デザインとグラフィックの総合情報サイト
[エムディエヌ・デザイン・インタラクティブ]

ファーストサーバに続くAmazon EC2の大規模障害

ニュース

ファーストサーバに続くAmazon EC2の大規模障害


ファーストサーバに続くAmazon EC2の大規模障害

2012年07月02日
TEXT:小川 浩(株式会社モディファイ CEO 兼クリエイティブディレクター)


国内のレンタルサーバサービス大手のファーストサーバが、6月20日に大規模な機能障害を起こし、復旧作業に追われている。と、書いていた6月30日には、なんとAmazonのEC2もまた世界的な規模での障害を起こしていた。EC2は多くのベンチャー企業がネットサービスの基盤として活用しており、Instagram、Pinterest、Flipboardなどもしばらくサービス停止していた。

数日前に、あるベンチャー経営者と「(ファーストサーバの事故に関して)だから最初からEC2を使ってればいいんだよね」と語っていたところにこの事故なので、「EC2よ、お前もか」という自嘲の気分である。

EC2は、米Amazonが展開するクラウドコンピューティングサービスであり、正式名称はAmazon Web Services(AWS)Elastic Compute Cloud(EC2)だ。EC2は、1年ちょっと前の2011年4月にも一週間以上にわたるサービス停止を起こしている。このときもHootsuiteやFoursquareなどのネットサービスがダウンしていた。ただ、このときの事故にあっても、利用企業のデータそのもの保全にはほとんど問題がなく、サービス復旧後の損傷は軽微で済んだ。今回のEC2の障害は1-2日のサービス停止で済んだようだが、やはりデータの消失は避けられたようである。その点は、やはりさすがは世界のAmazonといったところか。

AmazonやGoogleなどの巨大ネット企業がリードして、ここ近年大きな盛り上がりを見せているクラウドコンピューティングとは、簡単にいえば以下のとおりだ。

・インターネット上の仮想サーバを利用してWebアプリケーションを活用する
・ユーザーはWebブラウザを介してアプリケーションを利用する
・作成データもインターネット上の仮想サーバに置くことができる
・Webアプリケーションを開発するためのサーバとしても利用可能
・ハードウエアも、開発用のソフトウエアもネットワークサービスもすべてインターネット越しにレンタルする利用形態

多くの企業がネットサービスのプラットフォームとして活用している以上、これらが長時間ダウンすることは、電力会社の発電設備が故障し、広域に対して停電や電力不足を招くことに近い。クラウドはインターネットの活用形態をユーティリティ化、すなわち水道や電力のように従量課金で使えるようにするという試みであり、これを進めることはイコール社会インフラの整備を急ぐことだ。

EC2の障害発生は最近少し増えており、信用度の低下が気になるところだが、それでもベンチャーが選ぶクラウドコンピューティングとして、ほぼ唯一最良の選択であることには変わらない。ただしGoogleもまた、米国時間2012年6月28日にAWSに対抗するクラウドサービス「Google Compute Engine」の発表をしており、これらとの競合を通じてさらなる信頼性が担保されるようになることを強く願いたい。

Amazon EC2
Amazon EC2

【お知らせ】MdN Design Interactiveのコラムも読める無料iPhoneアプリ「MdN News Reader」を公開しました、ぜひご利用ください。
MdN News Reader
URL:http://www.mdn.co.jp/di/newstopics/17571/


■著者の最近の記事
Facebookが絵文字アイコンを採用した本当の理由
垂直統合化が進むソーシャルメディアマーケティング業界
iOS6とともに登場するSafariは、モバイルWeb復権の立役者になるか?
モバイルインターネットを生き抜くために―動的デザインを身につけたクリエイターになれ
オウンドメディアのソーシャル化を狙え
Google Glassの真の狙い
楽天が写真共有型ソーシャルサービス Pinterestに出資した理由
IPO直前のFacebookに潜む死角



小川浩氏近影

[筆者プロフィール]
おがわ・ひろし●株式会社モディファイ CEO兼クリエイティブディレクター。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)、『仕事で使える!「Twitter」超入門』(青春出版社)、『ソーシャルメディアマーケティング』(ソフトバンククリエイティブ/共著)などがある。
twitter:http://www.twitter.com/ogawakazuhiro
facebook:http://www.facebook.com/ogawakazuhiro

twitter facebook google+ このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS

関連ニュース