第13章 半農半広告クリエイター フジノケンのライフハック
前編 東京の仕事を地方で
半農半広告で、半田舎半東京。そんな仕事のやり方をしながら、見えてきた地方クリエイターの可能性について、前編と後編の2回でお伝えします。前編は新しい視点や発想を生むという意味で、半○半○ってクリエイティブの糧になるんじゃないの、というお話。それと東京と地方の制作費格差ってチャンスだよ!!という話です。
半農半広告というライフスタイル
東京から新潟県津南町に移住して2年近く。広告の仕事をするかたわら、米作りを教えてもらっていましたが、来春からは、自前の田んぼを借りて本格的に米作りをはじめることになりました。周りの人からは「米は大変だぞ?」なんて言われますが、ま、そういう大変なことも含めて、いまからホントに楽しみで仕方ありません。
そもそも僕は東京の広告代理店で15年ほどクリエイティブをやっていました。それがあるとき、ひょんなことから移住を決意。田舎に暮らしながら、やりたい仕事をするという生き方を選択しました。やりたい仕事というのは広告のクリエイティブ。
いわば、半農半広告。
農と広告っていうのは対極です。すごく距離がある。その両方やるってことは、すごく遠い距離を日常的に行き来することになります。
物理的・心理的に移動することは、両者の視点を獲得することにつながります。そしてそれを繰り返すことで両方のバランスポイントみたいなものが見えてくるようになります。これは僕が広告制作に関わる中で、クライアント視点とユーザー視点を行き来しながら会得したことです。そしてこのバランスポイントが、インサイトであったり、コンセプトにつながったりするわけです。そういう意味で、僕は移動っていうのはクリエイティブの糧になると信じています。
だから、こうした農と広告を行き来する日常から何かが生まれないはずがない。我ながらいまから楽しみです。
そもそも僕は東京の広告代理店で15年ほどクリエイティブをやっていました。それがあるとき、ひょんなことから移住を決意。田舎に暮らしながら、やりたい仕事をするという生き方を選択しました。やりたい仕事というのは広告のクリエイティブ。
いわば、半農半広告。
農と広告っていうのは対極です。すごく距離がある。その両方やるってことは、すごく遠い距離を日常的に行き来することになります。
物理的・心理的に移動することは、両者の視点を獲得することにつながります。そしてそれを繰り返すことで両方のバランスポイントみたいなものが見えてくるようになります。これは僕が広告制作に関わる中で、クライアント視点とユーザー視点を行き来しながら会得したことです。そしてこのバランスポイントが、インサイトであったり、コンセプトにつながったりするわけです。そういう意味で、僕は移動っていうのはクリエイティブの糧になると信じています。
だから、こうした農と広告を行き来する日常から何かが生まれないはずがない。我ながらいまから楽しみです。
半○半○の価値
半々でどっちもやる。半○半○という意味では、僕は打ち合わせなんかでしょっちゅう東京にいってますから、半田舎半東京でもあります。田舎と東京をバンバン行き来していると、田舎っていう基準で見て、東京って人が多いな、とか東京って土がないな、とかそういうことにあらためて気づきます。逆に、東京って基準で見て、田舎にずっといる人が気づかないようなことにも気づきます。こういうことは実際に身体ごと動かないと実感できません。
物理的にそんなに動かないでも、半○半○は可能です。例えばネットで仕事をして、裏庭で草取りをする。これは物理的にはそんなに移動していませんが、心理的な移動距離は結構あります。脳を使うことから、身体を使うことへの移動。いわば半脳半身体。
そもそもクリエイターは半クライアント半ユーザーです。どっちの立場もわかっているから、その接点となる効果的なインターフェースが提案できるわけですよね。
クライアントっていうと普通は民間企業で、相手はコンシューマーって捉えがちですが、たとえばクライアントが企業で、相手がNPOとか、あるいはその逆とか、メディアと企業とか、NPOとユーザーとか、クライアントとその相手という組み合わせはいろいろあり得るわけです。だから、普段からこうした半○半○のストックを増やしておくことは、大きな武器になります。
東京の仕事を地方で
僕は、こうして地方に住みながら東京の仕事をやっています。そこで感じるのは、東京と地方の制作費の格差。1/2とか1/3、あるいは1/5、ひょっとして1/10くらいの差があるんじゃないでしょうか。
確かに東京には経験もスキルも集まっています。とはいえ、それほどの差はないんじゃないかと。特にWEBの領域ではそうです。地方にだっていいクオリティをもったクリエイターはいるでしょう?
だとすれば、東京のクライアントと地方のクリエイターをつなぐことが、両者にとって、ハッピーな関係になりそうだと思いませんか? 良質なクリエイティブを適正な価格で。僕はこれを「クリエイティブのフェアトレード」と呼んでいます。
こういうフェアな関係で、東京のクライアントと地方のクリエイターの交流が、もっと生まれるといいなと思います。また、こういうつながりをつくるために、僕自身もどんどん地方クリエイターと交流していきたいと思っています。
こんな感じで、いまのところ僕は、東京の仕事をやることが多い。でも、せっかく地方に住んでいるんですから、地方のためになる仕事をしたいとも思っています。少しずつですが、地ブランドのプロモーションや地域活性のお手伝いなどもはじめています。
そんな地方の仕事が持っている可能性については、また次回。
確かに東京には経験もスキルも集まっています。とはいえ、それほどの差はないんじゃないかと。特にWEBの領域ではそうです。地方にだっていいクオリティをもったクリエイターはいるでしょう?
だとすれば、東京のクライアントと地方のクリエイターをつなぐことが、両者にとって、ハッピーな関係になりそうだと思いませんか? 良質なクリエイティブを適正な価格で。僕はこれを「クリエイティブのフェアトレード」と呼んでいます。
こういうフェアな関係で、東京のクライアントと地方のクリエイターの交流が、もっと生まれるといいなと思います。また、こういうつながりをつくるために、僕自身もどんどん地方クリエイターと交流していきたいと思っています。
こんな感じで、いまのところ僕は、東京の仕事をやることが多い。でも、せっかく地方に住んでいるんですから、地方のためになる仕事をしたいとも思っています。少しずつですが、地ブランドのプロモーションや地域活性のお手伝いなどもはじめています。
そんな地方の仕事が持っている可能性については、また次回。
どーんと続く一本道。周りの雪原は、春になると田んぼになります。こんな田舎と東京を行き来してると発想が豊かになります
春からはじめる田んぼです。3畝程度と小さいですが、機械を使わないで育てるにはちょうどいいくらいかな
秋。たっぷりと実った稲。今年の秋が楽しみ
後編をお楽しみに!