「ストリームの影響を受け始めたソーシャルメディアマーケティング──後編」
「ストリームの影響を受け始めた
ソーシャルメディアマーケティング──後編」
2009年6月1日
TEXT:小川 浩
(株式会社モディファイ CEO 兼クリエイティブディレクター)
ストリームの普及とリアルタイム・ソーシャルメディアマーケティング
この「ストリーム」という考えは、ライフログやライフストリーミング、あるいはアクティビティストリーミングなどという呼び方で広まり始め、SNSの世界ではFacebookが「News Feed」というサービス(参加者のアクティビティを時系列順に表示)を採用したことで注目を浴びている。いまや世界中のソーシャルメディアサービスが、非常に細小な粒度の情報群をリアルタイムで世界中に伝達しまくる仕組みと、その概念=ストリームのあり方をフォローし始めている。
これによって、ソーシャルメディアマーケティングは、従来のようにブログやSNSのクチコミから得たフィードバックを取り入れるだけでなく、積極的にクチコミを作り上げていくため、より双方向かつリアルタイムで働きかけていくという新しい手法を取り入れる必要が出てきた。
つまり、自分自身でストリームを作り上げる、リアルタイム・ソーシャルメディアマーケティングこそが必要になってきているのである。
News Feedを採用したFacebook
http://www.facebook.com/
ソーシャルメディアマーケティングの新しい手順
従来のソーシャルメディアマーケティングでは、
・クチコミによるメッセージの伝搬
・ターゲットからのフィードバックを得る
・フィードバックを分析して取り入れる
というステップを踏んでマーケティングは行われていく。
しかし、リアルタイム・ソーシャルメディアマーケティングでは、フィードバックを得てから分析を行うのと同時に、ユーザーへのフィードバックを行わなければならない。つまりコミュニケーションを密接かつ積極的に行う必要がある。
常にリアルタイムかつ双方向なコミュニケーションでフィードバックを提供することによって、クチコミ自体の動きを好意的なものに変えていくこと。それがリアルタイム・ソーシャルメディアマーケティングの本質である。
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[筆者プロフィール]
おがわ・ひろし●株式会社モディファイ CEO兼クリエイティブディレクター。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)などがある。