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第5回 SEOに効く、良質なコンテンツのつくり方(前編)

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第5回 SEOに効く、良質なコンテンツのつくり方(前編)

2014年11月11日
TEXT:寺田祐也(ヴォラーレ株式会社)


ヴォラーレ株式会社 こんにちは。ヴォラーレ株式会社の寺田と申します。先日、寄稿させていただいた植木と同じくSEOを基本としたWebコンサルティングを行う会社において、コンテンツ制作部門を担当しています。今回は、Webサイトにおいて需要が高まっている「Webコンテンツ」というものについて、文章=Webライティングというレベルから改めて考えていきたいと思います。

最近では特に「コンテンツマーケティング」という言葉がWeb制作の現場においても多く耳にするようになってきました。連載の第1回で植木が説明させていただいたように(http://www.mdn.co.jp/di/articles/3295/?page=2)、「人工的な外部リンク」は従来のように有効な施策ではなくなってきています。そこで重要視していくべきものとして、「コンテンツで検索流入を拡大すべき」という文脈でコンテンツマーケティングが語られる傾向があります。

しかしこれは誤った文脈ですし、そもそもコンテンツであればなんでもよいわけではありません。今回は、この点について掘り下げていきながら「質の良いコンテンツとはなにか」について考えていきたいと思います。


本記事で取り上げること

1. これからのWebコンテンツに求められる役割とは?
2. 「質の良いコンテンツ」とはなにか?
3. なぜユーザーはリンクやシェアをするのか?

それでは、いってみましょう!


これからのWebコンテンツに求められる役割とは?

突然ですが、「コンテンツマーケティング」とはなんでしょう? 簡単にいえば「コンテンツでマーケティングすること」です。当たり前ですね。では「マーケティング」とはなんでしょう? わりと誤解されてしまいがちなのですが、マーケティング=広告・販促活動という考え方が強くあったりします。

しかし、こうした積極的なアプローチはあくまで一部であり、マーケティングとは「顧客が商品を効率的に得られるようにすること」の全般を指します。つまりコンテンツでマーケティングする、というのは「顧客になり得るユーザーが商品について効率的に情報を得られるコンテンツを整えること」と言い換えることができそうです。

そこで最初の質問に戻ると、コンテンツの役割として「被リンクによるSEOの効果が薄れてきたので、記事を量産して流入を増やしましょう」というような話があったりします。コピー&ペーストの文章でなければ文字数やページ数の多いWebサイトのほうが強い、だからコンテンツを多く制作しましょうという考え方です。

必ずしもまちがっているとはいえませんが、Webサイト運用をビジネスとして考えた場合に少なくとも「効率的」ではないといえるでしょう。Webサイトの目的から遠いユーザーばかりを集めてしまったり(コンバージョン=成約率が上がらない)、そもそもパンダアップデートの対象となるような独自性の低いコンテンツは検索結果から除外されるリスクを高めてしまいます。つまり「労多くして功少なし」という状態です。


「質の良いコンテンツ」とはなにか?

たとえば、PCを販売するWebサイトがあったとします。そこではスペックの詳細や価格との比較などが、PCがほしいと考えているユーザーにとって有益な「情報」になります。また、最近PCの調子が悪いと頭を悩ませているユーザーにとっては、不具合が多い時のメンテナンス方法やチェック項目などが情報として役に立つことでしょう。ほかにも、PCを買い替えたばかりでまったくなんの不満も無い、というユーザーにとっても「PCを長く使うコツ」などは必要な情報になりそうです。

つまり、ユーザーによって前述した「商品について効率的に情報を得られるコンテンツ」は異なります。このようにさまざまなセグメントにわけられる「顧客になり得るユーザー」の視点に立ち、彼らにとって役立つ情報を先回りして、戦略的に配置しておくことがコンテンツに求められます。

ここで大事なことは、人工的な外部リンク対策は検索エンジンにとってペナルティの対象となりますが、ユーザーから貼られる自然なリンクは検索順位を上げるための極めて有効な施策であることに変わりないということです。

役立つ情報であるとユーザーのブログで紹介されたり、ソーシャルメディア上で拡散されたりすれば、自然と検索順位も上がっていきます。つまりユーザーにとって有益な情報は、SEOとしても非常に有効な「質の良いコンテンツ」であるといえるのです。


なぜユーザーはリンクやシェアをするのか?

「ユーザー目線に立つことが大事」というのは当たり前すぎる結論なので、では「どうすれば質の良いコンテンツが量産できるのか?」について考えていきましょう。

ユーザーはコンテンツをシェアやリンクで紹介する際に、いくつかの動機からそのアクションを行います。ざっといくつか挙げてみると

・共感…いいね! 気持ちわかる!
・驚き…スゴイな。これはみんなに知らせたい。
・反論…いや、これは違うでしょ!
・自己承認欲求…これを読んでいる私ってなかなかでしょ?

という感じでしょうか。上のふたつはわかりやすいですが、下のふたつは意外と見落としがちな拡散の動機といえます。もちろん、さらに多く挙げることも可能ですが、ここでは上のふたつについて考えてみましょう。

共感や驚きを動機とした拡散を獲得する場合、「なるほど、これはよい」「この記事は役立つ! みんなに知らせたい」というユーザーの心理が考えられます。

その心理を満たすためにコンテンツづくりにおいて重要なことは、ほかの類似サイトやテーマの記事と比べても「さらに深い情報が得られる」または「さらに広い情報が得られる」というどちらかになります。

ひとつのテーマについて、詳しい人の話を聞いたり文献を掘り下げて調べたりするなど深い情報にするのか、多くの情報を比較検証してみるなど広い情報にするのか、企画段階で検討してみると「よりユーザーにとって有益な情報」を量産することができるでしょう。

さて、駆け足でしたが今なぜ「コンテンツ・イズ・キング」と改めてうたわれる理由が伝わりましたでしょうか? 次回は良いコンテンツを生み出すための企画とライティングの方法について考えていきたいと思います。引き続き、よろしくお願いします。


最後に

ヴォラーレ開催のセミナーのご案内です。12月10日(水)にSEOを学ぶセミナーを開催します。

ゼロからのSEO担当者育成講座 ~これからSEOの話をしよう~
http://ml.seohacks.net/_2014semim

弊社コンサルタントが数カ月かけて学ぶSEOの内容を6時間に集約して、「SEOをゼロから学べる」形でお届けするという内容です。どうぞよろしくお願いします。



ヴォラーレ株式会社

【著者プロフィール】
ヴォラーレ株式会社
ヴォラーレでは、旧来型の「リンクを使ったSEO」ではなく、技術/マーケティングの両側面からWebサイトを改善していくための本質的なSEOコンサルティングを中心としたWebコンサルティング事業を行っています。

Webコンサルティング、そのなかでもSEOを遂行すべく、WebディレクションやWebデザインに携わる方々に、最新のSEOに関する基本的な考え方・取り組み方をセミナーやメディア寄稿を通して伝える啓蒙活動も行っております。

●ヴォラーレ株式会社:http://www.seohacks.net/

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