Apple Watch|HERMESの秘密と 次なるコラボのヒント
Apple Watch|HERMESの秘密と 次なるコラボのヒント
2015年10月21日
TEXT:大谷和利(テクノロジーライター、原宿AssistOnアドバイザー)
TEXT:大谷和利(テクノロジーライター、原宿AssistOnアドバイザー)
先日、購入予定はないものの、Apple Watchの初のコラボレーションブランドであるエルメスの大阪のフラグシップ店に足を運び、実物の作り込みを確認してきた。1組あたりの接客時間に30分を割いていることもあり、10月5日の発売日に試着予約を入れようとしたところ、すでに1週間分が埋まっている状況だった。
もちろん、エルメスバージョンは、ウォッチユニット本体に関して、アップル版のものと基本仕様に違いはない。ただ、エルメス自身の時計の特徴的な文字盤をベースにデザインされたデジタルフェースが選択できるようになっており、それが今後の他ブランドとのコラボレーションモデルにおいても重要なキーとなることは、秋のスペシャルイベントのときの当コラムでも触れた。
しかし、実際に説明を受けてみて、他の標準的なフェイスについても、ちょっとしたヒネリを効かせていることがわかった。カスタマイズモードで変更できるカラーの中に、エルメスのシグネチャーカラーであるオレンジが加えられているのである。
なるほど、エルメス専用のフェイスではコンプリケーションなどの表示要素がないため、ユーザーも普段使いでは他の多機能表示のフェイスを使うことが十分考えられる。その際にも、オーナーとしてのささやかな満足感が得られるような工夫が盛り込まれていたというわけだ。
ちなみに、長い二重巻のレザーストラップが特徴のドゥブルトゥールのヴォー・バレニア(ブラウン)とヴォー・スウィフト(パウダーブルー)は、少なくともその店舗には発売初日から予約日までの間に在庫の入荷がなかったそうだ。世界のどこかの店舗に優先的に回しているとしても、立ち上がりの生産量は限定的だったものと推測される。
もちろん、エルメスバージョンは、ウォッチユニット本体に関して、アップル版のものと基本仕様に違いはない。ただ、エルメス自身の時計の特徴的な文字盤をベースにデザインされたデジタルフェースが選択できるようになっており、それが今後の他ブランドとのコラボレーションモデルにおいても重要なキーとなることは、秋のスペシャルイベントのときの当コラムでも触れた。
しかし、実際に説明を受けてみて、他の標準的なフェイスについても、ちょっとしたヒネリを効かせていることがわかった。カスタマイズモードで変更できるカラーの中に、エルメスのシグネチャーカラーであるオレンジが加えられているのである。
なるほど、エルメス専用のフェイスではコンプリケーションなどの表示要素がないため、ユーザーも普段使いでは他の多機能表示のフェイスを使うことが十分考えられる。その際にも、オーナーとしてのささやかな満足感が得られるような工夫が盛り込まれていたというわけだ。
ちなみに、長い二重巻のレザーストラップが特徴のドゥブルトゥールのヴォー・バレニア(ブラウン)とヴォー・スウィフト(パウダーブルー)は、少なくともその店舗には発売初日から予約日までの間に在庫の入荷がなかったそうだ。世界のどこかの店舗に優先的に回しているとしても、立ち上がりの生産量は限定的だったものと推測される。
出口まで店員に誘導されながら「実は、Apple Watchを手がけたデザイナーがエルメスのためにデザインしたペンもあるのですが」と、マーク・ニューソンによるNautilusの案内を聞きつつ考えていたのは、次にApple Watchを共同ブランディングで出してくるところはどこか、ということだった。
現時点では憶測の域を出ないものの、個人的に最も可能性が高いのは、バーバリーではないかと思われる。バーバリーは、アップルのリテールとオンラインストア担当上級副社長のアンジェラ・アーレンツが元CEOだっただけでなく、テクノロジーの導入にも積極的で、Apple Musicに対しても自社でキュレーションしたプレイリストを提供している(このこと自体、とても興味深いことだ)。
そして、すでに自社のアイデンティティーたるトレンチコートのカラーリングや、タータンチェックのパターンをモチーフに採り入れたウォッチシリーズ(Womens/Mens)のラインアップもある。
アップルは、Apple Watchに関して、約半年に1度の割合でコレクションの更新をかけていくつもりのようなので、早ければ来年の春頃には何らかの発表があるのではないだろうか。
現時点では憶測の域を出ないものの、個人的に最も可能性が高いのは、バーバリーではないかと思われる。バーバリーは、アップルのリテールとオンラインストア担当上級副社長のアンジェラ・アーレンツが元CEOだっただけでなく、テクノロジーの導入にも積極的で、Apple Musicに対しても自社でキュレーションしたプレイリストを提供している(このこと自体、とても興味深いことだ)。
そして、すでに自社のアイデンティティーたるトレンチコートのカラーリングや、タータンチェックのパターンをモチーフに採り入れたウォッチシリーズ(Womens/Mens)のラインアップもある。
アップルは、Apple Watchに関して、約半年に1度の割合でコレクションの更新をかけていくつもりのようなので、早ければ来年の春頃には何らかの発表があるのではないだろうか。
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[筆者プロフィール]
おおたに・かずとし●テクノロジーライター、原宿AssistOn(http://www.assiston.co.jp/) アドバイザー。アップル製品を中心とするデジタル製品、デザイン、自転車などの分野で執筆活動を続ける。近著に『iPodをつくった男 スティーブ・ ジョブズの現場介入型ビジネス』『iPhoneをつくった会社 ケータイ業界を揺るがすアップル社の企業文化』(以上、アスキー新書)、 『Macintosh名機図鑑』(エイ出版社)、『成功する会社はなぜ「写真」を大事にするのか』(講談社現代ビジネス刊)。