月曜。今週も忙しくなりそう | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-
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1年生になったら~ 1年生になったら~♪  ということで、デザイナーという職業に憧れる読者のみなさんに先駆けて、一足早くデザイナーになった先輩デザイナーの1週間を追いかけるのが、このコーナーです。夢を現実にした新人デザイナーの仕事と生活ぶりは実際どのような感じなのでしょうか? 毎月第3週に、その曜日の出来事を毎日更新でお届けします!


今月の1年生デザイナー

岡本歌織さん(アド・エンジニアーズ・オブ・トーキョー所属)





〔プロフィール〕

おかもと・かおり●1981年生まれの岡本歌織さんは、デザイナーとしてはめずらしい理系出身者。東京電機大学で感性工学(人間の持っている感性やイメージを物理的なデザイン要素に翻訳し、商品設計に取り入れる方法)を専攻し、そのまま同大学院でも研究を続けたという異色の経歴の持ち主である。また大学院に通う傍ら、デッサンの基礎を学ぶためにセツ・モードセミナー/夜間部にも入学。もともとイラストやデザインに興味があったけれど、自分のレベルアップのためにダブルスクールという道を選んだという。そのほかにも印刷会社でDTPのアルバイトを経験したりと、つねに「制作」という自分の興味のある分野に向かって、まっすぐに行動していくタイプの岡本さん。アド・エンジニアーズ・オブ・トーキョーには昨年春に新卒社員として入社。現在は第一デザイン部に所属し、アシスタント・デザイナーとして多忙な日々を送っている。私生活では半年前から落語を習いに行くという、ちょっと変わった趣味を持つ。これまたジャンルの違う部分ではあるが、彼女の中ではそういったいろんなものがパワフルにミックスされ、最終的に制作への原動力につながっていくのかもしれない。朝から晩まで社内で制作に没頭する、彼女の一週間をお届けします!


アド・エンジニアーズ・オブ・トーキョーとは?
日本の広告制作プロダクションの草分け、アド・エンジニアーズ・オブ・トーキョー。会社設立は1964年、40数年の歴史と実績を持つ広告制作会社である。同社は「高い創造性と謙虚なマナー」の理念のもと、「広告制作集団である前にクライアントの良きパートナーでなければならない」という経営方針をもって設立された。創業者は名コピーライターであり、数々の著書を持つ西尾忠久氏(現在は同社顧問)。西尾氏は1960年代に欧米の優れた広告デザインを日本に積極的に紹介する活動を続け、当時の広告業界に新風を巻き起こしたという。特に『フォルクスワーゲンの広告キャンペーン』(1963年/美術出版社刊)を翻訳し出版したことは当時の業界に強い衝撃を与え、同書は“クリエイターのバイブル”と称され多くの人に支持されてきた。“IR”という概念がまだない頃から、パートナーシップをもってクライアントのひとつひとつの課題、企業そのものの戦略に関わるコミュニケーションに対して、真摯に取り組んできた同社。企業の信頼も厚く、広告の企画立案とともに、企業の社内コミュニケーションを活性化する取り組みまでも提案するという。それは“企業のサービスを広告で打ち出すには、サービスへの確かな社内意識が前提となる”という考えから。それはまさに設立当初の“クライアントの良きパートナーたれ”という姿勢が貫かれているからということに他ならない。めまぐるしい変化が日々起こる今こそ、こういった広告の良心とも言うべき制作会社が必要とされる側面は多いはずだ。
http://www.aden.co.jp/

月曜。今週も忙しくなりそう

9:50 出社

会社の就業時間は朝9時50分?17時50分までが定時となっている。決して早いというわけではないけれど、もともと朝は弱い体質なので毎日つらい……。出社してからまずすることは、プリンタの電源をいれて、紙を補充することと、皆が共用で使用しているコーヒーメーカーをセットしたりすること。これらは新人の仕事となる。

今日は、政府広報系のポスターのコンペ(以下、案件A)と、ソフトメーカーB社の店頭キャンペーン(以下、案件B)の2つのサムネイル案を提出しなければならない。昨晩からいろいろ調べつつ考えていたものの、なかなか良い案が浮かばなかった。急いで朝の雑務を終わらせて、手書きのサムネイル作りにいそしむ。
家から駅までの道のりはたいてい走っている。もっと早く起きられればいいのに……
家から駅までの道のりはたいてい走っている。もっと早く起きられればいいのに……
会社の受付はこんな感じ。同じフロアに私の所属する部署がある
会社の受付はこんな感じ。同じフロアに私の所属する部署がある

11:30 案件A/ポスターコンペについての会議

コピーライター3人、デザイナー4人の全員の案を発表。まず、一番新人の自分から3つの案を発表した。全員の分を発表し終わった後に、似ている案をまとめながら、アートディレクターが案を選定していく。ビジュアル面で目立つことは大事だけれど、気持ちや雰囲気だけで押し切るのもいけない。落としどころを考えて、見る人とクライアントが納得するようなものにしなければならない……。案を考えているときには、いつもそう心がけて意味深いものにしようとしているのに、なかなかうまくいかない。とりあえず、今回「これは絶対に素晴らしいものになる!」という自信のある1案がなんとか残ったのでよかった。今週の金曜日までに、自分の考えたビジュアルにコピーをつけてもらうという1案と、コピーライターの人が考えた案のビジュアルを作る1案の合計2つを作らねばならない。今週は忙しくなりそうだ……。
会社の会議室の風景。奥には箱庭もあるという、一風変わった会議室。会議室は他に3つある
会社の会議室の風景。奥には箱庭もあるという、一風変わった会議室。会議室は他に3つある

13:00 会議終了

ゴハンを買いに行こうと思っていたら、机にプロデューサーKさんからの置き手紙が。入稿していたクリアファイルの組み立て見本が出来上がっていて、印刷会社の人が持って来てくれるそう。Kさんは外出してしまうので、代わりに私が受け取ることに。お昼はもう少し我慢、印刷会社の人を待つ。

14:00 お昼ゴハンを買ってきてもらう

いつも私がチームの皆さんのゴハンをまとめて買いに行くことが多いけれど、今日は外に出られないので先輩にお願いすることに。駅の近くにあるお弁当屋さんのカニクリームコロッケ弁当を食べる。

14:30 組み立て見本が到着

出来上がったファイルの組み立て見本が届く。小冊子を挟んで配布するためのクリアファイルだが、デザイン通りに出来上がっており、とても良い感じ。サイズもぴったり。

15:00 案件Bのサムネイル案を考える

案件Bのキャンペーンのメインビジュアルを考えてまたサムネイルをひたすら描く。出来上がりを思い浮かべながら、「こんなものができたら目をひくだろうナ」などと想像をふくらませる。けれど、まだまだ想像のものを完全に具現化しきれないところが悔しい……。日々精進だ。

ラフスケッチの一部
ラフスケッチの一部

16:00 案件Bについて打ち合わせ

アートディレクターに案件Bのサムネイル案を見てもらう。なかなか好感触。4案出した中から2案を選んでラフとして提出することになった。

17:00 ひたすら作業に没頭

明日になるとまた違う仕事もしなければならないので、できるだけ今日がんばろう。

20:00 疲れたので気晴らしに……

近くのコンビニまでゴハンを買いに行く。疲れると甘い物が食べたくなるので、いつも甘めの紅茶かチョコレートを買うのが定番。

24:00 帰宅

ほぼ毎日、終電のこの時間に慌てて帰る。明日もやらなきゃいけないことがたくさんあるので、朝早く起きられればいいなぁ……。
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