Google Analyticsの「期間比較」を使いこなしてノウハウを蓄積
Google Analyticsの「期間比較」を使いこなしてノウハウを蓄積
2010年5月12日
TEXT:石井研二
(株式会社HARMONY 取締役 兼 COO)
保守運営を行うWebサイトでは「期間比較」の使いこなしを
前回も書いたように、Google Analyticsの活用は制作会社の企業Webサイト担当者にとって欠かせない素養となっている。今回はもう少し具体的な見どころを考えていくことにしよう。
制作会社が企業Webサイトの保守運営を担当している場合、活用しなければならないGoogle Analyticsの機能が「期間比較」だ。Google Analyticsで画面右上に解析期間の日付が
「2010/04/10 - 2010/05/10」
といった具合に表示されている。ここをクリックすればカレンダーのパレットが表示され、期間比較が指定できるようになる。
わずかなクリック数で「期間比較」設定が可能
初期状態では、ログインした直近の30日間が選ばれている。このパレットは今見ている日付が[期間]と書かれたフォーム部分に表示されており、変更すれば分析期間を変更できるのだ。
その下には[過去と比較]というチェックボックスがあるので、チェックを入れてみよう。すると、自動的に同じ期間――つまり今選ばれている30日間のさらに直前となる30日間が選ばれるのだ。ここで[適用]ボタンをクリックすれば、グラフをはじめ全データがふたつの期間の比較データになる。
Google Analyticsの「期間比較」
何のために期間比較するのか?
ただ、この機能の使い方だけを覚えても何もならない。たとえば4月と5月のページビュー数を比較したところで、「5月は休みが多かったし…」という無意味さが目立つばかりだ。
制作会社が企業サイトで期間比較をしなければならないのは、何か改善策を施したことの効果を確認するためだ。たとえば、多数の訪問者を集める閲覧開始ページがあり、そのページの直帰率が非常に高いとしよう。1000人を集めるページで80%の直帰率といったページが実際にあるので、早く直さなければならない。
直帰率を引き下げる方法はいろいろあるが(詳細は弊社主催のセミナーにて)、ページに改善策を施したら、必ず期間比較で確認をする。日付をクリックし、その改善策を施した日から1週間とその前の1週間を比較するのだ。同じ1000人を集めていたとして直帰率が80%から50%になっていたら、その施策はひとまず「当たり」と言ってよいだろう。
こうした確認作業によって、まず第一に制作者は顧客に対して「私たちの作業によってこんなに改善された」と主張できる。ひとつひとつは小さな改善と思えるかもしれないが、これが何度も繰り返されていけば顧客はその制作会社をはずすことはできなくなるだろう。
第二に改善策の効果を確認していけば、それをノウハウとして蓄積できる。次にページを作成するときには、最初から直帰率を低く抑えるように制作できるようになるだろう。
Google Analyticsは無料で導入でき、仕事を安定させ、スタッフのノウハウも高めることができる、制作会社の強い味方なのだ。
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[筆者プロフィール]
いしい・けんじ●株式会社HARMONY 取締役 兼 COO。いよいよ5月18日から3日連続のGoogle Analytics活用セミナーを展開。全員分の回線完備・パソコン持ち込みで実践的な利用法が身に付く。5月18日(火)入門編、5月19日(水)実践編、5月20日(水)応用編。セミナー詳細はこちら。
http://www.harmony-corp.co.jp/information/seminar.html
『集客力を飛躍的に向上させるGoogle Analyticsアクセス解析の極意』(秀和システム)など、著書も多数。