第1話 インターネット的ではないWebメディア、ハニカム | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-

第1話 インターネット的ではないWebメディア、ハニカム

2024.4.23 TUE

【サイトリニューアル!】新サイトはこちらMdNについて


2005年にスタートし、そのコアな内容に巷の評判が高まる注目のWebメディア”honeeye.com(ハニカム)”。ハニカムのクリエイティブとビジネス、そして今後について、ハニカム編集長の鈴木哲也氏と、クリエイティブディレクターとしてデザインに携わる田上知之氏にうかがった。


鈴木哲也氏(右)  株式会社ハニカム honeyee.com編集長/田上知之氏(左)  株式会社ハニカム 取締役・クリエイティブディレクター
鈴木哲也氏(写真右)
株式会社ハニカム
honeyee.com編集長

田上知之氏(写真左)
株式会社ハニカム
取締役・クリエイティブディレクター


第1話 インターネット的ではないWebメディア、ハニカム


──ハニカムとはいったい何でしょうか?

鈴木●ハニカムは、藤原ヒロシさんと、SOPHNET.というファッションブランドのディレクターである清永浩文さん、そしてVISVIMというファッションブランドのディレクター中村ヒロキさんの3人がインターネットを使って、なにか新しいクリエイティブ/ビジネスができないものか?というところではじまりました。そのなかで、インターネットにおけるクリエイティブの一つの軸となるのがWebマガジン、インターネットマガジンではないかということで、デザイナーの田上さんと僕のふたりが、それぞれ彼らに声をかけられて。それで、ぜひやってみましょうということになりました。

ただ、その時点では最終的にメディアとして、あるいはビジネスとして、どのようなカタチで成立させることができるか、というのは、あまり考えてなかったというのが実情だったと思うんですね。なにかおもしろそうだから、とりあえずやってみようと。その先にそういったものが何か見えてくればっていう感じで始めていて。で、本格オープンしたのが昨年(2005年)の10月25日なので、実はまだ一年経っていないんですが。

そのような状況において、現在のところはWeb上においてメディアである雑誌としての機能と、商品を僕たちが集めて、販売するといったECサイト、いまのところはその二つを軸にしてやっています。将来的にはハニカムというプロジェクトはWebだけに制限されないので、たとえばコンサルティング的なこととか、企業のキャンペーンのお手伝いをするとか、僕たちがクリエイティブという部分で携わっていく時のひとつのプロジェクト名が、ハニカムという形になればいいんじゃないかなと思っています。

田上●その最初のスタートがWebなので、いまはメディアを作っているという位置づけですね。



http://www.honeyee.com
ハニカムのTOPページ
http://www.honeyee.com












ほかでは見ることのできないハニカムならではの独占的な情報が網羅されている
ほかでは見ることのできないハニカムならではの独占的な情報が網羅されている

──他のサイトとの違いは何ですか?

鈴木●僕はハニカムというのは決してインターネット的ではないと思っています。むしろそこが他との違いかもしれない。インターネットというシステムには関係なく、エクスクルーシブというか、オリジナルというか、要はハニカムからしか発信できない情報やハニカム的な世界観からピックアップした情報にこだわりたい。たとえばヒロシさんがおもしろいと思ったもの、それらをおもしろいと思った理由と同時に商品として販売することができる。

Webの世界ってコピー&ペーストじゃないんだけど、すでに落ちてるネタを自分たちで持ってきて、それを組み換えてるものが多いと思うんですね。僕らみたいに自分たちの周辺から発信する情報に特化した雑誌的なものはないと思います。

たとえば企業のホームページでもその企業にゆかりのある人たちが出てきて、そのイベントでこんなライブパフォーマンスやりましたみたいな告知あるいはニュースとしてのインタビュー記事は載ったりするけれど、その先にある、それが、なぜ面白いのかといった、編集者的な視点で情報を自ら作り出しているサイトはまだあまりないですね。そこが僕の中では他のサイトと違って見えてくるところかなとは思っているのですけど。

でもそれはまだ相対的なもので、今後こういうことをWeb上でやろうという人たちは当然いっぱい出てくると思うし。そうなった時により僕たちがオリジナルなもの、僕たちから発信していく情報というものをどれだけ用意できるか。どれだけ作ることができるか。というのがハニカムというものに対して今後も魅力を感じてくれる人たちが増え続けられるかということになると思いますね。



「僕たちから発信していく情報というものをどれだけ用意できるかが、ハニカムのアドバンテージ」だと語る編集長の鈴木哲也氏
「僕たちから発信していく情報というものをどれだけ用意できるかが、ハニカムのアドバンテージ」だと語る編集長の鈴木哲也氏


















「ハニカムにはいろいろな可能性が秘められている」と語るクリエイティブ・ディレクター田上知之氏
「ハニカムにはいろいろな可能性が秘められている」と語るクリエイティブ・ディレクター田上知之氏



──Webというスタイルを選ばれた理由は何ですか?

鈴木●逆だと思うんですよ。インターネットで何かやるというアイデアが先にあって、じゃあ、そこで何をするかということになった時に、現在のハニカムというスタイルが出てきたのじゃないかなと思いますね。

田上●最初にインターネットというのがあって、その中で何ができるんだろうと考えたときに、モノも売れるし、情報も発信できるし、ブログみたいなコミュニティも作れるし、いろいろできるよねと。それがトータルなパッケージとしてハニカムというものになってるのかなと思います。今やってることも少しずつ変わってくるかもしれないし、情報を発信するだけじゃなくなってるかもしれないですよね。そういう意味ではいつも「何ができるのかなぁ?」とみんなで考えながらやっているという感じですね。

オフィスは日本のカルチャーの中心地、原宿に
オフィスは日本のカルチャーの中心地、原宿に

──デザインのスタンスから言うと?

田上●デザイン的に他のサイトとの違うところは、少しアナログな質感が入れて、Web上における読み物として成立するようにデザインしています。紙の雑誌とも違うしWebのニュース記事的なものとも違うので。文字数や写真の使い方には注意しています。あと、デイリーに見てもらいたいので、デイリーに見ても気持ちがいいサイトを目指しています。毎日見るサイトだと“Flashバキバキ”って結構つらいじゃないですか。かと言って、ニュースみたいな地味で同じフォーマットのサイトをみるのも結構つらいし。その辺のさじ加減みたいなものをハニカムのデザインをするうえでは気を使っています。


(取材・文:服部全宏[GO PUBLIC] 写真:谷本 夏  編集;蜂賀? 亨)


[プロフィール]

鈴木哲也(すずき・てつや)

●株式会社ハニカム

honeyee.com編集長


田上知之(たがみ・ともゆき)

●株式会社ハニカム

取締役・クリエイティブディレクター

twitter facebook このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS
【サイトリニューアル!】新サイトはこちらMdNについて

この連載のすべての記事

アクセスランキング

8.30-9.5

MdN BOOKS|デザインの本

Pick upコンテンツ

現在