第一印象をコントロールする「判断のデザイン」発売

株式会社朝日出版社は、世界の有名デザイナー、チップ・キッド氏があらゆるデザインを明瞭/不可解という視点から再定義する「判断のデザイン」を6月28日に発売する。B6判変型判/148P/1,700円(税抜)。
デザインにおける「明瞭さ(クリア)」はある種の商品には必要不可欠なものだ。薬品のパッケージや駅の掲示板、信号機、これらは徹底的に明瞭でなければならない。一方「不可解さ(ミステリアス)」も重要な要素である。人々の注目を集め、その興味の対象へぐっと踏み込ませる原動力となるからだ。

そのデザインに必要なのは、明瞭さか、不可解さか、もしくはその両方か。本書は、村上春樹作品(アメリカ版)の装幀でも知られる「世界一有名なブックデザイナー」チップ・キッド氏が、明瞭/不可解の尺度で世界の見方を再定義する、デザイン認識の技術書だ。ダブルクリップに地下鉄のポスター、ATMやタバコのパッケージなど、身の回りにある様々な実例から、自らのブックデザインへの応用までを、明瞭/不可解という視点から分析し、そのデザイン効果を再評価している。

明瞭/不可解のバランスは、デザインに素晴らしい効果を与えることもあれば、醜悪な結果を残すこともある。例えば、文字を詰め込みすぎて不明瞭になってしまった広告ポスター、不可解なのに「すぐわかる」ダイエット・コーラ缶の爽快なデザイン、一時期流行した「アイス・バケツ・チャレンジ」の確かな痛み(冷たさ)と不可解さの上に表現されるメッセージ性など。多くの成功・失敗例をデザイン認識の観点から分析した、デザイナー必読の一冊である。

「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」(村上春樹著)のブックデザイン

ダイエット・コーラ缶の新デザイン

株式会社朝日出版社
価格:1,700円(税抜)
チップ・キッド 著 坪野圭介 訳
URL:http://www.asahipress.com/
Amazon:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4255010099/
2017/06/28
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