川と共に生きる

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江戸はかつて水の街だった。もともと湿地帯だった江戸は、軍事的な観点から、そして物流のために水路や掘が作られた。江戸の水は大都市にも関わらずきれいだったらしく、江戸市中の川や掘でもうなぎがとれたという。川の存在は今以上に重要で、なかでも隅田川は花火があげられたり、浮世絵にも頻繁に登場している。また、橋の周囲は交通の要所として栄え、日本橋は街道の基点ともなった。

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現在、隅田川や江戸川、神田川といった有名な大きな川以外は、多くの小川が、川や水路にふたをした暗渠になってしまっている。細長く続く緑地があれば、それは暗渠の可能性が高い。また、川も何もない場所に「水道端」というような地名が残っていることがある。これもかつて水路があり、現在は暗渠になってしまっている可能性がきわめて高い。そうした水路は、今も人知れず水を運んでいるのだ。

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人も地球も、その成分の大きな割合を水が占めている。水の流れる音は心を癒すという。水の流れる川は、多くのものを浄化する、清らかな場所であるはずだった。川は水の流れる道であり、風もまた川の上を吹き抜けていく。そうした、陸地のなかでの特殊な場所としての川は、護岸工事によって動植物の居場所がなくなって生命力を失い、さらには、地中に埋められてしまうことにもなった。

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世界の大都市は、セーヌ川のパリ、テムズ川のロンドンというように、大きな川沿いで発展してきた。川は街の中心であり、また外部でもある。聖なる場所であり、危険な場所でもある。そして、川によって街が2分されることによって、それぞれに特徴のある地区を生み出してくる。美しい川のある都市は、多様なものが共存しているがゆえに、何倍も魅力的に見える。

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20世紀の進歩は、自然を作り替えてコントロールすることで進められてきた。しかし、それで出来上がったものは、自然ほどの価値のあるものではないということが、わかってきた。かつて、美しく共存することが得意だった日本は、もう一度その手法を取り戻すことができるだろうか。都市と川の関係を考えることから、もう一度はじめてみる必要があるのかもしれない。