第8回 Phase1 Webサイトのクオリティを左右する企画 - 思考するWebディレクション | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-

第8回 Phase1 Webサイトのクオリティを左右する企画 - 思考するWebディレクション

2024.4.20 SAT

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Phase 1 スタッフへの作業の割り振りと作業指示書のつくり方

明確で伝わる指示とは
何かを考える

Webディレクターがスタッフに対して行う(与える)指示はつねに明確でなければならない。このことは、Webディレクターならだれでも基本として意識していることだろう。では、“指示”とは何だろうか。端的に言えば「進むべき方向を指し示すこと」である。ここで、複数人で同じ目的地に向かって歩いていくところを想像してもらいたい。人さし指で示せば目標物の位置はわかるが、どれくらいの距離があるのか、どの経路を進めば最適か、またどのような目的を持って向かうのか、といった具体的なことは、指示をした人間以外にはほぼわからないと言ってよい。そして、指示のとらえ方は個々人によって異なる場合が多い。Webディレクターが明確な指示をするために重要なことは、さまざまな切り口から物事を考え、相手にいちばん合った方法で方向を指し示すことだ。それができてはじめて、相手に伝達されるということを理解しよう。

作業指示書に
盛り込むべきこととは

Webディレクターがすべき指示の具体的な内容は、個々のタスクによって異なってくる。前回のおさらいになるが、まずワークフローを基に人員を配置し、タスクを洗い出して細分化したのちに作業パートの割り当てをする、というのがベストな手順だ。割り振ったタスクを効率よく管理するために必要なものは「作業指示書」である。Webサイト制作では、案件内容やスタッフの能力など毎回異なる要素を扱っているため、つねに同様の指示を記載した作業指示書では機能しない【1】。Webデザイナーに向けた作業指示書には、デザインの「方向性」や「テイスト」などの文言を盛り込むことが多い。しかし、こうした指示は相手と意思疎通ができている前提があってこそ有効に機能する。「デザイン」がWeb制作上のどの部分を指すのか、デザインしてもよい「範囲」はどこまでか、「テイスト」はどのようなニュアンスを持つのかというように、意味の内容や範囲を決めておく必要がある。作業指示書を作成する際には、使用する用語やキーワードのとらえ方で、相手と意思の疎通をスムーズにできるかどうか忘れずに確認しよう【2】。

指示に制限を課すことで
発想が膨らむこともある

クリエイティブな分野では、“制限を課す”という言葉はマイナスのイメージを与えるかもしれない。しかし指示を出す場合に、クリエイターに対して一定の制限をかけることは、時に大きな効果を発揮する。この場合の“制限”とは、ものをつくり出すために費やす時間や予算、使用する道具や環境などさまざまな条件を指す。クリエイターの発想を広げるためには制限を設けず、自由にやらせたほうがいいと考える人もいるだろう。しかしどのような人も、選択肢が増えるとどれを選べばよいか迷ってしまうものだ。自由すぎることがかえって判断力を鈍らせる要因となってしまうのだ。制限を設けることで取捨選択がしやすくなり、クリエイターの迷いや不安を事前に払拭することにつながる。

direction8-1-1

【1】作業指示書は目的別に柔軟に使い分けることで指示が生きてくる

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【2】作業指示書を作成する際には、使用する用語やキーワードのとらえ方で
意思の疎通をスムーズにできるかどうかを忘れずに確認しよう

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