様々なジャンルで活躍するデザイナーの来歴をたどるシリーズ、第8回はエディトリアルからCD、パッケージなど、細やかでクールなデザインワークに定評ある岩淵まどかさんを取材し、その経歴から現在に至るまでの足跡をたどります。
第1話 エディトリアルへの興味
岩淵まどかさん
最初はインテリア・デザイナー志望
──デザインに興味を持つようになったきっかけは?
岩淵●父が趣味で版画の本を作ったりしていて、小さい頃から絵を描いたり、本を作るということに興味をおぼえる家庭環境だったんですね。
──日曜版画家?
岩淵●そうですね。普通の公務員なのですが、昔は油絵なんかも描いていたみたいで。よく版画の手伝いとかもさせられていました(笑)。
──そうした影響もあって志望するように?
岩淵●あと私が中学のときに、姉が大学の建築科に進学したんですね。そういう過程もあって、姉がやっていることが「面白そうだな」と思うようになった。だから、高校に入った頃はインテリア・デザイナー志望だったんですよ。でも、自分でもモノを作っていくうちに、立体感覚がないということに気がついて(笑)。
──そこで平面に興味を?
岩淵●ええ。もともと本や雑誌が好きだったので、そういうデザインも面白いと思って、高校生の頃はエディトリアル・デザイナーになりたいと決めてました。で、進路先の美大を調べていたら、当時、東京造形大学にエディトリアル専攻があったんですね。そこに行けば学べるのではないか……と、素人考えでしたが受験して入学しました。
──当時は、どのような雑誌が好きでした?
岩淵●高校の頃だから、普通に『流行通信』とか、読むなら『宝島』とか。
──憧れのデザイナーは?
岩淵●そういうのは特になかったですね。この人のデザイン好きだなって思うようになって雑誌を読むようになったのは、大学に入ってからで、それも海外の人ばかり。あまり日本のものにピンとこなかった。そもそも80年代の制作物って、昔もいまもあまり好きではないんですよ。
岩淵●父が趣味で版画の本を作ったりしていて、小さい頃から絵を描いたり、本を作るということに興味をおぼえる家庭環境だったんですね。
──日曜版画家?
岩淵●そうですね。普通の公務員なのですが、昔は油絵なんかも描いていたみたいで。よく版画の手伝いとかもさせられていました(笑)。
──そうした影響もあって志望するように?
岩淵●あと私が中学のときに、姉が大学の建築科に進学したんですね。そういう過程もあって、姉がやっていることが「面白そうだな」と思うようになった。だから、高校に入った頃はインテリア・デザイナー志望だったんですよ。でも、自分でもモノを作っていくうちに、立体感覚がないということに気がついて(笑)。
──そこで平面に興味を?
岩淵●ええ。もともと本や雑誌が好きだったので、そういうデザインも面白いと思って、高校生の頃はエディトリアル・デザイナーになりたいと決めてました。で、進路先の美大を調べていたら、当時、東京造形大学にエディトリアル専攻があったんですね。そこに行けば学べるのではないか……と、素人考えでしたが受験して入学しました。
──当時は、どのような雑誌が好きでした?
岩淵●高校の頃だから、普通に『流行通信』とか、読むなら『宝島』とか。
──憧れのデザイナーは?
岩淵●そういうのは特になかったですね。この人のデザイン好きだなって思うようになって雑誌を読むようになったのは、大学に入ってからで、それも海外の人ばかり。あまり日本のものにピンとこなかった。そもそも80年代の制作物って、昔もいまもあまり好きではないんですよ。
『PAPER SKY』
2002年からアートディレクションを務める、岩淵さんの代表的雑誌仕事(ニーハイメディア・ジャパン)
日本の雑誌デザインへの不満
──大学の勉強は?
岩淵●まあ、自分で選択したものを自由に学べる大学でしたね。実技的なものより文化人類学をとってみたり、一般教養のほうが楽しかった。だから大学でエディトリアルをちゃんと学べたかというと、そうでもなくて。基本的なことはザックリと教わりましたが、実践に役立つことはあまりなかったように感じます。
──まだアナログ時代で。
岩淵●ええ。でも、パソコンはありましたね。自分では持ってなかったけれど友達が持っていたり、授業では使ってないけれど大学にはある。学園祭とかに登場するんです。デモンストレーションで何かを見られるように。だから、まだパソコンを使って何かを作るという段階ではなかった。
──アルバイトは?
岩淵●設計事務所で模型を作ってましたね。自分がなりたい職種のところでアルバイトする人も多かったけれど、私は就職前は他のことをしたほうが面白いかなと思って。
──卒業制作は?
岩淵●イラストでした。
──それは見てみたい(笑)。
岩淵●そうですか? ちょくちょく仕事でも描いてるから珍しくないですが……まあ、学生の作品って感じですよね。
──就職活動は?
岩淵●実はその頃、どこか日本の雑誌のデザインに不満があったんですね。でも、それは結局、デザイナーの問題ではなくて、出版社の態勢とか編集者側に問題があるような気がしていて……。学生ながらに(笑)。で、編集者になろうとも思って、出版社の入社試験も受けました。結局、受からなくて、エディトリアル系のデザイン会社に最初入ったのですが。
──そこが、藤本やすしさんの「キャップ」ですか?
岩淵●いえ、最初は工作舎系の堅い感じの事務所。1年半勤めて、そこで知り合った方が『マリクレール』の編集者だったんです。当時、キャップが『マリクレール』のデザインを担当していて、ちょうど『スタジオボイス』の仕事が始まった頃。面白そうだから紹介してくださいとお願いして、キャップに入ったんです。
岩淵●まあ、自分で選択したものを自由に学べる大学でしたね。実技的なものより文化人類学をとってみたり、一般教養のほうが楽しかった。だから大学でエディトリアルをちゃんと学べたかというと、そうでもなくて。基本的なことはザックリと教わりましたが、実践に役立つことはあまりなかったように感じます。
──まだアナログ時代で。
岩淵●ええ。でも、パソコンはありましたね。自分では持ってなかったけれど友達が持っていたり、授業では使ってないけれど大学にはある。学園祭とかに登場するんです。デモンストレーションで何かを見られるように。だから、まだパソコンを使って何かを作るという段階ではなかった。
──アルバイトは?
岩淵●設計事務所で模型を作ってましたね。自分がなりたい職種のところでアルバイトする人も多かったけれど、私は就職前は他のことをしたほうが面白いかなと思って。
──卒業制作は?
岩淵●イラストでした。
──それは見てみたい(笑)。
岩淵●そうですか? ちょくちょく仕事でも描いてるから珍しくないですが……まあ、学生の作品って感じですよね。
──就職活動は?
岩淵●実はその頃、どこか日本の雑誌のデザインに不満があったんですね。でも、それは結局、デザイナーの問題ではなくて、出版社の態勢とか編集者側に問題があるような気がしていて……。学生ながらに(笑)。で、編集者になろうとも思って、出版社の入社試験も受けました。結局、受からなくて、エディトリアル系のデザイン会社に最初入ったのですが。
──そこが、藤本やすしさんの「キャップ」ですか?
岩淵●いえ、最初は工作舎系の堅い感じの事務所。1年半勤めて、そこで知り合った方が『マリクレール』の編集者だったんです。当時、キャップが『マリクレール』のデザインを担当していて、ちょうど『スタジオボイス』の仕事が始まった頃。面白そうだから紹介してくださいとお願いして、キャップに入ったんです。
次週、第2話は「アナログとDTPの転換期」についてうかがいます。
(取材・文:増渕俊之 写真:FuGee)
(取材・文:増渕俊之 写真:FuGee)