
東京・飯田橋の帆風本社で行われた出力の様子。日本ヒューレット・パッカードの大判インクジェットプリンタ「HP Designjet Z3100 Photo」が採用された

出力物のクオリティを厳しくチェックするマグナム・フォト東京支社の小川貴之氏
今回の写真展で出品される作品の年代は、終戦直後の1945年から2006年までさまざまだ。そのため写真の状態は一様でなく、個々の写真家の表現意図を忠実に再現するには、出力の高度なスキルが求められる。そこで、このうち大判インクジェットプリンタ「HP Designjet Z3100 Photo」での出力を担当することになったのが、豊富な実績と高い技術を持つ株式会社 帆風だ。
同社で出力が行われる際には、作家がデータに添付したICCプロファイルや出力見本、過去に出版された写真集などさまざまな資料が参考にされた。また、マグナム・フォトの担当者立ち会いのもと厳密なチェックが行われるなど、色再現については非常にシビアなクオリティが求められた。
そうした状況において、「ほとんどの作品はスムーズに出力することができました」と予想に反する発言をするのは、作品出力を担当した帆風・大畑政孝氏。その理由は、Z3100が「分光測光器を本体に内蔵しており、色の安定性が非常に優れていた」ことと、「12色インクによる微妙な色の差や階調差の高い表現力」によるものだという。実際、氏が出力を担当した作品は、一般的なインクジェットプリンタなら平坦なトーンになってしまいかねない微妙な階調の作品や、色味が変わりやすいモノクロ作品なども、本来の色やトーンで美しく表現されていた。また、プリント面には透明インクのグロスエンハンサによるコーティングが施されており、銀塩写真のような光沢感も再現されていた。何も説明を受けずに見れば、銀塩のプリントと間違える人も少なくないかもしれない。写真家にとって、Z3100は、写真表現の強い味方になってくれるプリンタであることは間違いなさそうだ。

HP Designjet Z3100 Photo(A1プラスモデル)
●498,750円(税込)
HP Designjet Z3100 Photo(B0プラスモデル)
●900,900円(税込)
HP Designjet Z3100ps GP Photo(A1プラスモデル)
●2007年4月中旬発売予定
HP Designjet Z3100ps GP Photo(A0プラスモデル)
●2007年4月中旬発売予定


新開発の顔料インク「HP Vivera」全12色。RGBを含むカラーインク7色、ブラック2色、グレー2色、グロスエンハンサで構成される。繊細な色彩表現と滑らかで幅広い階調表現を実現

インクが塗布された部分と非塗布の白地部分とのギャップを埋めるためにも、滑らかで均一な光沢を演出するグロスエンハンサ
帆風では、「マグナムが撮った東京」の話が舞い込む以前に、同社内で「デジタル技術で古い日本画を再現する」プロジェクトが進行中だった。再現された日本画を実物と同じサイズに出力し、同社が今秋から来春にかけて青森県にオープン予定の美術館に展示する計画のもので、このために高い表現力を持つ出力機が必要とされていたのだ。
そこで俎上に上ったのが、日本ヒューレット・パッカードの大判インクジェットプリンタ「HP Designjet Z3100 Photo」シリーズ。同機は、最大B0プラスまでに対応するなどサイズのラインアップが豊富。分光測光器「Eye-One」を本体に内蔵しており、ICCプロファイルの作成が容易にできるため、用紙の種類に左右されない安定した色再現を可能にしている。また、12色の顔料インク「HP Viveraインク」を採用し、広い色域とニュートラルなグレーバランスを再現することが可能。さらに、透明インクのグロスエンハンサにより、光沢感の表現も得意としており、大畑氏によれば「このプロジェクトにまさしく最適なプリンタでした」。

もともと、社内で日本画をデジタル技術で再現しようというプロジェクトがあり、高品質な出力が可能な大判プリンタを探していました。その時期に並行して、この企画展に技術協力されている日本ヒューレット・パッカードさんより「マグナムが撮った東京」のお話をいただき、作品出力を担当させていただくことになりました。著名な写真家の作品が多いこともあり、出力作業は非常に楽しかったですね。
今回、Z3100を使用して驚いたのは、そのモノクロの表現力です。フィルムの粒子ひとつひとつまでシャープに再現されるうえ、普通だとつぶれがちなシャドウ部の階調もしっかり描き分けました。ブルース・ギルデン氏のようなモノクロ写真家の作品も、作品本来の雰囲気を壊さずに出力できたと思います。もちろん、カラー出力の実力も高く、微妙な階調差や色の差が非常にきれいに再現されています。1950年代に撮影されたカラー写真から2006年に撮影されたものまで幅広い年代の作品がありますが、来場された方には、それぞれの時代の空気を感じ取っていただけるのではないでしょうか。


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2007/4/6 FRI 00:00


