小川浩の挑戦 ―スタートアップとして「Revolver」を成功に導く秘策(後編) | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-

小川浩の挑戦 ―スタートアップとして「Revolver」を成功に導く秘策(後編)

2024.4.16 TUE

【サイトリニューアル!】新サイトはこちらMdNについて
 スポットインタビュー 
小川浩の挑戦
―スタートアップとして「Revolver」を成功に導く秘策(後編)


2013年11月に正式版として公開されたソーシャルネットワークプラットフォーム「Revolver」。写真をベースとしたコミュニケーションを可能にするSNSエンジンであり、正式版公開以前よりメジャーなタレントのSNSを展開するなど、話題を呼んでいたサービスだ。今回はRevolverを提供するベンチャー企業、リボルバーを率いる小川浩さんに、Revolverを含めたネットベンチャー企業の展望についてお話を伺った。

>>> 前編:「Revolverはなぜ生まれたのか」

Revolverとは

Revolverは、HTMLなどの知識がなくてもコミュニティサイトを構築できるSNSプラットフォームだ。写真やYouTube動画などを含めたインターネット上の情報リンクを簡単に投稿・シェアできるほか、Webサイト作成機能やブログ機能も搭載予定。また、メンバー同士でのダイレクトメッセージやオリジナルスタンプなどのコミュニケーション、FacebookやTwitterへの自動投稿なども可能。管理画面でのインサイト情報なども充実しており、マーケティングツールとしても活用可能。一般ユーザー向けで無料の「BASIC」、中小企業・プロシューマー向けの「PRO」(年額1万円/税別)、大企業向けの「ENTERPRISE」(年額10万円~/税別)がある。
オフィシャルサイト:https://revolver.jp/



 Interview 

スタートアップとして急成長をはたすRevolver


2012年9月3日に公開された「peeproom」
2012年9月3日に公開された「peeproom」(http://kodakumi.jp/
――Revolverを開始するにあたって、まずはどこにポイントをおいたのでしょうか?

小川●いわゆるスタートアップとしての急成長を狙っていましたから、セレブハック(有名人にサービスを使ってもらうことで認知度を高める手法)は必須だと考えていました。新しいサービスとして認知を広めるためには、著名人が利用しているという話題性がなによりも強い。もちろん、サービス自体が興味深いものでなければならないのは当然ですが、それだけでは急速に広がることはありません。FacebookやTwitter、Tumblr、さらにはアメブロにしても、大統領選挙で使われたとか、著名タレントの多くが利用しているという話題性が認知度を高めるために大きく貢献しています。とはいえ、セレブに知り合いがいたわけでもないんですよ。そこでエイベックスさんに飛び込み営業を行い、「こうした新しいコミュニティサービスを開発している」と説明したところ、関心をもってくれました。倖田來未さんが産休による長期休暇から復帰するタイミングとも重なって、ファン専用SNSの第一号として倖田來未さんの「peeproom」を開設できたのです。

小川浩さん
小川浩さん
――セレブハックがスタートアップとしての急速な成長の鍵であると?

小川●もちろん、それだけじゃないですよ。オウンドメディアとして機能性そのものが重要です。先ほども言いましたが、Facebookなども含めた各タッチポイントからの集約先としてのオウンドメディアは、それ自体がソーシャル化されていて、運営者とユーザーがコミュニケーションできる必要があります。そういったコンセプトを具現化しているのもRevolverの特徴であり、それが成長の鍵でもあります。実際、私たちはIPO(株式公開)を目指しているわけで、ユーザーに向けてのサービス訴求と同時に投資家の投資意欲を喚起するシナリオも必要です。それが中長期的なビジネス戦略であるわけですが、単にテクノロジーとしてのアイデアのままでは投資を促せません。なにより、具現化していることが重要。その意味でセレブハックは、投資家向けのKPI(Key Performance Indicator)のひとつでもあるわけです。

――海外、特に米国と違って、日本ではベンチャー向けの投資が弱いと聞きますが。

小川●最近ではそうでもないと思います。特にアーリーステージに投資するシードアクセラレーターは増えています。特に学生などの若い起業家は、以前とは比較にならないくらい資金を得やすくなっています。ただ30代以降での起業は、国内の状況はまだまだ厳しいといえるかもしれません。

――リボルバーに対してもVC(ベンチャーキャピタル)などからの投資がありますが、敷居は高いと?

2012年9月3日に公開された「peeproom」
社名にもなったリボルバーがオフィス内に飾られていた
小川●リボルバーは創業当時と変わらず4人でやっていますが、平均年齢は高い。また今までにないような新しいテクノロジーを利用しているわけでもありません。そういう意味では若いスタートアップではありませんが、アイデアをきちんと具現化していること。そして、ビジネスとしてのシナリオを備えていること。しかも短期間で成功するための具体的施策を取っていることなどを評価していただいているのだと思います。同時に、過去の起業経験や企業運営経験なども加味されているかもしれませんね。30代以降は、すでにビジネス業界ではベテランの部類です。ベテランなりの戦略の立てかたがあり、それを訴求すれば投資を促すことも不可能ではありません。それと、スタートアップですから…当然無理をしなきゃいけないんですよ。必死に仕事して、いろいろな人に会って、自分の考えを理解してくれる人との出会いを探すこともすごく重要ですね。



(取材・文・撮影:久保靖資)


>>> 前編:「スタートアップとして急成長をはたすRevolver」

twitter facebook このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS
【サイトリニューアル!】新サイトはこちらMdNについて

この連載のすべての記事

アクセスランキング

8.30-9.5

MdN BOOKS|デザインの本

Pick upコンテンツ

現在