第1回 Phase2 クライアント目線を意識したディレクション



Phase 2 クライアント目線を意識したディレクション

クライアントに喜ばれる
Webディレクター像

ひとつ目のポイントについて解説する前に、Web制作の大原則について確認したい。そもそもWeb制作は、「目的→企画→設計→制作」という基本フローで進行する【4】。この基本フローは単なる流れではなく、それぞれの要点が影響しあうことで成り立つ大切なフローだ。

クライアントが目的を持っていなければ企画は立案できないし、企画がなければサイト設計ができない。さらに、設計がなければ制作を進めることは不可能だ。正しいディレクションがされていない現場で起こりがちな問題として、企画も決まっていない段階で、いきなりWebサイトをつくり始めてしまう無理な進行が挙げられる。そうして、あとからクライアントに「効果が上がらない」、「ナビゲーションが良くないのでは……」などと言われてしまってはまったく意味がない。

「案件を管理する」というポイントは、大抵のWebディレクターならだれもが意識していることだろう。しかし、「正しいWebサイトにする」ことは、Webサイト自体のクオリティだけにとどまらない本質に迫る話だ。多くの人にとって、なかなか意識することが難しい問題ではないだろうか。この「正しいWebサイトにする」というポイントをきちんと押さえられるかどうかで、クライアントに喜ばれるWebディレクターになれるかが決まるのだ。


クライアントはWebサイトが
ほしいわけではない

そもそもクライアントはなぜWebサイトをつくるのか。それは、Webサイトをつくることで得られる効果を期待してのことだ。つまり、クライアントにとってのWebサイトとは、目的達成の手段のひとつであり、それ自体がゴールではないということになる【5】。これは、クライアント側のマーケティングに踏み込んで考えるべき必要があるということにつながる。古今、業界で不足しているといわれる“マーケティングセンスをもったWebディレクター”に必要なスキルがまさしくこの部分といえる。「AIDMA」や「AISAS」という言葉を頭で理解していたとしても、日常の現場に落とし込めなければ意味がない【6】。クライアントにとって必要とされるWebディレクターを目指すならなおさら、このポイントを意識して取り組んでもらいたい。


発注側ディレクションと
制作側ディレクションの狭間で

Webディレクターとして押さえておきたいふたつのポイントとは要するに、「案件を管理する」=制作側ディレクション、「正しいWebサイトにする」=発注側ディレクションという双方の立場に立ったものだといえる。Webディレクターとして仕事をしていると、立場上、意識が制作案件の管理、つまり制作側ディレクションに偏ってきてしまい、発注側(クライアント側)の視点がおろそかになることがある。しっかり進行管理しているはずなのにトラブルが起こってしまう場合は、このような偏りが原因といえる【7】。

たとえWebサイトができたとしても、結果的にクライアントに不満が残ってしまうWebディレクションなら、100点とはいえない。発注者と制作者の狭間で、日々の業務に追われて、意識が偏ってしまうことは起こりがちなことだ。しかし、この制作側と発注側のふたつの視点をしっかりと意識し続けていれば、Webディレクションのベースは安定する。


【4】Web制作の大原則である基本フローをしっかりと理解しておこう


【5】クライアントの目指すゴールは、上図のような仕組みをつくること


【6】AIDMAやAISASという言葉をいくら頭で理解していたとしても、現場で落とし込めなければ意味がない


【7】立場上、意識が制作側ディレクションに偏ってきてしまいがちだが、Webディレクションにおいては、ふたつのポイントをバランスよくおさえることが大切だ

[INDEX]
>>> Phase1 Webディレクターに必要なもの
>>> Phase2 クライアント目線を意識したディレクション
>>> Phase3 制作案件を管理するうえでのコツ
>>> Phase4 正しいWebサイトに導く方法



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