JSTと慶應大、離れた場所に細やかな触感を伝えられる遠隔操作ロボットを開発
JSTと慶應大、離れた場所に細やかな触感を伝えられる遠隔操作ロボットを開発
独立行政法人 科学技術振興機構(JST)と慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の舘(たち)暲(すすむ)特任教授らは、遠隔地に細やかな触感を伝えられる「テレイグジスタンス」システムを用いたロボットを発表した。
同研究グループは、ロボットが手に取ったものの材質や温度などの触覚の伝達について研究を進めて、2011年には指先への反力や温度を伝えられるテレイグジスタンスシステム「TELESAR V」を開発した。しかし、この時点では絹布のサラサラ感とデニムのゴワゴワ感などの触感の違いまでは伝達できなかった。
今回は新たに、あらゆる皮膚感覚を7種類の感覚要素の組み合わせで表現できるとする「触原色原理」という考え方に基づいて開発した触感伝達技術を「TELESAR V」と統合することにより、遠隔環境の細やかな触感を伝えるテレイグジスタンスに成功した。
今後は遠隔コミュニケーションや旅行・ショッピングなどの遠隔体験、極限環境下における作業、遠隔医療、介護、サービス産業、エンターテインメント分野などさまざまな応用が期待されるとしている。