富士通研、暗号化したまま統計計算や生体認証が可能な準同型暗号の高速化技術を開発
富士通研、暗号化したまま統計計算や生体認証が可能な準同型暗号の高速化技術を開発
株式会社富士通研究所は、データを暗号化したまま統計計算や生体認証などを可能にする準同型暗号(データを暗号化したまま演算が可能な暗号技術)の高速化技術を開発したと発表した。
近年、クラウド上のデータ保護が重要な問題となっており、データを暗号化したまま演算処理が可能な暗号方式として準同型暗号が注目されているが、従来の準同型暗号はビット単位で暗号化するため処理時間が長いという問題があった。同社はデータのビット列の並び方を工夫して一括暗号化することで、統計計算をする際に必要なビット列の内積(ビットごとの乗算の和)計算を暗号化したまま一括して行う技術を開発し、処理性能を従来に比べて最大約2000倍高速化することに成功した。
同技術により、クラウド上のデータのプライバシーを保護しつつ活用できるようになる。たとえば生体認証に適用することで、指紋や静脈データなどの生体情報を暗号化したまま安全に照合可能となる。同社は同技術について、2015年の実用化を目指して実証実験を進める予定だ。