宙に行きたい」とか書いてあった覚えがあります。宇宙へは今も行きたいですね。そろそろ行けそうになってきましたが……。数式をいじったりするよりは、何かが動いたりするようなことのほうが面白いと思っていましたね。……振り返ってみると、アメリカで遊んでいた時のおもちゃやテレビ番組に影響を受けて、理系に進んだような気もします。

──それは、たとえばどんなものでしょう?
大塚●たとえばLEGO(レゴブロック)とか。テレビ番組でいうと、『特攻野郎Aチーム』とか『ナイトライダー』とか。『特攻野郎Aチーム』って、実は理系向けの番組なんですよ。悪いヤツらに対抗してその場にあるだけのものを使って工夫しながら何とかしていくみたいな……(笑)。『ナイトライダー』は人工知能を持った車の話ですし。その頃、そういうのが流行ってた気がしますね。それから日曜に通っていた教会の行事で、木彫りの車を作って、それを競争させるというレースもやっていました。父親と一緒にガレージで、どうやったら車を少しでも速く走らせられるかを工夫したり。日本に帰って来ても、ミニ四駆が流行っていて、どうやって早く走らせるかをみんな考えていたし、当時はそんな時代だった気がしますね。


(取材・文:草野恵子 撮影:谷本夏)


株式会社カヤック
http://www.kayac.com/
1998年の合資会社カヤック設立をスタートとし、2005年に株式会社化。創業当初より「面白法人 カヤック」と自らを称し、つねに新しいサービス、新しい会社の在り方を求め、次々とユニークな試みを加速度的に展開している。カヤックの経営理念は「つくる人を増やす。」——その理念を体現するかのように、驚異的な数のサービスを毎年リリース、数多くの賞を受賞している。




面白法人カヤック

http://www.kayac.com/

次週は「第2話 システムデザイン工学科の一期生」についてお届けします。




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