| Phase 4 | セットで意味を持つ「集客フロー」と「誘導フロー」 |
ユーザーは勝手に
お客にはならない
Webマーケティングプランの進め方の最後として「集客フロー」と「誘導フロー」について解説しよう。Phase 1でも説明したとおり、Webマーケティングは「集客」と「誘導」という2段階がセットになってはじめてその役割を果たす。ここでいう「集客」と「誘導」は、意味も役割もまったく異なるので、本稿でしっかりとその違いを認識してほしい。Webマーケティングにおける「集客」とは、Webサイトにターゲットユーザーを集めること、つまりはアクセス数をアップさせることだ。ふたつ目の「誘導」は、集客したターゲットをWebサイト上に設定したアクションへと導く道筋のことである。「集客」と「誘導」はセットで用いることによって、はじめて効果につながる組み合わせになる。ただむやみにコストをかけ、アクセス数を増やして集客だけを行ったとしても、その先の誘導部分が整備されていなければ、ターゲットがアクションへとたどり着く確率（コンバージョン率）は下がってしまう【3】。クライアントが期待している集客（＝アクセスアップ）とは、Webサイトの入り口をノックさせるだけのもので、誘導を含めた100％のWebマーケティングを想定していない場合が多い。よって、この誘導部分に関してはWebディレクターが意識して補っていくよう心がけたい。
3つの目線の
使い分け
制作案件がWebマーケティングプランの段階に入ったら、それまでのクライアント目線のディレクションをユーザー目線のディレクションに切り替えてみよう。これにより情報配信者側の一方的な偏りが軽減され、ユーザーにとって最適な集客誘導プランが立てやすくなる。Webディレクターが制作側としての目線、クライアント側としての目線、そしてターゲットユーザー側の目線の3つを使い分けることで、Webサイトはより効果的なものになる。アクションの先にある
もうひとつのアクションとは
さて、ここまでがWebディレクターが取り組んでいくべきWebマーケティングの概要だ。ここでは、マーケティングの効果をさらにアップさせる仕組みについて説明しよう。Webサイトに設定するアクションは、実のところふたつ存在する。ひとつ目は先に述べた、クライアントの目的に直結する、ユーザーが起こすアクション。ふたつ目は最初のアクションから派生する二次的なアクションだ。具体的には「口コミ（バイラル）・紹介アクション」、「リピートアクション」などがそれに当たる。これらは、マーケティング効果を何倍にも膨らませる可能性を秘めている。ターゲットユーザーが自らマーケティングプランに参加して、別のユーザーを誘導してくれる、と言い換えてもよい。これこそがWebサイトを活用したマーケティングの強みだ。そして、成功しているWebサイトが共通して取り組んでいることでもある。Webマーケティングに一歩踏み込んだWebディレクターになるため、アクションのその先にあるアクションについても意識してWeb案件を手掛けていってほしい【4】。
【3】集客と誘導は、ワンセットで効果につながる
【4】ターゲットが別のターゲットを誘導していくマーケティングの流れが生まれる
| Column Webディレクターのアイデアを広げるワンポイントコラム | |||
| 【クライントの神頼みマーケティングをどう扱うか?】 | |||
| 「Webサイトを立ち上げればどこからかアクセスが来るはず。そのうち何%かはきっとアクションを起こしてくれるのではないか」と、クライアントが根拠のない期待を膨らませ、マーケティングプランに基づかないまま進行してしまうケースがある。これは「運がよければ効果が出る」という、いわば神頼みみたいなものだ。 この状態のままWeb制作が進んでしまうと、効果が出るかどうかわからないという懸念だけでなく、原因がどこにあるか究明できないという負のスパイラルに陥ってしまう。マーケティングに取り組んでいくうえで重要な「原因の追及」ができなくなってしまう。そればかりか、手の打ちようがなくなってしまい、予算や時間をむだに消費していくはめに。これによって、さらなる神頼みを期待するしかなくなる。Webディレクターならこのような事態に瞬時に反応し、ぜひクライアントにプランの重要さを進言してほしい。それがクライアントのためであり、ひいてはWebディレクター自身のためにもなる。 |
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［INDEX］
>>> Phase1 WebディレクターにとってのWebマーケティング
>>> Phase2 Webマーケティングプランの進め方実践例
>>> Phase3 ペルソナから導き出すターゲット設定
>>> Phase4 セットで意味を持つ「集客フロー」と「誘導フロー」
