Phase 4 | 正しいWebサイトに導く方法 |
ここからはクライアントの依頼を受けてから、納品に至るまでのWeb制作の流れを、Webディレクターとしてどう押さえていくか、という点について確認していく。案件を管理することは大抵のWebディレクターならだれしも意識していることだろう。しかし、見落としがちな「正しいWebサイトにする」という点をどう意識するかで結果が変わることを理解してもらいたい。キーワードとして挙げておきたいのは、クライアントは決してWebサイトそのものを求めているのではなく、Webサイトがもたらす結果を求めているということだ。
良くない
Webディレクションのケース
たとえば「コーポレートサイトをつくりたい」という依頼を受けたとき、真っ先に「Webサイトをつくる」ことに着目してしまうのは、制作側に意識が偏った良くないディレクションの典型だといえる。ページ数やデザイン、予定やスケジュールだけを気にしてWebサイト制作を進行していくと、Webサイトをつくることそのものが目的となってしまい、「クライアントはなぜWebサイトをつくりたいのか」という部分をすくいあげることができなくなってしまう。結果として、効果の得られないWebサイトができ上がり、後々の修正やつくり直しに苦労することになってしまう【4】。良い
Webディレクションのケース
クライアントから依頼を受けたとき、真っ先に考えてほしいのは「クライアントはなぜWebサイトをつくりたいのか」という点だ。はじめに、Webサイトをつくる目的を明確にすることで、Webサイト制作の方向性がブレることがなくなり、クライアントの意図する結果につながる。そこから目的に向かって企画を練り、企画に基づいたWebサイト設計ができる。効果を上げるWebサイトをつくれば、クライアントも満足するだろう。これが良いWebディレクションの姿といえる。Webディレクターとして、はじめにWebサイト制作に着手する段階で、何を意識するかで結果が大きく変わってきてしまう。Webディレクション業務における「案件の進行管理」は役割の50%でしかない。形としてWebサイトを納品したとしても、それだけではクライアントの目的が達成されたとはいえないのだ【5】。
【4】はじめに「Webサイトをつくる」ことだけに集中してしまうと、結果が出ないWebサイトを生み、後々の修正やつくり直しに苦労することになる
【5】Webサイトをつくる目的を明確にすることで、Webサイト制作の方向性を定め、クライアントが満足する結果を上げるWebサイトをつくりたい
Column Webディレクターのアイデアを広げるワンポイントコラム | |||
【専門用語のワナ】 | |||
Webディレクターはそれほど専門用語を多用することをお勧めしない。専門用語には大きくふたつのワナがあるからだ。理由のひとつには「専門用語は意外と伝わりにくい」という点がある。Webディレクターが相手にするクライアントは、言うなればWeb制作の素人の立場。プロの立場であるWebディレクターが、素人を相手にコミュニケーションをしているときに、専門用語を必要以上に取り上げるのは親切とはいえない。ふたつ目の理由は「誤解を生みやすい」こと。こちらは致命的な問題で、Webディレクションの現場における誤解の元はトラブルの引き金にしかならないから、極力避けたい。良いWebディレクションのコツは、どんなときでもクライアント目線になり、わかりやすい言葉でいかなるケースも説明できることに尽きる。 |
[INDEX]
>>> Phase1 Webディレクターに必要なもの
>>> Phase2 クライアント目線を意識したディレクション
>>> Phase3 制作案件を管理するうえでのコツ
>>> Phase4 正しいWebサイトに導く方法