デザイン・クリエイティブ目線で語るソーシャルアプリ制作の裏側 第6回「Mobageチャット」(2/2)

デザイン・クリエイティブ目線で語る

ソーシャルアプリ制作の裏側

第6回 株式会社ディー・エヌ・エー「Mobageチャット」(2/2)


 Interview 2/2 

スキルを高める環境で
スピード感のある開発が行える


「フロント側のエンジニアをひとりで行うのは大変でしたが、責任のあるある開発を任され、能力を発揮できることに喜びを感じています」(胡氏)
「フロント側のエンジニアをひとりで行うのは大変でしたが、責任のあるある開発を任され、能力を発揮できることに喜びを感じています」(胡氏)
「Mobageチャットの企画が立ち上がった2012年8月以前は、どのような制作を行っていたかを小田氏と胡氏のふたりにたずねると、意外な答えが返ってきた。ふたりとも2012年8月にDeNAに入社し、胡氏にいたっては入社当日から開発に着手したというのだ。

ベンチャー企業でネイティブアプリのデザイナーをやっていた小田氏は、DeNAに入社した理由を次のように話す。「前職では、比較的時間に余裕があり、もっと忙しく働いていろいろな人とコミュニケーションをとり、技術を身につけなければ、という思いがありました。また、デザイナーが自分ひとりであったため、ほかの人がどのように仕事しているかを知りたいと考え、自分よりも上の人がいる環境で仕事したいと考えていましたね」

一方、SNSでプラットフォームづくりを行ってきた胡氏も、もっとスピード感をもってプログラミングを行いたいと考え、自分を高める環境に身を置きたいという思いが強かったようだ。入社してすぐにフロント側のエンジニアをひとりで任されたのは大変では、と胡氏に話を向けると、「願ってもいないことだと思って、うれしくなりました」と笑顔を見せ、「まだ入社して数カ月しか経っていませんが、Mobageチャットでもすぐに責任のある開発を任され、エンジニアの能力を発揮できる環境が整っていると感じましたね」と説明する。さらに胡氏は「エンジニア力に自信がある人は、非常に働きやすいですね」と話を続け、「専門的な知識はもちろん、幅広い知識に興味がある人に適していると思います。新たに習得したい技術があれば、勉強会もすぐに立ち上がり、情報交換することで知識も豊富になっていきます」とみずからの経験を明かしてくれた。

社内ではワークショップなどが開かれ、エンジニアやデザイナーの情報交換の場となっている。また、社外のパートナー会社の技術者に向けた勉強会も活発に行われている。
社内ではワークショップなどが開かれ、エンジニアやデザイナーの情報交換の場となっている。また、社外のパートナー会社の技術者に向けた勉強会も活発に行われている。
小田氏も「以前から、比較的幅広いジャンルでのクリエイティブ制作に携わっていましたが、タッチデバイスのプロダクトのUX/UIのスペシャリストになりたいと思っていました。しかし、前職ではデザイナーがひとりなので、さまざまな範囲をカバーしなければなりませんでした。DeNAなら、自分の開発に集中できる環境で仕事ができます」と話す。DeNA側も入社前にスキルを見極め、適材適所で能力が発揮できる場所を提供しているということなのだろう。「部署内のデザイナーでワークショップ的な座談会を隔週で開いて、ナレッジのシェアや情報交換を行っています」と小田氏が話すように、みずから積極的にスキルアップすることが社員同士で身についていることも感じられた。社外向けの勉強会も行われ、社外のパートナー会社の技術者に向けた勉強会も活発に行われている。


Mobageチャットの
ネイティブアプリ化も計画


Mobageチャット
Mobageチャット(クリックで拡大)
今回のMobageチャットでの制作を振り返って小田氏は、「決定権がかなり現場に任されていることで、スピード感のある開発ができた」と話す。「以前はすべてひとり自分の責任で制作してきましたが、DeNAでもある程度の裁量は発揮でき、上に相談する必要がある場合でも理由と方針を話せばすぐに了承されて、すぐに制作にとりかかることができます。この規模の会社でも同じようなスピード感で作業を進められるのはすごいことだと感じましたね」と説明する小田氏。

最後にUXデザイン部である小田氏に、UIとUXの違いをたずねると「まったく違うものだと思います」と答え、「簡単に言えば、喫茶店でお客さんが気持ちよく過ごしてもらうことがUXで、そのための装飾がUIだと思います」と説明してくれた。では、こういったUXの概念をUXデザイン部ではどのように習得していっているのだろうか。「UXデザイン部の部長がよくUXデザインについての講演を行っていますが、そのスライドを見るだけでもかなり勉強になります。また、資料もアーカイブされているので、それらに目を通せば、かなりの部分が見えてくるでしょう。困っていることがあったら、聞きに来てくれれば教えることができますし」(小田氏)

「以前から、タッチデバイスのプロダクトのUX/UIのスペシャリストになることを望んでいましたが、DeNAではそのための開発に集中できる環境が整っていますね」(小田氏)
「以前から、タッチデバイスのプロダクトのUX/UIのスペシャリストになることを望んでいましたが、DeNAではそのための開発に集中できる環境が整っていますね」(小田氏)



Mobageチャットの今後については、イベントチャットの企画を進めていくほか、ゲームチャットの数を増やしていく予定だ。現在用意されている2つのゲームチャットは内製のゲームであるため、今後はパートナー制作のゲーム用のチャットを増やし、パートナー側からもすでに要望が増えているという。

また、Mobageチャットをネイティブアプリにすることも計画されている。「Webアプリではプッシュ通知が行えません。ブラウザでゲームを楽しみながらネイティブアプリのMobageチャットからの通知をチェックして、ネイティブアプリとゲームを行き来しながらコミュニケーションを広げることを考えています」と話す小田氏。DeNAは、「Mobage」というプラットフォームの中でコミュニケーションを広げていくことでソーシャル性を高め、ゲームの楽しみを深めていく仕掛けを今後も行っていく。

(取材・文・撮影:野本幹彦)


株式会社ディー・エヌ・エー

1999年11月29日にリリースしたインターネットオークションを皮切りにインターネットサービスを次々と提供し、2006年2月に「モバゲータウン」(現在の「Mobage」)を開始。Mobageは、日本最大級のモバイル総合ポータルサイトとして、多数のソーシャルサービスを提供し、自社製およびパートナー製のソーシャルゲームを配信している。
URL http://dena.jp/



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