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Web標準からみるXHTML

第1回 そもそもXHTMLって何?


テーブルレイアウトが主流だったWebデザインであるが、この次のトレンドは、HTML+CSSによるレイアウトとなるだろう。これらを踏まえて、Web標準のトレンド的な中でXHTMLをとらえている方に向けて、6回にわたってXHTMLについて解説する。


解説:鷹野雅弘(株式会社スイッチ代表)

[プロフィール]

た かの・まさひろ●トレーナー、テクニカルライター、デザイナー。アップルストア銀座でのマンスリーイベント「CSS Nite」を主催するなど、多方面で活躍している。多忙なクリエーターが合間を見て学習できる「できるクリエーターFlash独習ナビ(インプレス)」や 「Illustrator CS2完全制覇(翔泳社)」などのほか、近刊では『できるクリエーターDreamweaver独習ナビ(インプレス)』を執筆するなど、クリエーター教育 にも力を注ぐ。



XHTMLとはなにか?

HTMLでは、あらかじめ使えるタグが限られているが、XMLではタグに拡張性がある。例をあげると、<bookTitel></bookTitle>のように柔軟にタグを使ってデータを扱えるのが「XML」の特徴といえるだろう。

Mac OS Xのファイル検索で「.xml」と入力すると、たくさんのXMLファイルがヒットする。これはOSレベルでも、たくさんのXMLファイルが使われている証なのであるが、このXMLをブラウザで使えるように再定義したHTMLが「XHTML」なのである。XHTMLは「Extensible HyperText Markup Language」の略で、一言でいえば「XML化されたHTML」ということである。ちなみに、HTMLもXMLも、SGML(Standard Generalized Mark-up Language)から派生したものだ。

【図1】XHTML誕生までの流れを表したもの。HTMLもXMLもSGMLから派生し、XHTMLとして統合されたものと考えるとよい

【図1】XHTML誕生までの流れを表したもの。HTMLもXMLもSGMLから派生し、XHTMLとして統合されたものと考えるとよい



XHTMLのメリットとは?

従来通りブラウザでWebページを閲覧するだけでは、HTMLでなく、XHTMLを使うメリットは得られない。日付をキーにしてタイムライン上にイベントを並べたり、撮影した写真の緯度経度のデータから地図上に自動でマッピングするなど、XHTML内に記述されたデータを再利用することができるようになる。このようにWeb上のデータを再利用したり、ユーザーが求めている情報の検索を容易にする次世代Web技術を「セマンテックWeb」と呼ぶ。

セマンテック技術は、ぱっと見た目だけでは、HTMLとの違いがわかりにくいが、このメリットを享受するためには、正しくXHTMLを記述する必要がある。ある意味、Webブラウザは多少乱暴なHTMLファイルでも表示してしまうが、データの再利用を視野に入れると、XMLに要求される文法に従ったXML文書で記述しなければならない。そして、XML文書であるためには「well-formed(整形式)」で記述されていることが、不可欠なのだ。この点は、大きなポイントなので、覚えておきたい。

XHTMLの歴史

「HTML 4.01」は、1999年12月にW3Cによって勧告されているが、その直後の2000年1月に「XHTML 1.0」、同年12月にモバイル向けの「XHTML Basic」が勧告された。続けて、2001年5月に「XTHML 1.1」、現在は「XHTML 2.0」が草案になっている。実務的にはまだまだHTMLを使う機会が多いが、仕様上はすでに開発が終了し、XHTMLに引き継がれているのだ。一口にXHTMLといっても、【図2】のように複数のバージョンが存在する。



【図2】HTMLとXHTMLのバージョンの遷移を図化したもの。XHTMLはHTMLの後継と位置づけられる。必ずしもXHTMLがベターというわけでなく、あえてHTMLを選択することも行われる。作業のワークフロー、運用のしやすさなどメリット/デメリットのバランスを考慮して決定しよう


HTMLでなく、XHTMLを採用するなら、どのバージョンを選ぶべきなのか? また、実際の制作フローでの注意点などについては、HTMLとの違いを含めて、次回以降、じっくりと解説していく。

XHTMLに移行する必要があるの?

HTMLでなく、XHTMLを採用すべきなのか? については一概にYesとはいえない。日本を代表する制作会社でも「HTML 4.01」を基準としているし、XHTMLが優位で正しいというわけではない。

ただし、少なからず遠くない未来にXHTMLに移行する可能性があるという視点にたって、ある程度、XHTMLを視野に入れつつ、HTMLを記述していくことは必要だろう。



次回までの宿題

XHTMLファイルも拡張子は「.html」または「.htm」だ。しかし、XHTMLファイルの場合、ソースコードを見ると、下記のソースのように、1行目に「XHTML」の文字が見つかるだろう。加えて、「1.0」のようにバージョン番号も確認できる。
--------------------------------------------
<!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD XHTML 1.0 Transitional//EN" "http://www.w3.org/TR/xhtml1/DTD/xhtml1-transitional.dtd">
--------------------------------------------
実際には、HTMLにも複数のバージョンがあり、どのバージョンに基づいて記述しているかを、同様に記述している。まずは、会社のサイトをはじめ、身近なサイトのソースコードを見て、HTMLかXHTML、バージョンを確認してみよう。


【図3】HTML/XHTML(およびバージョン)の見分け方。「<!DOCTYPE」からはじまる行に、HTMLまたはXHTMLの記述がある。続けてバージョンが記載される

【図3】HTML/XHTML(およびバージョン)の見分け方。「<!DOCTYPE」からはじまる行に、HTMLまたはXHTMLの記述がある。続けてバージョンが記載される




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