定規を理解して、パターンを思い通りにコントロール - Illustrator ABC | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-

定規を理解して、パターンを思い通りにコントロール - Illustrator ABC

2024.4.20 SAT

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ILLUSTRATOR ABC
Technical
Sample
05 定規を理解して、パターンを
思い通りにコントロール


CS5からIllustratorの定規の仕様が大幅に変わりました。これまでと同じ操作をしているのに、なんだかうまくいかない、といった現象は、この仕様変更が大きく影響している可能性もあります。ここでは、パターンの柄に与える影響について取り扱っています。

※記事内に、『Illustrator ABC』の関連ページが記載されています。そちらもご覧いただくと、機能やメニューについての理解が深まります。
【例】
レイヤーについては
ABCP78




  • Q1 定規の原点を移動しても、パターンの柄が変わらない……
  • A1 CS5から定規の仕様が変わったので、CS4までと同じ操作では変更できません(ひと手間増えます)。

ノベルティの「イラレ手帖」18-19ページのデザインです。左右ページに作成した長方形の[塗り]に、それぞれ異なる方眼紙のパターンが設定されています。定規の原点(赤い十字)がトンボの中央にある状態なので、左右のページのパターンのタイリングの開始地点が、ノドの中心と一致しています。

パターンのタイリングルールについては
ABCP142


ふつうは定規の原点を変更すると、パターンの柄の位置が移動するはずです。緑色の十字がもとの原点なので、上下2枚のキャプチャを比較してみると、動いたのがわかります。

パターンの柄をコントロールする方法はほかにもあるので、『Illustrator ABC』を読んでみてください。

定規の原点については
ABCP35

パターンの柄のコントロールについては
ABCP142


CS5以降では、定規が3種類に増えた関係で、CS4以前と同じ操作をしても、パターンの位置が変わりません(正確には、CS4から2種類に増えているんですが、操作にはあまり影響しないので、注意すべきはCS5以降です)。パターンのタイリングが定規の原点でコントロールできるというのは変わらないのですが、これができるのは特定の定規に限られるうえ、デフォルトではオフになっているため、そちらに切り替えない限り、いつまでも変更できないという状態になっています。バグじゃないのはよかったんですが、正直ちょっと使いづらいですね……。せめて見た目で判別つくようになってるとありがたいんですが。

定規の使い分けがきっちりできてないと、アートボードの縦横いれかえただけでなんか原点変わるんだけど、みたいな現象にも毎回振り回されることになるので、定規すっごい大事です。

定規の仕様変更については
ABCP34



  • Q2 定規の原点に振り回されるのが嫌なのでパターンの柄の位置を固定したいのだけど!
  • A2 単純なパスに変換してしまうのが、一番確実です。印刷所によっては、入稿時のお願いに入っていることもあります。

パターンはパスに変換(拡張)できるので、心配な場合はその処理をやってしまうのが一番です(ただし、あまりにも複雑なパターンで拡張によって落ちるくらい複雑なパスになってしまう場合は、ラスタライズのほうが吉)。クリッピングマスクも気になるっていう場合は、パターンの構成状態によってはさらなる単純化もできますが、そういった処理はケースバイケースなので、『Photoshop+Illustrator デザインジャーナル』が詳しいです。

パターンの拡張については
ABCP143




Photoshop+Illustrator DESIGN JOURNAL
エンターブレイン
B5版/208P/CD-ROM付き
ISBN978-4-04-728542-2/定価(本体2,500+税)





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【Illustrator ABCについて】
アピアランス、[塗り]と[線]、整列と分布、パスファインダー機能、複合パス、etc, 基本的な機能だけれど、どのような場合にどんな結果になるのか、どうやって使い分けるのか、Illustratorの複雑な機能の本当の意味合いを理解して使いこなすのはかなり難しいといえます。しかし、とりあえずその場をしのぐことができても、Illustratorの本当の能力を使い切ることができないと、無駄な作業が多く非効率だったり、ビジュアルづくりの可能性を狭めてしまうことにもなるでしょう。
Illustratorは基本的な機能こそがソフトウエアの中核であり、もっとも難易度が高い部分であるともいえます。そのため初級者から上級者まで、それぞれのユーザーが頭を悩ませるポイントも同じです。本書ではそうした基本的な機能をひとつひとつ丁寧に解説し、“なんとなくできていた”“よくわからずに使っていた”“いつも同じことで困っている”といったすべてのIllustratorユーザーが、しっかりと理解してマスターできるよう、わかりやすい事例を挙げながらまとめています。基本的な内容だからこそすべてのレベルのユーザーに必要な、Illustrator解説書の決定版です!!

【本記事について】
本記事は、「Illustrator ABC」著者である井上のきあさんが公開しているWebコンテンツの転載記事になります。
Illustrator ABC http://www.slowgun.org/abc/

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