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生き残るのはYouTubeとFacebookか!? 新たな展開を見せる2016動画ビジネス

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生き残るのはYouTubeとFacebookか!? 新たな展開を見せる2016動画ビジネス

生き残るのはYouTubeとFacebookか!? 新たな展開を見せる2016動画ビジネス



2016年1月25日
TEXT:小川 浩(シリアルアントレプレナー)


2016年も明けて、早くも1月後半になった。2015年から、動画ビジネスが新たな展開を見せており、さまざまなニュースが話題を集めている。代表的なのが、IBMにおけるUstreamの買収と、サイバーエージェントの動画サービス 「AmebaFRESH!」の配信スタート、のニュースだ。

まず、Ustreamの買収に関して。世界最大の動画アーカイブを誇るYouTubeとは異なるアングルで、動画の生放送、リアルタイム配信サービス、というスタイルで一世風靡したUstreamだったが、最近は鳴かず飛ばず状態が続いていた。IBMはこのところ動画関連の企業をいくつか買収しており、今後エンタープライズ向けの動画によるコミュニケーションプラットフォームの商用化に動くものと見られている。買収価格は1億ドル程度と言われているが正確にはわからない。

これまでも動画による企業内リアルタイムコミュニケーションサービスは数多く存在したが、これまでのところ、企業のワークスタイル(例えばリモートワークの普及や、出張を伴う顔を合わせての会議)の変革には至らなかった。コンシューマー向けに一時はブレイクしたサービスを集めることで、IBMはついに場所に縛られることのない、クラウド型の勤労環境を作り上げることができるだろうか。



続いて、サイバーエージェントがスタートさせた「AmebaFRESH!」は、サービス開始時点ですでに約200チャンネル・1000番組ものコンテンツを持っており、年内には1000チャンネルに拡大する計画という。サービス的にはPC向けにはWebで、モバイル向けにはネイティブアプリのみでサービスを提供している。アーカイブ的なコンテンツも多いが、サービスのキモとしては、上述のチャンネル経由の生放送となるようだ。

コンテンツの種類としては、スポーツやペット情報などのエンターテインメントを中心に、政治・経済的なニュースも配信するという。バランス的には、やはり今月国内版が正式にスタートした、BuzzFeedが用意するジャンルに似ているように思う。

動画ビジネスは、動画そのものを制作するメーカーと、それを配信するメディアの二つに分類されるが、動画メディア自体もリアルタイム型とアーカイブの二つにタイプが分かれる。アーカイブ型ではもはやYouTubeを追い抜くことは不可能に近い。リアルタイム型としてAmebaFRESH!が新たに登場したわけだが、ほぼ同時期にリアルタイム型の雄であったUstreamが買収され、独立したサービスとしては姿を消すことは、なかなかに味わい深い偶然だ。

動画配信サービスは、長尺と短尺とにまず分れていく。長尺というのは、ドラマなりアニメなり映画なりと、それなりに鑑賞するのに時間がかかる。時間がかかるから、逆に音声・音楽・効果音が望まれるし、時間を食われる代償としてのクオリティが求められる、だから比較的大きな画面で配信へと収斂し、Netflix、Amazonプライムなどにユーザーは流れる。

短尺動画はスマホなどで消費されやすいコンテンツである。AmebaFRESH!もこの分野に入る。この場合、従来からあるYouTubeやFacebookなどのプラットフォームとオーディエンスを奪い合うことになるだろう。アーカイブかリアルタイムかは、この場合あまり関係がない…。

つまり、正直に言うと、僕は短尺の動画配信プラットフォームは、結局 YouTubeとFacebook(と、彼らが打ち出す新提案)に収斂されていく、と考えているのである。

BuzzFeedやNowThisなど、動画そのものを作り、自社のメディアで配信するとともに、Facebook(とInstagram)やYouTubeに設置したメディアで消費してもらいつつ、そこにコンテンツと同じフォーマットでの広告(動画型のネイティブアド)を配信していることをみれば、それは明らかだ。

つまり、消費者向けの短尺動画配信プラットフォームは、数年前のフラッシュマーケティング同様に、一時の過当競争のあとで、焼け野原になって、生き残るのはYouTubeとFacebookとなる。そう予想するのだ。


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[筆者プロフィール]
おがわ・ひろ●シリアルアントレプレナー。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)、『仕事で使える!「Twitter」超入門』(青春出版社)、『ソーシャルメディアマーケティング』(ソフトバンククリエイティブ/共著)などがある。
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