月曜。全員で掃除をする日。 | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-
【サイトリニューアル!】新サイトはこちらMdNについて

1年生デザイナーの1週間



1年生になったら~ 1年生になったら~♪ ということで、デザイナーという職業に憧れる読者のみなさんに先駆けて、一足早くデザイナーになった先輩デザイナーの1週間を追いかけるのが、このコーナーです。夢を現実にした新人デザイナーの仕事と生活ぶりは実際どのような感じなのでしょうか? 毎月第3週に、その曜日の出来事を毎日更新でお届けします!


今月の1年生デザイナー

桑原 翔さん(ワンパク)

kuwabarasan

〔プロフィール〕

くわばら・しょう●静岡県浜松市出身の25歳。デザイン科出身の両親を持つ桑原さんは、子どもの頃から画集を絵本がわりにするような環境で育ってきた。興味の範囲が広かったため、絵を描いたりギターやテニスに打ち込んだりした思春期。大学は英語が得意なことを活かして法政大学の国際文化系学部に入学する。大学2年生時には学部カリキュラムとして定められている海外留学プログラムで、半年間カリフォルニアへ留学を果たす。現地では語学の授業を減らして、デザインや色彩、ゴスペルなど、興味のおもむくまま、さまざまな授業を受ける。帰国後は、19世紀後半から20世紀初頭にかけての前衛芸術をテーマにしたゼミに参加しながら、自身の作品作りもスタートさせる。さらに、映画制作サークルにも所属し、8mmフィルムやDVによる自主映画の制作も行う。大学卒業後は岐阜県大垣市にあるIAMAS(情報科学芸術大学院大学)の修士課程に進むことに。在学中に「ガングプロジェクト」などに参加する。「ガングプロジェクト」とは、既に確立されているデザインプロセスと、実際の製品開発で使われている商品開発メソッドを組み合わせて新しい電子玩具をデザインするプロジェクト。桑原さんはそこで動物の足音で遊べる玩具「スタンポロン」などのプロトタイプ制作に関わってきた。ワンパクの代表である阿部さんと出会ったのも「スタンポロン」を出展していた「Make: Tokyo Meeting」の会場だった。大学院を終えてワンパクに入社したのは、2010年の春。「いろいろとやりたがりな自分にとって、デザインの仕事をしながらもインタラクティブメディアのスキルや知識などを活かせる仕事環境は願ってもない」と語る桑原さん。そんな、公私ともに充実した桑原さんの一週間をお送りします!


ワンパクとは?

さまざまなデジタルコンテンツの企画・制作から、企業のコミュニケーション戦略のコンサルティングまで手がけるデザイン会社。社名の由来は「ワンパッケージで人、アイディア、技術、モノなど様々な要素を最適なカタチで組み合わせて価値を提供すること」と「前向きに自らの判断で行動するメンバー=ワンパク」から。現在、東日本大震災にあたってTwitterの情報を地域別に見やすく検索できる携帯電話向けの「被災地支援プロジェクト http://negau.org/」と、そこから派生した「こども支援プロジェクト http://gift.negau.org/m/」なども展開している。

http://1pac.jp/



月曜。全員で掃除をする日。



8:40 起床→お風呂

起きてすぐに、シャワーを浴びます(熱め)。高校生くらいからの習慣ですが、これをしないと目がさめなくて。



9:20 出社

出社時間は10時が定刻なのですが、毎週月曜日は少し早めに出社して社員全員でオフィスの掃除をします。 オフィスが2階と3階のフロアに分かれているので、2チームに別れて、それぞれ掃除機や水拭き、ほうき、観葉植物の水やり、トイレ掃除などを分担してサクサクとこなします。週の初めから面倒なように思われますが、いい運動になって、自然と気分も良くなるもの。いい慣習だと思ってます。 オフィス全体の掃除が終わると、各自のデスク周りを綺麗にします。 自分のデスク周りは、油断するとすぐにちらかってしまいがち。 モニターを拭いたり、無造作にデスクに貼られている付箋を捨てたり、 積み上げられた書類をちゃんとソートするなどして、デスクをスッキリさせます。 その後、自分の場合は、散らかったデスクトップのフォルダなどの整頓もしています。 週の最初は、まず作業の環境を整えることから。


