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1年生デザイナーの1週間



1年生になったら~ 1年生になったら~♪ ということで、デザイナーという職業に憧れる読者のみなさんに先駆けて、一足早くデザイナーになった先輩デザイナーの1週間を追いかけるのが、このコーナーです。夢を現実にした新人デザイナーの仕事と生活ぶりは実際どのような感じなのでしょうか? 毎月第3週に、その曜日の出来事を毎日更新でお届けします!


今月の1年生デザイナー

小山結未さん(グーグル)

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〔プロフィール〕

こやま・ゆみ●埼玉県出身の28歳。高校時代から「アメリカの大学へと進みたい」と漠然と思っていた小山さん。高校卒業後は、計画通り、カリフォルニアの大学へと進学。大学でさまざまなジャンルの授業を受けるうちにグラフィック・デザインに興味を持つようになる。さらに、大学在学中にはWebの制作会社などいくつかの会社でのインターンも経験し、徐々にWebデザインを仕事にしたいと思うようになる。大学卒業後はそのままアメリカで就職するか、日本に帰国するかについて、かなり迷ったが、長期的な視野にたって戻ることを決意。帰国後、Web制作会社へと就職を果たす。就職先は映画関係に特化したコンテンツを扱う制作会社だったため仕事の内容としても面白かったが、もっと幅広い内容のコンテンツ制作にたずさわってみたいという思いが徐々に出てきた。そんな時、たまたまGoogleで働く友人に「今、Googleで人材募集をしてるけど受けてみない?」と言われ、何の気なしに応募してみることに。入社したのは、Googleが六本木にオフィスを移してすぐの2010年8月のことだった。入社してまず驚いたのは、仕事の仕方が会議ひとつとっても全然違うこと。自由な社風でありながらも、自分から能動的に動かないといけない環境の中で、自分なりにつねに課題を見つけて仕事に取り組む日々を送っている。Webデザインもコーディングもすべて独学で習得してきた小山さん。今後の目標としては、ユーザーを第一に考えたさまざまなサービス、コンテンツにたずさわりたいと考えている。そんな小山さんの、週半ばからの韓国出張を交えた、充実した一週間をお送りします!


グーグルとは?

1998年9月設立。世界中に63カ所のオフィス、2 万人以上のスタッフを擁するアメリカのソフトウェア会社。提供するサービスは世界屈指のWeb検索機能をはじめ、Gmail、Google Earth、Google マップ、YouTube、Google ブックスなど、多くのユーザーに支持されている。

http://www.google.co.jp/



月曜。早朝からビデオ会議。



7:50 出社



8:00 会議

今日は8時からの会議があるため、めずらしく7時台に出社。私が所属しているチームはアジアとヨーロッパとアメリカの地域に分けられていますが、今日の会議はアメリカとアジアのチーム全員で行う大きなミーティング(ヨーロッパチームは時差のため、不参加)。アジアのチームの仲間は、主に同じプロダクトページでも地域ごとにカスタマイズをすることの重要性についてや、震災から立ち上がったプロダクトや災害ページについてのプレゼンを行いました。


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▲ビデオ会議の様子


ちなみに、先日の東日本大震災の際には、Googleでは安否情報の確認ができる「パーソン・ファインダー http://japan.person-finder.appspot.com」を、地震から2時間で立ち上げました。このサービスは、もともと2005年にアメリカでハリケーン カトリーナの災害が起こった際に、安否情報を一元化できるデータベースが整備されていなかったことがきっかけで考えられたもので、2010年のハイチ地震で初めて運用されました。安否情報を登録、検索すれば、特定の人物の情報を確認できるというシンプルでわかりやすいもので、これまでにニュージーランドの地震やパキスタンでの洪水など、世界各地で大規模な災害が起こるたびに、現地と連携して立ち上げています。こうしたサービスが素早く立ち上げられるのは、やはり世界各国に拠点を持つ会社だからできること。災害時は一刻も争うものだということを肌で実感しました。



9:00 会議

9時から、今度は「AdWords(アドワーズ) https://adwords.google.co.jp」についてのミーティングに入ります。ビデオ会議で韓国とカナダの仲間と話し合いました。Googleでは上司から特に「何かこれをやってくれ」と言われることは少なく、チームの仲間で必要だと思うことを話し合い、それを具体的に形にしていくことによって、みんなそれぞれの仕事を担当するようになっています。今回の会議は、クライアントから寄せられる要望を、より簡略化してシステム化するためのツールを作成しようということで、隣の席のPeterが提案したもの。どんなツールが望ましいのか、活発な意見交換が交わされました。



早起きして2つ会議を終えても、まだ10時! 朝を有効に使えた気がします。プレゼンを行ったチームメンバーはぐったりしていて、一日が長いとぼやいていました。



12:00
 ランチ

ランチは「駒込に住むGooglerの会」(Google社員をGooglerと私たちは呼んでます)に参加させていただきました。私は駒込在住ではないのですが、仲の良い友人が住んでいてしょっちゅう訪れているということで特別参加。ちょっとディープな駒込トークにはついていけなかったけれど、初めて会う違う部署の人たちとお話しすることができたので、とても新鮮でした。私が入社してからというものの、会社は目に見えて大きくなってきています。今回のランチでもひとりをのぞいて、全員、自分より後に入ってきた人ばかりでした。自分も入社してからまだ一年も経っていないけれど、時が過ぎるのはとても早いなとつくづく実感しました。


