少それはデザイン界を揺るがすのか?
少女漫画のデザインに革命が起きていた。
タイポグラフィ
作品の世界観に合わせた作字と手書きロゴ
川谷さんの手書き文字が作品の世界観に合致した 『アオハライド』ロゴ |
「アオハライド 9/咲坂伊緒」 2014/集英社 |
『アオハライド』は、お互いに淡い想いを抱きつつも離ればなれになってしまった2人が高校1年で再会し、再び惹かれていく……というストレートな少女漫画。タイトルロゴは、雑誌連載時、扉を手掛ける時に作ることになった。作家さんからのリクエストは「疾走感のあるもの、だけど少女漫画の感じで」というものだった。 この6文字のカタカナ、川谷さんの中では「アオハライド」ではなく「アオハ」「ライド」で、その字面が美しいと思い、甘酸っぱい感じと危うさ、透明感を意識して作ったという。既存の書体ではなく、書かなければダメだろうと思い書くことに。 手書きのため、軸やベースラインが不安定なところがあるので、「アオハライド」の意味の説明をするのと同時に骨を1本通すという意味で、ロゴの下に英字のリーディングを入れた。ロゴを含め、川谷さんの中で「アオハライド」のイメージはTodd Rundgrenの曲、「I Saw The Light」(『Something/Anything?』1972年)。「君の瞳の中に光を見た」、まさに少女漫画だ。 |
手書きながらもロゴらしさを大切にするため案を重ねる |
上から、最初に提出したもの、少し太くしてほしいという指示に対応したもの、「ア」を読みやすくという指示に対応したもの(完成)。ロゴのアタマの部分を大きくするとバランスも良くなるし読みやすくなるということもあり「ア」と「ラ」にはこだわった。「小さく使うと細いけれど、見開きで使った時の大きさ感が抜群で、力強くて下品じゃなくてカッコイイ。でも少女漫画なんです……という感じが気に入っている」という | |
フォントを使った別案もあった |
最終的に川谷さんの手書きロゴが採用となったが、案出しの段階では、既存のフォントを使った2案も提出していた |
本記事は『MdN』2014年3月号(vol.239)からの転載です。
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