IMG_1106
▲掃除機を念入りにかけています


IMG_1133
▲大学院生時代から愛飲している「爽快ビタミン」の缶


mondaygum
▲横一列に並んだクロレッツの空き容器も


mondaydesk
▲自分の作業デスク


10:00 業務開始

今週は某住宅企業のリブランディングのお仕事からスタート。このプロジェクトの中で、自分はCIの再定義と、それに伴う新しいガイドラインの作成を担当しています。といっても、何から何まで刷新する訳でもなく、現行のCIやタグラインを調整しながら全体の整合性のとれたものにする作業です。この時間は、まずタグライン自体の見た目の調整を行いました。タイプフェイスや字間、さらには線や囲みなどのエレメント、モチーフを加えたり。上に置いたり下に置いたり、正統なものから、やや崩したものまで、考えられるいろいろなパターンをIllustrator上でたくさん作ってみます。



11:00 デザインの内部レビュー

リブランディングのプロジェクトメンバーであるふたり(プロジェクトマネージャー、クリエイティブ・ディレクター)に対して、先ほど出したタグラインの数多くのパターンを見てもらい、だいたいの方向性を定めていきます。結果、案としてお客様に提示する方向性を、大きく3つに絞ることができました。



13:00 昼食

会社のメンバーで、近所のカレー屋さんに食べに行きました。 ここのカレーは、みんなの大好物です。 昼食の後はだいたいコンビニに行ってガムを買って戻ります。ガムは必需品、クロレッツの緑が特に好きです。


IMG_0157
▲目玉焼きが載っているカレー


14:00 マークアップ作業

午後は某証券会社のサービスページのマークアップの作業をしました。 すでにアートディレクターの手によってデザインが決定していたので、 自分はそれをマークアップしながら再現する作業を行います。 組んでいる最中に違和感を覚えることがあると、ディレクターに一つひとつ相談します。 重要な機能を持つボタンの位置が右に行ったり下に行ったりしていることに気付く。こういったサービス系のページはグラフィカルに見せるというよりは、機能を簡潔に伝えることが大事なので、こういった推敲を大切にしました。



中学校の授業でHTMLを習ったときに、文字だけで書いたもの(ソース)が Webページの見た目を作ってるということを知って、大きく感動した覚えがあります。マークアップは今でも、アドレナリンが出るほど好きな作業。少し前、学生の頃などは「マークアップはテキストエディタに限る」などと思ってやっていたのですが、入社してDreamweaver(CS5)を 使うようになって、その効率の良さに(特に共同作業をするときの管理など)感動しました。今では手放せない存在です。



16:00 CIガイドライン作成作業

午前中に作業をしていた、リブランディングプロジェクト。CIガイドラインの作成を行っています。企業の視覚的な最重要要素であるCIのガイドラインとして、質も量も、充実したものにしたく、いろいろな企業のガイドラインを検索などでチェックし、勉強しました。とにかく、まずはたくさんの見本を見て、いい例や悪い例を見つけていきます。頭の中に、大まかな構図とページに入れていく既定要素が定まってきました。



18:00 CIガイドライン作成作業

ガイドラインのページレイアウトのラフをIllustrator上で作成していきます。 まず規格を考えるのですが、やはり紙に出力する面で考えて、A4であることを決定。 次に縦にするか横にするかで悩みました。どちらの方がより情報をスムーズに読ませることができるかなどを考えながら、要素を入れ込んでみたりして検討。 結局、PDFとしてディスプレイ上で閲覧する場合の利便性が決め手となり、A4ヨコ使いに決定する。 既に決定している要素も多かったので、できる部分をページに起こしていく作業をしました。 ガイドラインの定形ができてきました。



19:30 退社

作業のキリが良かったので、ここで退社。 プログラマーの先輩と、帰るタイミングが一緒になったので、 一緒に駅へ向かう。ポツポツと雨が降っていたので、フードをかぶってしのぎました。



20:00 帰宅

スーパーに寄って、夕飯の惣菜と缶ビールを入手。基本的に料理は好きなのですが、平日はなかなかつくる余裕がありません。



26:00 就寝



twitter facebook このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS
【サイトリニューアル!】新サイトはこちらMdNについて

この連載のすべての記事

アクセスランキング

8.30-9.5

MdN BOOKS|デザインの本

Pick upコンテンツ

現在