Phase 1 | Web制作でのアイデア発想は 思考し続けることで生まれる |
アイデアを企画に
結びつけるために必要なもの
前回の連載で、アイデア発想が企画立案の要であることを説明した。しかし、生み出したアイデアがどれほど優れたものであっても、企画としてまとめなければ結果的には意味がない。また、Web制作における企画立案の方法には、だれにでも気軽に実践できるようなマニュアルや、気の利いた定番の手法といったものは存在しない。アイデアが独自に生み出されたものならば、アイデアそれぞれに応じた立案方法をとる必要がある。そこで今回は、筆者が企画立案の際によく用いる手法を中心に、アイデアを企画としてまとめる方法と企画書作成のプロセスについて解説していく。
アイデアに「関連性」と
「必要性」を付加する
まず、企画とはアイデアの段階では足りないものを付加しながら組み立てていく作業だと理解しておこう。不必要なものを足すのではなく、相手に提案するために必要な「関連性」とアイデアの「必要性」を付加しなければならない。アイデア発想では、いかにおもしろい案をひねり出すかが重要視されるが、企画はもっと客観的な視点で捉え、相手に提案していくことを念頭に置かなければならない。優れたアイデアを持っていても、その意味や意図を相手に伝え、それが"良い"と判断されなければ企画として成り立たないのである【1】。
企画立案と企画書の作成を
分けて考える意味
Webディレクションにおける「企画立案のプロセス」は、企画書の作成作業そのものと混同されがちだが、これらは分けて考えることが重要だ。この考え方は良い企画、良いプレゼンテーションを実現するための定石であり、書類作成のストレスが企画立案の妨げにならないようにするための予防策ともいえる。企画立案こそが目指すべき目的であり、企画書の作成はその手段であることを忘れないようにしよう【2】。
企画を立案するプロセスと企画書作成を分けて考える理由は、「企画」と「企画書」ではそれぞれ対象が異なるからである。Web制作の場合、企画を提案する対象とはマーケティング上のターゲット、つまりWebサイトのユーザーひいてはコンシューマー(消費者)を指している【3】。一方、企画書とは企画の採否を決定する権限を持つクライアントに向けて作成する書類である。企画をまとめるプロセスで、企画と企画書それぞれのターゲット設定を混同しないようにあらかじめ注意しておく必要がある。
企画を立案するプロセスと企画書作成を分けて考える理由は、「企画」と「企画書」ではそれぞれ対象が異なるからである。Web制作の場合、企画を提案する対象とはマーケティング上のターゲット、つまりWebサイトのユーザーひいてはコンシューマー(消費者)を指している【3】。一方、企画書とは企画の採否を決定する権限を持つクライアントに向けて作成する書類である。企画をまとめるプロセスで、企画と企画書それぞれのターゲット設定を混同しないようにあらかじめ注意しておく必要がある。
【1】アイデアに必要性と関連性を付加し、実現可能な企画へと発展させる
【2】提案する対象が異なる企画立案と企画書の作成は混同しない
【3】企画のターゲットと企画書のターゲット
[INDEX]
>>> Phase1 Web制作でのアイデア発想は思考し続けることで生まれる
>>> Phase2 使えそうだと思わせる企画説明と伝え方
>>> Phase3 さらに企画を磨き上げる立案シミュレーション
>>> Phase4 クライアントが納得する企画書に仕上げる4つのポイント
>>> Phase1 Web制作でのアイデア発想は思考し続けることで生まれる
>>> Phase2 使えそうだと思わせる企画説明と伝え方
>>> Phase3 さらに企画を磨き上げる立案シミュレーション
>>> Phase4 クライアントが納得する企画書に仕上げる4つのポイント