第1話 「会社を選んでる場合じゃない」超就職難でのスタート | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-

第1話 「会社を選んでる場合じゃない」超就職難でのスタート

2024.4.25 THU

【サイトリニューアル!】新サイトはこちらMdNについて
成功を勝ち取れ!異業種からの挑戦

このコーナーではプログラマーからWebデザイナーへ、営業職からディレクター職へ、など、異業種・異業界からの転身を見事に成し遂げた人の成功談をうかがっていきます。最初に就いた仕事が自分に合わなかった……、夢を捨てきれない……、そんなあなたに力を与える先輩たちの実体験がここにあります!!

第4回 株式会社博報堂アイ・スタジオ 富岡香好氏の場合


株式会社博報堂アイ・スタジオの富岡香好氏は、もともとWeb業界とはほど遠い不動産業界でのOL経験を持つコーダーだ。新卒時から、いくつかの会社で営業や一般事務、Webディレクターなどを経験しながら、自分がやりたいことを常に模索し、自身の道を見つけていった行動派である。“思い立ったら即行動” ――その驚くばかりの行動力と、さわやかな笑顔が印象的な彼女の原動力を探ります。

富岡香好氏 [プロフィール]
とみおか・かよ●1975年、大阪生まれ・大阪育ち。4年制大学の英文科を卒業後、大手不動産賃貸会社に就職。営業や一般事務を経験後、システム会社を経てWeb制作会社に転職。Webディレクターとしてティーン向けのアパレルサイトを手がける。2006年、上京を機に、株式会社博報堂アイ・スタジオに派遣社員として入社。現在は正社員となり、クリエイティブグループ竹口ユニットに所属する。HTMLコーダーとして多忙な日々を送る。
http://www.i-studio.co.jp/


第1話 「会社を選んでる場合じゃない」超就職難でのスタート

――富岡さんが大学を卒業されてから、かれこれ10年ほど経っていらっしゃいますが、まず新卒時に入社した当時のことを教えていただけますか。
富岡●今回このお話をいただいて、自分の経歴を振り返ってみたんですが、「もう10年……?」と改めて感じました(笑)。実は、学生時代も社会人一年生の頃も、特に何かしたいことがあったわけじゃなく、やりたいことを模索しているような状態で。のほほんと過ごしてました。しかも、当時はかなりの超就職難の時期で、大学の就職課でも「会社を選んでる場合じゃないよ」とか言われて……(笑)。結局、最初に入社したのは某大手不動産賃貸会社。設計から建築、賃貸、管理までを一括して手がける会社で、なんとなくおもしろそうだなと思って決めた感じでした。当時はかなり求人が少ない時代だったのに、かなりの人数を採用する会社で、同期が200人という規模でしたね。全国に支社があったのですが、大阪生まれ・大阪育ちの私は大阪支社に配属してもらうことができました。

──それはかなりの規模ですよね。その会社では、まず何をされたのですか?
富岡●私は窓口で接客をするイメージで入社したのですが、最初に配属されたのは新しくできた法人営業部で、そこで営業を1年ほどやりました。

──いきなり営業だったんですか! それはかなり大変そうですね……。
富岡●そうですね。しかも、その部署は営業をやったことのない女性ばかりの営業部隊で、簡単にいうと保険会社のセールスレディみたいなイメージですね。右も左もわからない感じでした。朝から電話セールスをして、飛び込み営業で会社を回って、壁に営業成績のグラフを貼り出されて……みたいな。絵に書いたような営業部署です。毎月成績がリセットされて、月末には毎回追い込まれる……そんなサイクルを1年ほど続けたのですが、精神的に疲れてしまって。その後は2年ほど営業事務をやりました。

──営業と営業事務とでは、やはり負荷が違ったのでしょうか。
富岡●そうですね。事務職に異動になってからは時間に余裕も出て来たので、ExcelやWordを覚えるために、Microsoft Officeの講座に行ったりもしました。……思えば、パソコンをちゃんと使えるようになったのはその会社に入ってからなんです。当時はWindows 98でした。最初は営業成績の表を「パソコンで作ってくれ」と言われても「どうやって作るの?」という感じでしたけど、だんだん習って行くうちにパソコンがおもしろくなってきて(笑)。その後、当時人気だったiMacを自宅に買ったんです。

──なるほど。iMacがきっかけで制作に目覚める人は多いんですよね。
富岡●今から思えば本当にお遊び程度なんですけど、友達同士でお揃いのTシャツをデザインしたりして……「作る」ことがすごく楽しくて。それでPhotoshopとIllustratorのスクールにも行きました。当時はWebというよりはグラフィック寄りの趣味の講座で、「イラストを描いてみよう」とか「写真の補正をしてみよう」といった内容の授業が中心だったんですけれど、やっているうちに、もうちょっと踏み込んでやれたらいいなと思うようになっていました。

──その後、2回目の転職を果たすわけですが……?
富岡●はい。液晶やプラズマなどを媒体として静止画の広告を流すシステムを開発している会社に、転職することになりました。事務で採用されたのですが、小さな会社だったので、少し制作に近いこともやるような状況に……。広告のサンプルとして、簡単な静止画をデザインしたり、簡単なアニメーションを作ったりということを事務のかたわらやってました(笑)。ですが、片手間にやっていたとはいえ、自分にとってはWeb業界への転職を考える大きなきっかけになったと思います。

(取材・文:草野恵子  撮影:谷本夏)

株式会社博報堂アイ・スタジオ
http://www.i-studio.co.jp/
株式会社博報堂アイ・スタジオは、博報堂100%出資のクリエイティブ企業である。インタラクティブなメディアのクリエイティブ、プロモーション、マーケティングなどのすべてをトータルで提供・サポートする体制が確立されており、より高いクオリティが求められるさまざまな業種の案件を手がけている。国内外の広告賞、デザイン賞も数多く受賞している。



次週は「第2話 趣味から仕事へ……Web制作会社への転職」についてお届けします。

twitter facebook このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS
【サイトリニューアル!】新サイトはこちらMdNについて

この連載のすべての記事

アクセスランキング

8.30-9.5

MdN BOOKS|デザインの本

Pick upコンテンツ

現在