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人体構造/顔と表情/世界設定/デフォルメ/メカ演出
人物イラストレーションを思いのままに描く

イラストレーションを描くうえで、多くの人の力が入るのが「人物表現」なのはまちがいあり ません。ここでは、人物の描き方をさまざまな角度から紹介していきます。人体構造の理解といった基本的な事項から、人物キャラクターを引き立てるための世界観の演出手法、そして肝心の顔や表情の描き方など気になるトピックばかり。さらに、そういった事例に沿った魅力あふれるイラストレーション作品のメイキングもすべてお見せします。

THEME 3
デフォルメしたかわいい人物キャラクターを描く

デフォルメキャラクターは見た目のシンプルさとはうらはらに描き方にさまざまなポイントがある。
ここではそれらを紹介する。
談・イラスト :稲葉貴洋  url. www.t-178.com/  取材・文 :足立綾子


icon1 デフォルメを始める前に押さえたいポイント
 ここではデフォルメしたキャラクターを描く前に押さえておきたい知識を紹介する。まずひとつ目は、キャラクターの役割によって、適正な頭身があることだ。たとえば、主人公は2頭身、主人公の相棒のような存在は、1.5頭身、主人公より年上の存在(親など)は3頭身というように主人公を取り巻く関係性によって、適正なバランスがある。
 ふたつ目は、イラストのタッチの違いで、キャラクターの雰囲気が変化することだ。キャラクターの仕上がりイメージを明確にとらえてから実際に描いてみよう。


キャラクターの頭身の違いを押さえる
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2頭身は、主人公や子どものキャラクターを描く際に採用されるもっともオーソドックスなサイズだ。主人公以外のキャラクターも描きたい場合は、それらのサイズを1.5頭身や3頭身にすることで、結果的に中間のサイズである2頭身がいちばん目立つ。そのため、多くのキャラクターを描いても主人公が埋没することがない
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アウトラインが太いイラスト 手描きアウトラインのイラスト
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外側のアウトラインはしっかり太く描き、それ以外の内側のラインは、やや細めに描く。このタッチは、おもちゃやステッカーなどポップな雰囲気にしたい場合に有効だ アウトラインを手描きしたイラスト。線の太さが均一でなく、動きが出るため、コミカルなポーズをさせたい場合などにもおすすめだ。手描きによる、偶然のアンバランスさを生かしてみよう


線を使用しないイラスト アウトラインの色の違いによる印象の変化
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アウトラインのないイラスト。塗りのみで構成している。この手法にすると、親しみやすく、かわいい印象のイラストになる。目や口を茶色にし、色をパステル調にすることで、全体の雰囲気を整えている アウトラインの色の違いで、印象も変化する。左のイラストに比べ、右のグレーのアウトラインで描いたイラストは、全体的に優しい印象を受ける。背景色とのバランスを見ながらアウトラインの色も変えてみるとよい



icon1 キャラクターの個性に合わせて顔を描き分ける
 デフォルメされたキャラクターを描く際に、もっとも重要となるのが顔の表情だ。特に目の描き方によって印象が異なることは押さえておきたい。キャラクターをデフォルメする場合、塗りつぶした丸のみで目を表現することが多いが、白目を入れるかどうか、また、白目と黒目のバランスなどで特徴が出る。
 顔全体も線や丸などでいたってシンプルに構成されるが、眉毛や口などの要素をひとつ変えただけで表情は変化する。ここでは、キャラクターの個性に合わせた表情の描き分け方のポイントを押さえておこう。


白目と黒目のバランスと印象の違い
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左のイラストの目はもっとも簡単なデフォルメの手法だ。しかし、上下左右に向いた時の表情が描きにくく、表現の幅が狭くなる。一方、中央のイラストのように白目に対して黒目が小さいと悪人風の印象に。右のイラストは白目に対して黒目が大きく、かわいらしい印象だ。中高生以上の年齢層のキャラクターを描きたい場合には白目を付けると大人びた印象になる


顔のパーツの変化で表情のバリエーションを増やす
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左のイラストではそれぞれ、顔の造形要素はほとんど同じだが、部分的に描き方を変えるだけで異なった表情のキャラクターになることがわかるだろう。眉の角度、口の開き方を調整することで異なる感情表現が可能になる


>>>この続きは本誌をご参照ください








本記事は『MdN』2013年6月号(vol.230)からの転載です。
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