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(3)拡大するFlashプラットフォームと開発環境


エンタープライズ分野へのアプローチ


Adobe MAXは、FlashプラットフォームとAdobe AIRの技術カンファレンスといってもよいだろう。Flash関連のセッションは21(Adobe AIR関連は22)、ハンズオンは4(Adobe AIR関連は3)というスケールである。Flashだけでも、すべてのセッションに参加することは不可能だ。今回は、エンタープライズ、アクセシビリティ、ActionScriptの3つのテーマに絞り、29日は「Adobe AIR 上でのエンタープライズアプリケーション構築」、30日は「Flash CS4 Professional を使ったアクセシビリティ対応コンテンツの構築」、「ActionScript 3.0 におけるパフォーマンス向上のヒント」などに参加した。

基調講演で提示した3つのテーマ「クライアント+クラウド(Client+Cloud)」、「ソーシャルネットワーキング(Social Networking)」、「デバイス+デスクトップ(Devices+Desktop)」の中で、もっとも強いメッセージを放っていたのはひとつめの「クライアント+クラウド」だ。アドビシステムズは、SaaSを活用することでエンタープライズの分野でもリッチインターネットアプリケーションによる新しいエクスペリエンスを提供し始めている。アプリケーション開発の話になると、今までWebサイト上のモーショングラフィックなどをデザインしてきたクリエイターには遠い世界のように思えるが、Flashで培ったノウハウやテクニックをそのままアプリケーション開発に活用できるようになると仕事のイメージも変わってくる。クリエイターと開発者が協力してひとつのアプリケーションを開発する(今まであまりうまく機能していなかった)仕組みが提供されるということだ。


エンタープライズ、アクセシビリティ、ActionScript


アドビシステムズのRon Nagy氏によるセッション「Adobe AIR 上でのエンタープライズアプリケーション構築」では、エンタープライズアプリケーションの実装にAdobe AIRが優れていることを社内アプリケーション「Adobe Directory」(社員情報検索ツール)を紹介しながら解説した。Adobe Directoryは、Microsoft Exchange Serverなど、さまざまなエンタープライズテクノロジーから情報を読み込み、社員情報を検索することができるデスクトップアプリケーションである。 Adobe AIRで開発されたアプリケーションの特徴として、オフラインモード、自動アップデート、ユーザーフィードバックの仕組みなどが挙げられ、容易に搭載できることを示した。


29日(木)に開催されたRon Nagy氏のセッション「Adobe AIR 上でのエンタープライズアプリケーション構築」

RIAにおけるアクセシビリティ対応についても注目しなければならない。視覚表現の追及やユーザビリティを向上させるだけではなく、ユニバーサルな仕組みをどうやって実現するのか気になっている人は多いはずだ。アドビシステムズのMatt May氏によるセッション「Flash CS4 Professional を使ったアクセシビリティ対応コンテンツの構築」は、WCAG2.0(Web Content Accessibility Guidelines)の原則を踏まえたうえで、ユニバーサルなFlashコンテンツ制作の事例を紹介した。特にTime-Based Media(時間軸に沿って表示されるビデオなど)の代替についてのプレゼンテーションは興味深いものだった。聴覚障がい者のためのキャプション表示や視覚障がい者のためのオーディオディスクリプションをどう実現するのかデモを使って解説。キャプションの変換表示にはDFXP(Distribution Format Exchange Profile)を使用した例を紹介した。また、Flashコンテンツのアクセシビリティ評価に役立つおすすめツールとして「Microsoft Inspect 2.0」が紹介された。無償でダウンロードできる。

●Microsoft Inspect 2.0 ダウンロードページ
http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?familyid=3755582A-A707-460A-BF21-1373316E13F0&displaylang=en


30日(金)に開催されたMatt May氏のセッション「Flash CS4 Professional を使ったアクセシビリティ対応コンテンツの構築」 。ユニバーサルなFlashコンテンツ開発について解説



アクセシブルなFlashコンテンツを開発するためのポイントが示された。また、有益なリソースとして
「Adobe Accessibility Blog」(http://blogs.adobe.com/accessibility/)が紹介された

国内のActionScriptエバンジェリストとして有名な野中文雄氏による「ActionScript 3.0 におけるパフォーマンス向上のヒント」には、多くのクリエイターやプログラマーが集まっていた。このセッションのテーマは「パフォーマンスの向上」、ちょっとしたアイデアやスクリプトのテクニックを次々と紹介していくスタイルで進行(すべてではないがActionScript 2.0でも活用できる)。当日のセッションで紹介された内容のレジュメとサンプルファイルは、野中氏の個人サイト
http://www.fumiononaka.com/)でダウンロードできるので、ぜひ参照してほしい。



30日(金)に開催された野中文雄氏のセッション「ActionScript 3.0 におけるパフォーマンス向上のヒント」。進行はハイテンポだったが、わかりやすい解説が好評だった



[著者プロフィール]
境祐司(インストラクショナルデザイナー)●企業の教育プラン、マネジメント、講演、書籍執筆など。学校法人阿佐ヶ谷学園 高度情報化研究所所長。著書に『スタイルシートデザインのネタ帳』(監修)MdN、『速習Webデザイン Dreamweaver CS3』技術評論社、『Webデザイン&スタイルシート逆引き実践ガイドブック』ソシム、『Flash逆引きデザイン辞典』(共著)翔泳社、『Making a Rule for Web Design』ソーテック社、『CSSビジュアルデザイン・メソッド』毎日コミュニケーションズなど。
url. http://admn.air-nifty.com/monkeyish_studio/
Lifestream. http://friendfeed.com/monkeyish/



>>> Adobe MAX Japan 2009レポート(1)
>>> Adobe MAX Japan 2009レポート(2)
>>> Adobe MAX Japan 2009レポート(3)
>>> Adobe MAX Japan 2009レポート(4)


 
 
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