Event Report 第8回 web creators conference

最適なWebレイアウトとサイト構造を考える
web creators conference開催速報

毎回、今もっとも注目されているテーマを取り上げ、その分野のエキスパートをゲストに迎えて行う「web creators conference」。11回目を迎えた今回は、わかりやすいWebサイトを制作するうえでキーポイントとなるWebレイアウトおよびサイト構造について、WebデザインはもちろんWeb関連の書籍および雑誌の執筆など幅広い活躍を見せている佐藤好彦氏が語った。



「ラベリングについては、引っ越し時の段ボールを連想するとわかりやすくなります。どの段ボールに何を入れたかをわかるように書かかないと、開梱時にたいへんな思いをしますよね」と語る佐藤氏



コンファレンス終了後の懇親会でも、参加者からたくさんの質問を受けていた佐藤氏。懇親会の終了予定時刻を過ぎても、周りには多くの参加者が集まっていた。



 


 


 


 

情報同士を結びつけ
新しい価値を生み出す

 佐藤氏が壇上に現れると、会場から大きな拍手が巻き起こった。今回の内容に、多くの参加者が期待を込めている表れだろう。佐藤氏は静かに語りはじめた。「インターネットとはどういうメディアであるのか認識しましょう。インターネットという言葉は『インター=〜の間に』、『ネット=ネットワーク』という意味が込められています。つまり情報のつながり方というものが重要となってくるのです」。インターネットはもともとアメリカが核攻撃を受けた際の情報交換を行う方法として編み出されたものである。すべての情報が一極集中しているよりも、分散させておいたほうが情報損失の被害が抑えられるというわけだ。そしてそれが、WWW(World Wide Web)という『つながり』を意識した閲覧システムを生み出すことになったのだ。「その閲覧システムを使い、散在する情報をいかにわかりやすく見せるかがWebの楽しさ、おもしろさなのです」と佐藤氏は語る。
 また情報同士をつなげると新しい形になる、と力説する佐藤氏。「ニュートンはりんごが落ちるのを見て引力を発見したと言われています。このように、異なる情報同士がぶつかり合うことによって、何らかの価値が生み出されることはあるのです」。ここでプロジェクタの画面に「Amazon.co.jp(www.amazon.co.jp/)」のCD購入ページが映し出された。ページ内には「このCDを買った人はこんなCDも買っています」と、別のCDへのリンクが張られている。「これらの情報はユーザーに必要ではないかもしれませんが、他人の情報を表示するのはとてもユニーク。ビジネスアイデアとして情報のつながりを生かしている例はほかにもたくさんあります」と語る佐藤氏。多くの参加者も納得の表情をしていた。  では、たくさんの情報を見やすくつなげていくにはどうしたらよいか? それには情報を階層構造で整理・表現するべきだと佐藤氏は解説する。「まずは情報の違いを整理するための『分類』、そして情報の中身を伝える『ラベリング』という作業が必要になります。これらは非常に難しい作業ですが、『動詞』、『対象ユーザー』、『レイアウト』とさまざまな分類方法がありますので、扱う情報に対してもっとも有効なものを選んでください」という言葉で、前半は幕を閉じた。
  
デザイナーは
Webに貢献しているか?

 後半は、佐藤氏によるレイアウトデザインについての解説が始まった。「デザインとは、物事と人間と環境のバランスをとること。最近では画面にグリッドをつくり、グリッドに沿ってコンテンツを載せていき統一感を図る『グリッドシステム』を取り入れているケースが増えてきています」と語る佐藤氏。その他にもモチーフを生かしたデザインなど、話はさらに広がっていく。「Webサイトで統一感のような『世界』をもたせるには、まず色の数を抑えてみるのがよい」、「何かを目立たせたいのであれば、どこかの部分を抑える必要がある」といった実践的な内容も紹介されていく。さらに話はディレクションにまで及んだ。「クライアントから『タイトルを目立たせたい』という要望があがった際、クライアントとディレクターの間で『文字を赤くする』という流れになったとします。しかしその部分を目立たせるには、余白を生かすといった方法も考えられるのです。しかし『文字を赤くする』と決めてしまうと、デザイナーは文字を赤くせざるを得ず、結局素人のようなデザインになってしまう。デザインのディレクションは難しいですが、Webサイトを意図・目的に近づけていくためには必要不可欠なことなのです」という言葉に、考えさせられた参加者も多かったようだ。
 最後に佐藤氏は「最近では2ちゃんねるやウェブログなど、デザインとは違う方面で評価を得ているWebサイトが多い。デザイナーは制作部分でWebサイトに携わることは容易ですが、Webサイトの仕組みからデザインしていかないと、Webデザインというものがあり得なくなってしまう危険性を感じています。現在のWebデザイナーの方にも、ぜひ仕組みからデザインできる人になってください」と力説し、コンファレンスは終了した。
  



P R O F I L E
佐藤好彦
1965年生まれ。1994年よりフリーとして活動を行う。Webデザインを中心に、インタラクティブなコンテンツのプランニング・デザイン・ディレクション、印刷物のグラフィックデザイン、映像の制作などを手がけているほか、東京造形大学の非常勤講師も務めている。著書は『ウェブサイト制作のワークフローと基礎技術(技術評論社)』など多数あり。
 


 From the Enquete  参加者アンケートより

●参加者の性別比

男 48% 女 52%

●年齢層

20代 53%
30代 41%
40代 6%
●職業

デザイナー 37%
ディレクター 13%
サイト管理関係 13%
その他技術関係 8%
プロデューサー 4%
プログラマー 4%
管理職 2%
営業 1%
その他 18%
●参加者の声から
「実際にレイアウトデザインを実践する際のノウハウをていねいに教えていただけて、非常によかったです」(23歳・男性・デザイナー)/「サイト構造をExcelで整理することは目からウロコでした」(39歳・女性・サイト管理関係)/「今現在、自分が日常で追われてしまっている部分の見直しなど、考えさせられる部分が多かった」(30歳・男性・デザイナー)/「データベースを利用したコンテンツの管理が興味深かった」(37歳・男性・デザイナー)/「実際のデザインTipsはとても勉強になりました」(32歳・女性・プランナー)



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