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▲活気に満ちたランチタイムのカフェテリア

ご存知の方も多いかもしれませんが、Googleでは一日三食、社員は無料で食事できるシステムになっています。しかもメニューが多くて美味しいので、ランチタイムのカフェテリアはいつも活気に満ちています。必然的にいろんな社内の方々とゴハンを食べることになるので、コミュニケーションも取りやすいというのもポイントです。また、今日のように朝早くから会議のときでも、おにぎりなどの朝食が用意されているので何かと安心です。


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▲いろんなおかずを選ぶことができます


15:00 会議

今日は会議が続きます。午後の会議は、週一回、アジアのチームメイト間で行われている定例のもの。各自が今、何の仕事をしているのかを報告する会議です。私は、昨日イギリスにいる担当者と行った各国のページコンテンツを置くディレクトリの内容について報告しました。時々誤解されることなのですが、私たちは「Googleサービスの日本でのローカライズを行っている」わけではありません。世界各国の拠点にいるメンバーたちと一緒に、さまざまなプロジェクトを行っています。ですから、私も日本向けのプロジェクトにたずさわることもあれば、英語圏のプロジェクトにたずさわることもあります。時差があるので、たとえば日本のスタッフが寝ている間に海外のスタッフが代わりに作業をし、朝起きたら全部完成してた――というような連携プレイも可能なのです。そのためにささいな内容と思えることでも、普段の仕事内容に関わることはチームメイトときちんと共有しておくことが、他の地域にいる仲間とスムーズに仕事をするのに欠かせないことだと感じます。



ここでちょっと、ブレイク。先月、社内で行われたおもしろいイベントについて、ちょっとご紹介します。Googleには120人くらい入れる大きな会議室があるのですが、そこでは通常の会議が行われるほか、外部の方をお招きして講演会などのさまざまなイベントが自主的に行われています。先月参加したのは、なんとあのPerfumeのPV 監督を歴任しているアートディレクターの関和亮さん、東京ドーム公演でCG演出を手がけたメディアアーティストの真鍋大度さん、そして、Perfumeのユニークな振り付けをデビュー以来ずっと手がけてきた振付師のMIKIKOさんの3人を招いての講演会でした。


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▲イベントを主催したPerfume部のみんな


他では聞くことのできないであろう東京ドーム公演の舞台裏の話や、そこまでたどりつくプロセスの話……とても貴重なものでした。こんな豪華なゲストの話を自分の会社にいながらにして聞くことができてしまうのも、Googleで働いていることの特権かもしれません。詳細は「Google Japan Blog http://googlejapan.blogspot.com」に記事としてアップされていますので、気になる方はぜひこちらをチェックしてみてください。



17:30 こたつのレイアウト変更

うちのチーム内にはこたつが2つあるのですが、今日は「少しレイアウトを変更しよう!」ということで模様替えを試みることに。結果的にはいまいちしっくりこなかったので、再度考えることになったのですが……そもそもなぜオフィスにこたつがあるのか、みなさん疑問に思われることでしょう。こたつの出現は「冬にこたつがあったらいいね~」という、チーム内での何気ない雑談から始まりました。それを横で聞いていたマネージャーが行動に移し、なんと自腹で購入。その行動力に驚かされます。その後、東日本大震災が発生した時に、エンジニアとウェブマスターがアイディアを出し合うベース(基地)としてこたつが大活躍を果たしたということで、社内外で評判に。さらにレベルアップした掘りごたつも追加されて、合計2つのこたつが揃ったというわけです。


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▲こたつで作業をするマネージャーのまさしさん

東日本大震災直後は泊り込みで作業するメンバーもいたため、こたつスペースがあって非常に作業が効率的に進んだなと思います。余震が続く中、次々と震災対応のサービスを立ち上げていたので、こたつの横には栄養ドリンク剤の山が出来上がっていました。



18:00 音楽ルームへ

音楽ルームにて、チームのみんなでなぜかドラム練習に入る。実はチームメイトのひとりは、かつてプロのドラマーを目指していたというかなりの腕前の持ち主。他にも、ピアノやギターを弾けたりするメンバーが揃っていて、結構みんな何でも器用にこなすのが凄いなと思います。オフィスに音楽ルームって不思議に思われるかもしれませんが、Googleは大学のキャンバスのように、自由に活動できるスペースがあるんです。音楽ルームは防音が施されているので、大きな声で歌ってももちろん大丈夫! みんなで楽器をいじって、しばし楽しいひとときを過ごしました。


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▲チームメイトのこうたろうさん

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▲チームメイトのPeterはピアノを弾いてくれました


19:30 退社



20:00 カメラ購入

会社帰りに電器屋さんに寄り道。ずっと前からカメラが欲しかったので、ついに新しいものを購入しました。LUMIXの「GF2」です。本当は「GF1のレンズが良い!」とチームメイトから聞いていたので「GF1」を買うつもりだったのですが、既に店頭では購入できないということで「GF2」を購入。ボディの色は白をチョイス。とても軽いので、今後は気軽に持ち歩いて良い写真を撮りたいなと思います。



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