第2話 いきなり通販サイトのディレクターに | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-
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転職はゴールではない 3年目の壁、5年目の転機

“仕事の壁”は誰にでもやってきます。そんなとき、ほかのみんなは、どうしているのでしょうか? このコーナーでは、今まさに壁を乗り越えようとしている人、乗り越えて一歩先に進んだ人など、クリエイティブ業界でがんばる仲間たちが登場。これまでの失敗談・成功談や現在の課題、そして将来像を語ります。今の仕事に前向きに取り組み、階段を一段登るためのヒントが得られるはずです!


第12回 有限会社 ハビタス 松下 勝さんの場合


子どもの頃から物作りが好きだったという、有限会社ハビタスのディレクター・松下勝さん。21歳の時にパソコン初心者という状態で入学した専門学校Webデザイン科で、Web制作の醍醐味を初めて味わう。それ以降、Webの「作る楽しみ」へとどっぷり突き進むことに。卒業後はいくつかの制作会社でディレクターや制作を経験、現在の会社・ハビタスは3社目となる。現在ではさまざまなWeb制作はもちろん、ただ作るだけでなく「どのように運用していくのか」をクライアントに寄り添いながら提案をおこなっている。そんな彼に、これまでの軌跡、そして現在、未来の仕事について、詳しくお話を伺ってみました。


第2話 いきなり通販サイトのディレクターに

──専門学校を卒業して、最初に入社されたのはWebの制作会社ですよね。
松下●はい。それまで勉強してきたことを「仕事に生かしたい」という思いが非常に強くあったので、Web制作会社に就職することにしました。僕が入社を決めたのは、いろんなジャンルを網羅して制作をやっている面白そうな会社で。その会社でインターンとして1ヵ月半ほどアルバイトしたということもあって、どんな仕事をしてるかもわかった上で入ることができました。

──入社してすぐに担当されたのは、どんなお仕事だったんでしょうか。
松下●入っていきなり、あるクレジットカード会社が運営する通販ECサイトをディレクターとして任されたんです。営業と僕とふたり体制で、毎月更新をやっていました。いきなり現場にたたき込まれた感じで……。最初はけっこう辛くて、ほとんど家に帰れないくらい忙しい状況でした。

──デザインではなくディレクションだったわけですね。
松下●専門学校のWebデザイン科ではディレクションのことも含めて幅広く教えてもらっていたんですが、入った会社にはプロジェクト全体をわかる人がいなかったみたいで……デザインやシステムの専門の人はたくさんいたんですけど。僕は制作チームに配属されて「ディレクションもやってみて」という形でアサインされました。だから、ディレクションがメインではあったんですけど、細かい制作の仕事もいろいろやってましたね。初めての就職だったので右も左もわからないし、自分のやり方も全然決まってなくて、どこからどうやっていいのかわからないうちにお客さんのところに打ち合わせに行くような状態で……内容はともかく、時間だけならすごくやってました(苦笑)。かなり手探りでしたね。

──結果的に、その会社を半年ほどでお辞めになるわけですが……これはなぜ?
松下●仕事が忙しすぎて勉強もできないし、自分のやり方自体もどうやったらいいのかわからなくなってしまったというのが本音で。自分の中でうまくバランスをとっていけなくなってしまったんです。

──入社してすぐの新入社員、会社からはずいぶん慰留されたのでは……?
松下●実は、その時の上司とは今でも非常に仲良くさせてもらってるんですけど「あのときは忙しすぎて可哀想だった」と後から言ってました(笑)。当時は上司自身もかなり忙しい状態で……今でこそ笑い話になってますけど、会社のみんなは本当に余裕がなくて疲れてましたね。その時の会社のみんなとは一緒に泊まったりした仲間なので、今でもみんな仲良く付き合いがあります。

──その次に転職されたのも、Web制作会社ですね。
松下●はい。ちょうど「辞める」と会社に申告した直後に、数人でやっている小さめの制作会社に誘っていただきました。その会社にはもともと知り合いがいて、学生時代に一度だけ伺ったことのあるところで。知り合いを通して向こうの社長に僕が辞めることが伝わったらしく「じゃあ、ちょっとうちに来て」みたいな軽いノリで。タイミング的にはかなりラッキーでしたね。その会社は、ちゃんと勉強する時間も持たせてくれながら「自分たちの作りたいものを作っていきましょう」というスタンスの会社だったので、ある程度、自分の仕事のやり方を掴んでいく余裕が生まれました。この会社で「こういうふうにやっていけばいいんだ」というスタイルを自分なりに確立できたと思います。

──その会社では、主にどんなお仕事を?
松下●既にディレクションの経験があったので、それをやりながら制作も少しずつやっていました。それで入社して半年が過ぎた頃に、ある大手旅行代理店のブロードバンド部門に出向になりまして。週3日はその旅行代理店に出勤して、残りの日は会社に出社して制作をするということになりました。もちろん、出向するのも初めての経験でしたね。

(取材・文:草野恵子  撮影:谷本夏)


有限会社ハビタス
http://www.habitus.co.jp/
インターネット黎明期からWeb制作に携わる森幸久氏が、2002年に立ち上げたのが有限会社ハビタスである。Webサイトの構築・運用・コーディネートはもちろん、コンサルティング、コンテンツ制作も行っており、Web以外にもパンフレットやポスターなどのグラフィックデザインも手がけている。


森美術館会員管理システム(システム導入コンサルティングを担当)

http://www.mori.art.museum/jp/mamc/index.html


ジャパンタイムズ

http://club.japantimes.co.jp/

次週は「第3話 キャリアアップを目指し、さらに転職 」についてお届けします。



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