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結果を残すクリエイターの姿勢と仕事の進め方(前編)

2024.4.20 SAT

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結果を残すクリエイターの姿勢と仕事の進め方
2 どうすれば人の役に立てるか? そう考えることが基本(前編)



(株)ティー・ワイ・オー・インタラクティブデザイン プロダクション本部 プロデューサー
唐沢浩介


モノづくりへの関心がやがて仕事へとつながる


Flashによるプロモーションコンテンツなどで数々のアワードで称賛を受ける(株)ティー・ワイ・オー インタラクティブデザイン(以下、TYO-ID)。そのTYO-IDにおいてプロデューサーを務めるのがプロダクション本部の唐沢浩介氏である。若干29歳という若さでプロデューサーとなった唐沢氏は、鎌倉出身。山と海に囲まれた鎌倉の地で、「学生のころは、インターネットなどとはほぼ無縁で、自然とともにアナログな世界を満喫していました」という。

そんな唐沢氏も子どものころからモノづくりには興味があり、高校のころには当時すでに実用性でも高度に進化したCGに興味がわき、自身でもCG制作などのクリエイティブ系への進路を考え始めた。

「といっても美大などを目指すということは考えていませんでした。あくまでもモノづくりのひとつとしてCGもあるなぁ……、程度で考えていたんです」

その後、中央大学の総合政策学部に進み経営学などを学びながらも、モノづくりへの興味はあせることなかったが、迷いはつきまとっていたという。その迷いが吹っ切れたのは、大学4年にチャレンジしたレンタカーでのアメリカ一周であった。東海岸から南下し、アラバマ州から北上し西海岸へ。シカゴから「Route66」を通りながらまた東海岸へ。モーテルをはしごし続け、1カ月間で走行距離18,000km、立ち寄った州は36州。「意外と行動すればなんとかなるもんだと感じました。臆せずやりたいことをやってみようと改めて思えました。それまでのもやもやとした想いが、少し晴れたような感じでしたね」と気づいたという。

そして卒業後の進路としてデジタル系専門学校を選択。ただし、そのまますんなりと進んだわけではなく、まずは大学卒業4日後には長野県の農家にて数カ月間の季節労働を体験した。

「専門学校に行く資金をつくるために出稼ぎに行ったんです。なぜか白菜農家に(笑)。農業が特段やりたいという想いがあったわけではないんですが、モノづくりとしていい経験ができるのではないかと考えました」

夜9時には就寝し、真夜中2時に起床。明け方4時から夜7時まで作業をする農作業というアナログなモノづくり経験をした。

「もちろん、考えもしなかったくらい農作業は厳しいんですよ。僕の中の農家のイメージは完全に崩壊しました(笑)。まるで経験者のように、できるのが当たり前みたいな感じで、細かく教えてくれるわけでもないんです。当時は、なんて理不尽な! と思っていましたが、見て盗んで自分で考えて効率的に行動すること、仕事に対する厳しさから多くのことを学ばせてもらいました」

その後、デジタル系専門学校へと進み、そこでWebデザインを専攻。「Webというものに改めて出会って、そこに未来性や可能性をすごく感じた」という。そうして学校へ通いながら積極的にWebデザインを学び、モノづくりへの自分なりのアプローチを模索し始めた。

実際の制作現場で知るプロの仕事


2002年、専門学校を卒業した唐沢氏は、TYO-IDへ入社。アシスタントデザイナーとして、プロフェッショナルな世界へと足を踏み入れた。しかし、プロの仕事に携わり、それまでの自分の甘さを感じることになったという。

「今振り返ると本当に恥ずかしいんですが、当時は自分なりにデザインができると思っていました。入社前に制作したデザインを先輩などにも見せていたのですが、当初は優しい先輩たちに見守られていたんだと思います(笑)。実際の仕事の現場で知ったことは、ひとつのデザインができあがるまでには、数多くの議論があるということ。クライアントへのヒアリングに始まり、課題に対する解決策として何が最適なのかをチームスタッフで考え議論し、そしてひとつのデザインへと昇華していく。独り善がりにデザインを仕上げていくのではなく、できあがるまでの過程でさまざまな積み重ねがあって初めてできるものだと知ったのです」

プロの仕事には、深い議論と設計という作業過程があり、またその作業には複数の専門スタッフがかかわり合うことで、ひとつのプロジェクトとして成立する。そこから、次第にその過程にも興味を持つようになる。

「仕事を始めて半年という早い節目ではあったのですが、プロジェクトをまとめていく側に活躍の場があると考え、アシスタントデザイナーからPM(プロジェクトマネジメント)へと次のステップへシフトしました」

(後編に続く)

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>>> Creative Item

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