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知ってるつもりで意外と知らないSEO最新のキホン

第1回 「SEOってなんのこと?どうすればいいの?」にお答えします

2014年9月16日
TEXT:植木理一(ヴォラーレ株式会社)


はじめまして、ヴォラーレ株式会社の植木です。SEOを強みとしたWebマーケティングのコンサルティング会社に勤めていて、ふだんからさまざまなWebサイトの反復的な改善に取り組んでいます。このたび、みなさまにSEOの基本的な考え方についてお伝えする機会をいただきました。なるべくわかりやすいようにお伝えしますので、よろしくお願いします。

Webサイトは、ユーザーに届けたい情報があるからこそ立ち上げるもの。なので、いかにしてユーザーを増やすかという集客上の課題は、とても重要なものです。その解決策のひとつとして「SEOで集客力をあげよう」と考える人は多いのではないでしょうか。

しかし、ちょっとまってください。たとえば、一時期流行した外部リンク購入で被リンク数を増やし、検索順位を上昇させるSEO手法は、すでにGoogleからの順位下落措置(いわゆるペナルティ)を受けるリスクの高いものとなっています。つまり、現時点でのSEOに関する最新の状況について、理解を深めておくことが重要となるのです。




まず最初に

まず最初に、本記事全体の流れを整理しておきます。

1. SEOは、ユーザーの訪問機会をWebサイト全体で最大化していく取り組み
2. よくある誤解:「SEOって、一部の文言修正と外部リンクの購入ですよね?」
3. 具体例:コスメのECサイトで考えてみましょう
4. 想定される検索キーワードを事前に把握しておくことが重要
5. ユーザーの検索ニーズを想定したWebサイト設計とは


1. SEOは、ユーザーの訪問機会をWebサイト全体で最大化していく取り組み

最初にはっきりさせておきましょう。SEOとは「ユーザーの抱く検索ニーズに応えて、訪問機会をサイト全体で最大化していく取り組み」です。言葉をかえると、ユーザーが「なにかこういうものがほしい・見たい・知りたい」と思って検索をした際、自身のWebサイト上に存在するニーズを満たすコンテンツに、最大限訪れてもらうための試みがSEOとなるのです。




2. よくある誤解:「SEOって、一部の文言修正と外部リンクの購入ですよね?」

ときどきWebデザイナーの方に「SEOって、titleタグとかHTMLまわりを調整したら、あとは外部リンクを集めることなのでは?」というお話をいただきます。認識自体まちがってはいませんが、SEOの理解として不十分といえるでしょう。現在は、特定のページやキーワードのみでの上位表示を期待するのではなく、Webサイト全体でSEOの取り組みを行うことが重視されています。

また、知り合いのWebディレクターの方は、Webサイトの制作フローを説明する際に「SEO対策は、Webサイトの制作が完了してからでも大丈夫。ディレクトリ登録型のWebサイトにお金を払って登録ればいいんですよね?」と話していました。この手法が通用した時期もありましたが、それはすでに過去のこと。現在はおすすめできません。なんの効果もないどころか、検索エンジンにペナルティを受ける原因にもなるからです。
※外部リンクを獲得すること自体は、現在のSEOでも十分に有効なものです

また後述しますが、現在のSEOの基本的な考え方として、Webサイトに訪れるユーザーの検索ニーズを事前に把握しておく必要があります。そのため、Webサイトを制作する初期段階――ユーザーシナリオを用意する段階からSEOははじまるのです。




3. 具体例:コスメのECサイトで考えてみましょう

基本となるSEOの考え方について、具体的な例をあげてみましょう。たとえば、コスメ全般を取り扱うECサイトをあなたが運営しているとします。「SEOを考慮すると、『コスメ 通販』や『化粧品 通販』というキーワードが重要」と考え、トップページのtitle要素に「コスメ」「化粧品」「通販」などのキーワードを設定したとしましょう(もちろん、これはこれで有効です)。

一方、あるユーザーが「乾燥肌で悩んでいるから、乾燥肌にやさしい化粧水がほしい」と思ったとします。当然このユーザーもターゲットですから、入力しそうな検索キーワードを想定してWebサイト内に用意していく必要があります。では、このユーザーはどのような検索キーワードを入力するでしょうか?




4. 想定される検索キーワードを事前に把握しておくことが重要

まず「乾燥肌」で「化粧水」がほしいのですから、必ずしも「化粧品 通販」というキーワードで検索するわけではなさそうです。となると、「乾燥肌 化粧水 おすすめ」というピンポイントのキーワードや、せいぜい「化粧水 通販」というキーワードで検索すると予想できます。このように考えますと、化粧品がほしいユーザーを集めるためには「化粧品 通販」という特定のキーワードのみへの対応では不十分であることがわかります。
※ただし「特定のキーワード数を数百~数千に増やせばよい」というわけでもありません

ここで一旦、視点を変えてみましょう。以下のデータは、Googleが提供しているツール「キーワード プランナー」を使って、Googleにおける月間の検索ボリュームを求めたものです。



このデータを見ると、「乾燥肌 化粧水」というキーワードが月間でおおむね3600回検索されていることがわかります。私の経験則からしても比較的多い数字であるという印象です。


5. ユーザーの検索ニーズを想定したWebサイト設計とは

以上のように、「化粧品 通販」などの特定のキーワードのみでSEOを考えていた場合、「乾燥肌 化粧水」といったような想定外の検索ニーズに対応できず、大きな損失機会となってしまうのです。今回の例のほか「肌の赤味で悩んでいて、乳液について調べている人」や、「目じりのシワで悩んでいて、よいクリームを探している人」、「肌荒れがおきやすいので、低刺激なハンドクリームがほしい人」なども同様です。特定のキーワードのみへの対応では不十分であることがご理解いただけたでしょうか。

もちろん、前述のキーワードで検索するユーザーの中には「情報を知りたいだけで購入意思はない」という層が一定数存在します。しかし、一度ユーザーに訪れてもらえれば、ページの見せかたやコンテンツ、導線設計などに工夫をこらして購入意欲を喚起できる可能性もあるわけです。

Webサイトでまず重要なのは、Webサイトに訪れてもらうこと――つまり集客ということになります。


今回はここまでになります。次回はSEOでのポイントとなる「キーワード」「コンテンツ」「リンク」について、具体例を交えながら解説していきます。




ヴォラーレ株式会社

【著者プロフィール】
ヴォラーレ株式会社
ヴォラーレでは、旧来型の「リンクを使ったSEO」ではなく、技術/マーケティングの両側面からWebサイトを改善していくための本質的なSEOコンサルティングを中心としたWebコンサルティング事業を行っています。

Webコンサルティング、そのなかでもSEOを遂行すべく、WebディレクションやWebデザインに携わる方々に、最新のSEOに関する基本的な考え方・取り組み方をセミナーやメディア寄稿を通して伝える啓蒙活動も行っております。

●ヴォラーレ株式会社:http://www.seohacks.net/

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